第28話「最後の告白」

私が王様を大殿に送る途中「……」いつもなら話かけてくれるのに何もお話になってくれない「……王様」「何だ?」「もしや王様はお怒りなのですか?私が臣命下会議で勝手な決定をしたからご気分を害されたのですか?」






「クァンよ」「はい、王様」「もし余がそうだと申したらそなたはまた臣命下会議を開いて余に出した命を取り消すのか?」「いいえ取り消しません」






「ならそれでいいではないか?、安心しろ、余は決してそなたを恨んだり怒りを覚えたりしない、だってそなたは……」「はい?」王様は立ち止まり私をじっと見つめて「そなたは余のこの世でたった一人の臣下だから」「はい、王様」大殿に着くと「王様、中にお入りください」






「そなたは中に入らないのか?」「はい、私はまだ仕事が残っておりますので」「そうか、それなら仕方ない、仕事に戻れ」「はい」私は王様に一礼すると王様は微笑んで大殿の中にお入りになるでも何故かホン内官は全く入ろうとしない



「何ですか?私に言いたいことでもあるのですか?」「何故です?」「何がですか?」「何故王様にあのような命を下されたのですか?」「さぁ何故でしょうね?」「真剣にお聞きしてるのです、お答えください」「まさか、私が王様に危害を加えてるとでも思ってるのですか?」








「いえ、そのようなことは……」「何が嫌で、何故私を疑ってるのかよく理解でしませんが、そんなに私の考えが気に入らないのなら従二品の尚膳に(サンソン)になれば良いのでは?」「何故そうなるのですか?」





「そうなれば臣命下会議を開くことができ私の決定を覆せる権利を手に入れられます、例えなれたとして臣命下会議を開き私の決定を覆そうと私に立ち向かって来るのなら私は全力で潰しにかかります」「……」「今度は私から質問します」





「何でしょう?」「ホン内官にとって王様はこの国の国王ですが貴方の君主でありますか?」「それはどうゆう意味ですか?」「言葉通りの意味です、私には貴方は王様をこの国の国王として心配して内官としてお仕えしているようにしか見えないのです」




「私はそんなつもりで王様にお仕えしているのではございません」「いえ私にはそうゆう風に見えます、王様ご自身を見ようとはせずに王座に座られてる方として接して顔色を伺い機嫌を取り、自分の私欲が叶いそうなら王様に叶えて貰おうと媚を売る、用がすめば何事もなかったかのようにお側を離れる私には貴方が他の欲深い臣下達と同じに見えます」






「……」「ではもう一つ質問します」「はい」「王様がも十万の刺客に囲まれていたら貴方はどうしますか?、刀を持ち平気で人を殺してしまう刺客を前に貴方は王様の盾として常に立っていられますか?」








「!?」「私は死を覚悟で盾として常に立ち続け王様をお守り致します、でも貴方は王様をお見捨てになり自分だけが助かりたいそういう行動に出るでしょう、違いますか?」「……」






その通りなのか黙り込むホン「やはり貴方は真の王様の真の臣下ではないのですね?私はそれを間違ってるとは言いません」「はい?」






「貴方の行いは人としては間違えとは言いません、十万の刺客を前にして恐怖を感じるのは当然です、ですが貴方が王様の真の臣下としてお仕えしたいと言うなら何故王様が百人の無実の民を殺すように王命を出した時、何故王様に王様が間違った道に進まれていると進言なさらなかったのですか?」






「それは……」「ご自分が真の臣下としてお仕えしたいと思うなら、王様の王命を全力で阻止してこれは誤りだとはっきり王様にはお伝えするべきでは?君主を正しい道に連れ戻すのも真の臣下の役目です」「……」



「それすら出来ないのなら私のやり方に口出ししないでください、私は私のやり方で王様を必ずお守りするのでご心配なく」






「ホン内官そなたではクァンに敵わない」王様の声がして私は王様に一礼する「王様、どうなされたのですか?」私が聞くと「大殿にに中に入ろうとしたらホン内官が付いてきてると思って後ろを振り向いたらホン内官の姿が見えなかったからもしからって来てみたらクァンに言い負かされていた」



