第24話「この国の世孫誕生」

私はハン、ナギョムとお互いに視線を送り合う五十メートルほど離れた私には向かって「そんなところに立ってないで中に入って座って」「私の話を聞いてなかったのですか?私は王命で貴女を捕らえに来たのです」






「ちゃんと聞いてたよ、安心して逃げないからおとなしく捕まるその前に貴女と話がしたいの」その言葉を聞いて嘘を言ってるようには見えなかったから私は指定された椅子に座る「その右肩と左手の怪我もしかして私の部下が?」







「はい、ここまで来るのに一万人を相手にしました、今は私には刀でお腹を殴られて気絶してます」「そう、それは申し訳なかった」「いえ不要な気遣いです、貴女に一つ聞きたかったのですが」「何?」「何故私の母を殺め、父を殺すように指示したのですか?」







「それは二人が私が黒い月の組織を党首だと気づき摘発しようとしたからだからその前に始末した」「摘発されて当然です、だって貴女は何の罪のない民をあんな無惨にも殺したのですから」






「それは十一年前に起こした件を言ってる?私があの事件を起こしたのは組織の力を証明したかったから」








「組織の力を証明する為?そんな理由であんなに惨く大勢の民を殺したのですか!?」「そんな興奮しないでよ、たかが平民でしょ?生きてても死んでても何も世の中が変わらない」「例え世の中が変らなくても、五万人の罪なき民達が無念にも殺されていった事実は決して変わりありません」





「五万人?私が殺すように指示したのは四万にだけど?」「いえ五万人です!一万人の女性のお腹の中には確かに命が宿っていました」「!?」「その小さな命はお腹の中から出てくることなく両親と会えず、無念にも死んでいったのです」





さっきの余裕な表情が少し驚きと悲しみが混じったような表情に変わる「子供を持つ母親の気持ちが貴女なら分かるでしょう、小さくて可愛くてこの子の為ならなんだってできるそんなことを思う、信城君様を可愛がる貴女の姿を見て思ったのです、貴女も他の母親と同じで我が子が一番可愛いのだと」






「まるで自分も母親になったみたいな口調ね」〈だって私にもいますから可愛くてたまらない娘が、でもそんなことは絶対に言えない〉「……そんなのではありません、考えなかったのですか?、信城君様のこと、貴女が黒い月の組織の党首だとご存じになればきっと悲しむはずです」





「……分かってたそんなこと」「分かってたなら何故黒い月の組織党首などになったのですか?貴女が黒い月の組織を党首として捕まり極刑になれば信城君様も同罪になり一緒に罰を受けることになるのです」「駄目よあの子だけは!」





「そう思うのなら最初から黒い月の組織に入会しなければいい話ではありませんか?例え入会してもすぐに自首すれば極刑を免れることは出来たはずです信城君様の為にもそうするべきでした」「……」






「仮に信城君様の命が助かったとしても信城君様は極刑に処される大逆罪人の息子として世間から後ろ指を指されながら生きていかなければならないのですがそれでも構わないのですか?、十一歳の子供にそんな悲しい現実を背負わせるのですか?」







ハン、ナギョムは「私も何度も引き返そうと思った、あの子のこれからの人生の為にも自首して罪を償うべきだと何度も思った、でも遅かった、私は気づきいてしまったのだ自分の心の中にある悪を、」「仁賓様……」戸が開いて「「クァン様!!」」









ジンとハソンが現れたのはから私は二人に「止まって!まだ話しは終わってない、話をつけたら呼ぶそれまで外で待機してて」「ですが……」「これは命令だ!早く下がって」「「