私は王様に頭を下げて「申し訳ございません、つい感情的になってしまいました」「礼を言う」王様は私には言う「はい?」「そなたはホン内官の為に心を鬼ににしてあえて厳しい言葉をかけてくれたのだろう?」「はい、ですが少し出すぎた真似をしていまいました」





「そんなことはないと余はそう信じている、ホン内官」「はい、王様」「クァンが臣命下会議で決定を下したことは余が許可したことだ、だからそなたが口を挟むな、これは王命だ、」「はい、王様二度と口を挟みません」私を見て微笑み「クァンよ、もう行け、まだ仕事が残っているのだろう?」





「はい、失礼致します」私は王様に一礼して歩いていった、私が決めた時刻に罪人極刑を下したその日に大勢の民達の前で八つ裂きの刑に処された私は司憲府でその知らせをはハソンから聞く





「そう、二人の様子はどんな様子だった?」「不思議ととても落ち着いておりました、一切の抵抗せずそして刑に処される直前罪人二人は涙を流しておりました、無念にも死んでいた民達の家族の姿を見て」「あの二人が泣いた?」





「はい、きっと届いたのでしょう、クァン様の想いが命は簡単に奪ってはいけない、尊いものだと思いながら、自分の罪を罪で認識したのではないですか?、」




「そうかな?今まで私が摘発して極刑にさせて来た罪人は百万人以上だが私は被害者の痛みや苦しみは理解できても罪人の誰かを傷つけたり誰かの人生を奪ってまで得したいだなんて思ったことないから私にはいくら考えても罪人が何を考えてるかなんて分からない」




「あの二人は大罪人ですが、少し哀れな気もします」ハソンは少しもどかしそうにに言う「哀れってどうしてそう思うの?」




「この世の中は権力者が全てではありませんか?、権力者だけがいい暮らしをできてそうでないものは権力者に人間として扱われず家畜として扱われます、私は運良く、クァン様という正当で、誰もを平等に扱う主に出会いましたがそうでない者がこの世には数多く存在します、シ、テナグもその一人だったのです」






「もしかして奴婢だったの?」「はい、今の時代奴婢から両班に身分をあげるには相当努力が必要です」「確かシ、テナグは王族達関係を多く持っていたよね?」




「はい奴婢から両班になろうとした結果色んな悪事に手を染めて法を犯して両班地位に上り詰めたのですそう思った時は可笑しいんですけど私はあのシ、テナグを哀れに思ってしまったのです」




「私にはシ、テナグが哀れにはどうしても思えない、確かにシ、テナグを悪人にしてしまったのはこの世腐りきった世の中のせいかもしれない」「……」




「もしそうなら本当に私の想いが届いていたなら、それをもっと早く自分の意志で気づいてほしかった、そうすればあんな愚かな真似をして大罪人として極刑に処されることもなかっただろう、そして来年頃には奥さんと、今年中に生まれてくる赤子と何事もなく幸せに暮らせたはずきっとね」





「クァン様、クァン様がこの世を変えてください、身分も関係なく、誰もが平和に暮らせる国にしてください、」「うん、そうな世の中をつくると約束する」「なら私は何があってもクァン様をお守り致します十年後も二十年後もこの先もずっと」私はハソンの言葉に涙をする





「!?クァン様?」「ハソン、ごめんね」「何故謝るのですか?」「ごめんね、誠に」ハソンは不思議そうに私を見る






〈私はそんなに長く生きられない、本当は私も十年後も二十年後も生きていたい、へ家の皆とずっと一緒に居たかった、でも私は国の為に生きることを選んだ、私の愛する人と、私のたった一人の君主をお守りする為にこの命を懸けると決めた、もう引き返せないからだからごめんねこんな頼りない主で〉





「クァン様?」「ごめん、何でもない、今日は色々あって疲れたから報告が以上なら下がって」「はい……失礼致します」ハソンは大司憲の執務室から出ていく〈私はが居なくなった後皆はどうなるだろう?、世弟様、王様は私がもうすぐ死ぬと知れば何ておしゃるのだろう?〉






一刻後戸を叩くが聞こえてきて「クァン様、ジンでございます」「どうしたの?」「ご報告がございます、入ってもよろしいでしょうか?」「入って」戸が開き入ると「失礼致します」と言い私の前に来て一礼する「ジン、どうしたの?」






「ご報告三つございます」「報告して」「はい、一つはご命令を受け命を落とした者達ご遺族に帰し葬儀代と渡された文を渡してきました、予言で罪人になったと者たとを無事にへ家の私邸に連れてお預かりした代金で今私の部下が墓を建ててる所です」






私は「二つ目は?」「二つ目は世弟様がクァン様をお呼びです、すぐに東宮殿にお越しになるようにと」「三つ目は?」「三つ目は……」黙り込むジン「どうしたの?、早く三つ目を言って」「はい、三つ目はクァン様のご息女ソフィア様が今この王宮においでです」







「!?ソフィアが一人で?」「いえ里親になられた奥様ライアン様とお越しです、理由はよく分かりませんが王様にご挨拶をしにいらしたそうです」「そう、報告ありがとう、民達の墓の件はジンに全て任せる、頼んだよ」「はい、クァン様、全力で勤めます」「報告が以上なら下がって」






「はいクァン様」ジンは一礼して出ていった「世弟様が私をお呼びだなんて恐らく摂政の件だな」私は執務室を出るとハソンが戸の近くにいて「クァン様東宮殿に行かれるのですか?」「うん、世弟様をこれ以上お待たせする訳にはいかないから」






「でしたらお供致します」「ありがとう」私はハソンと東宮殿に行く、ハン内官が立って「世弟様に呼ばれて来ました、取り次いでください」「はい」中に行って行くしばらくして「大司憲様だけお入りください」「はい、ハソンここで待ってて」「はい」






中に入り「失礼致します」世弟様が椅子に座っていて「こっち来て座れ」「はい」世弟様を向かい合い座る「ご用件は何でございましょうか?もしかして私が臣命下会議で下した件について何かご質問があるのですか?」「取りあえず食べろ、そなたの好きな料理を用意した」







スプーンを手に取り食べ始める世弟様、私はそんな世弟様「いえ、今日はご遠慮しておきます、」「何故だ?」「今は職務中ですし今日中に片付けなければならない案件がございます、世弟様のご質問をお聞きして答えた後に仕事に戻りたいと思います」






世弟様はスプーンを置いて「誠にそなたはいつも王様をお守りすることで頭がいっぱいなんだな」「あの世弟様、もしかしてお怒りですか?」「怒ってはいないただ王様が羨ましいだけだ」「羨ましいとは?」






「私はそなた、王様と違って上手く自分の気持ちを隠すことができない、そなたは私の為に私の想いを拒んでくれているのにそれは痛いほど分かってるはずなのにどうしてもそなたが欲しくなる、」「世弟様……」世弟様の真っ直ぐの告白を受けて涙が流れる





「ずっと考えていた何故私達別れなければならなかったのだと、私達が夫婦になることはそんなにいけないことなのかと、世の中にいる夫婦のように手を繋いだり、抱き締めたり口付けをしたり一緒の布団で眠ったり、共に食事をして何気ない会話をして笑うそれの何がいけないのだと」





「……」涙を流しながら私に真っ直ぐ告白する貴方様に私はかける言葉何一つない何を申し上げてもきっと貴方様を傷つけるだけだから私は黙って聞いていることでしかできなかった、そして心中でこう思った









〈世弟様、この場で私が何を申したって世弟様と私の運命は何も変わらない待つのは悲しい結末だけ、どうせ運命に翻弄され残酷な死を迎えるなら私一人で十分でございます、これ以上貴方様が傷つく必要も、悲しい運命に翻弄される必要もございません、〉







「……」私達はお互いに涙を流しながら黙って見つめ合う、〈ですが貴方様が心配です、私が居なくなった後に貴方様はどうなってしまうのか、だから私に死をもたらす悲しい運命よ今だけはどうか本音で話すことを許して〉



「世弟様、今だけこの国の臣下としてではなく一人の女人として話をしてもよろしいでしょうか?」「あぁ」「テヤン様」「!?」以前のように名で呼ばれて驚く世弟様「今だけはご無礼をお許しください」





「……何だ言いたいことがあるなら申せ」「テヤン様にお伝えしたいことが二つございます私も本音を話しますとあの日私は世弟賓の座になることを望みました」「!?」驚いた顔でテヤン様は私を見て





「私もテヤン様の恋人でいた間は自分がテヤン様の世弟賓の座に就き、生涯テヤン様の女人として生きていくのだと思っておりました、テヤン様が私を必死に引き止めてくださってる姿、今も気持ちは変わっていないと告白して頂く時はすごく気持ちが揺れました、」




「クァン……」「このまま官職を退いて貴方様の妻になりたいと何度も思いましたですがそれは許されないのです、私達は決して結ばれてはいけない、それが分かってるからこそ出来なかったのです」「結ばれてはいけないとはどうゆうことだ?」「申し訳ございません、テヤン様、全ては私が至らないせいでございます」





「クァンそんなことはないぞ、クァンは何も悪くない」「テヤン様、愛してます」「クァン……」「この世の誰よりも愛しておりますですが私はこの国の臣下としてこの国の臣下して貴方様をお守りすることを選択致しました、それ以外貴方様をお守りする方法がなかったのです」




「クァン……」「私が無力だから、官職に就く以外貴方様をお守りする力を得られなかったのです」私は涙を流しながら告白する「すまないクァン、そなたも辛い想いを沢山していたのだな」






「いいのです、テヤン様、私なら大丈夫です、それより貴方様との約束を果たせなかったことをお詫び致します、申し訳ございません、ですがテヤン様、私は幸せでございました、もちろん生涯貴方様の女人として生きられなかったことはとても寂しいですが、私にはその寂しさを忘れられる貴方様とのかけがえのない思い出がございます」







「クァン……」「私も時々思います、テヤン様が王族でなく普通の両班で私と出会っていたらどんな運命を辿っていたのだろう?と」「何も変わらない、例え私が両班として生まれていたとしても私は必ずクァンと出会って必ずクァンに恋をする、何度だってクァンを好きになる」






私は更に涙が溢れる「私も何度生まれ変わってもテヤン様と出会って、テヤン様を好きになる自信しかありません、ですがテヤン様、私はこの国の臣下です、」「あぁ」






「ですからもうテヤン様を名で呼ぶこともテヤン様の女人として生きることも、抱き締めることも、口付けをすることも、……手を握ることも、好きだとお伝えすることもできません、それらの行為は決して許されないことです」「……」世弟様は目を閉じる





「ですがテヤン様私は貴方様が自分ではどうしょうもないくらいに好きです、こんな私を好きになってくださり感謝致します、私に素敵な初恋とかけがえのない思い出をくださり心から感謝致します」「クァン……」「これが私から貴方様への最後の告白でございます」






「……二つ目は?」「二つ目にお伝えしたいことはテヤン様私にはこの先何があっても決して世弟の座を退かないでください」「クァンの身に何が起きるってことか?」不安そうな顔をなさる世弟様、





「まだ起こると決まった訳ではありませんですが私はこれからも政治と関わっていきます、何が起こっても可笑しくないということです」「つまりそれはクァンが死ぬかもしれないということか?」「……はい」「そんなの嫌だクァンがいないこの世の中で世弟として生きていくだなんてそんなの耐えられない」





「落ち着いてくださいテヤン様まだ私が死ぬと決まった訳ではございません可能性があると言うだけでございます」「それでも嫌だ、もうやめようクァン、そなたはよく頑張った、そんな体で官僚の仕事を続けていたら誠に死んでしまうぞ」





「テヤン様、私は何があっても官職を退きません、何があっても私は最後までテヤン様をお守り致します」「そなたも頑固だな」「テヤン様、テヤン様はいつか王座に就きこの国の君主になる時が必ず来ます、その時もしかしてら私はいないかもしれません」「クァン」






「それでもこの国の君主として民達をお守りください、この国にはまだ飢え死にする民や人として扱われない奴婢の身分の民達が存在します、私はいつもその民達が人間らしく生きられるように悪事を繰り返す両班、王族達を一人の残らず摘発して民達を守って来ました、」






「……」「長い歴史の間はこの世の中は奴婢は自由に意見することも、好きなことをする権利もないと思われております、今もその考えが当然だと両班達思っており、罪なき民達は身分が奴婢だけだと理由で物のように扱われ、要らなくなったら簡単には売られるそんなことが当たり前に行われております」







「それを何故私に言うのだ?、私ではなく王様に申し上げるべきだと思うが?」「はい、左用でございます、ですがこの問題はテヤン様にも今後関係してきます」「私が王様の代わりに摂政を行うからか?」






「はい、ですがそれだけではございません、テヤン様はいずれ王座に座ることになります、その時はテヤン様には罪なき民を守ってほしいのでございます」「私が王か、いざそんなことを考えると自信がない」「テヤン様……私がどうして貴方様にこんなお話をするかご理解頂けていますか?」






「私が世弟だからか?」私は首を横に振り「いいえ」と答える「なら何故だ?、他に理由があるのか?」「はいございます」「何だ?」





「テヤン様、常に民のことを考えているからです、私が世弟様この国の王子様でと知った時世弟様は私の父を無実の罪で拷問しました」「……」「私はその時やはり王族の人は誰もが同じ考えをしていて自分達は特別だと思っているのだと思いました」







「ですが貴方様は他の方とは違います、貴方様は人の痛みが分かります、自分の過ちも素直に受け止める心があります、それにテヤン様は身分などでは人を区別せず貧しい民に作物を分け与える、そんな情に溢れたお方です、権力よりも情を大事にする貴方様だからこそ私は将来この国の君主として罪なき民達を守ってもらいたいのです」







「無理だ私にはそんな資格はない、前にも話したが私はクァンが想像を絶するような日常を送っていた、沢山、人の道に外れたことをしてきたしそなたと出会う前はそれが当然だと思っていた、そんな私には一体何故この国の君主にふさわしいと言えるのだ?」






「テヤン様、誰にでも過ちはございます、私にも消し去りたい過ちがございます、」「それはつまり正当な道しか歩まない、そなたも過ちを犯したと申すのか?」






「はい、私は一度許されない大罪を犯しました、その罪は法に背いていない罪なので義禁府に自首しに行こうとしてもきっと罰してもらえないでしょうが、ある一人の方の人生を狂わせたことが一度だけございます」







「クァン、それは一体……」「申し訳ございません、テヤン様、それがどちらの方なのか、立場上お話できません」「そうかなら仕方ない」






「テヤン様、誰にでも過ちを犯す瞬間がございます、その過ちを犯した後の対応でテヤン様の人生が決まります、私は思うのです王様の後を継ぎこの国の君主になるなら貴方様がいいと、民達はまだこの国の長い歴史のせいで生活がとても貧しく生活をする為に自分の子供を売る親もいます、そんなの絶対に間違っております、」






「……」「ですからどうか今後私に何があっても世弟の座を退かないでください、そして必ず生き延びてこの国の君主となりこの国の罪なき民達が身分で差別されず自分の意志で生きれるそんな世の中を築いてください」私は世弟様の目を見て伝える






「私のこの言葉を胸に刻んでくださるなら私はテヤン様の心の中で生き続けることができます」「……」世弟様は何も言わず更に涙を流す





「テヤン様、後は頼みましたよ」私は微笑む「クァン……」「私の話は以上ですが何かお話したいことはございますか?なければ私はこのまま下がりますが何かお話はございますか?」





「そなたの望み通りにしよう、私も今後はそなたを自分の女人ととして接することも抱き締めることも、口付けをすることも、手を握ることも好きだと伝えることもない、今後は決してそなたにそのようなことはしないと約束をする、だからそなたも約束してくれ」





「はいどのような約束をですか?」「今後はこの国の臣下として接するゆえ、何があっても死ぬな、私の許可なく死ぬことを固く禁じる、約束できるか?」「……」その言葉を聞いた時止まっていた涙を私は再び流す







〈できることなら私もその約束をお守りしたいのですが私はまた世弟様とのお約束を破ってしまいます〉「……クァン、私と共に食事をしろこれは命令だ」「……はい」私はスプーンを手に持ち食べ始める、世弟様は何かを察したのか、私が返事をしないことを指摘しなかった





































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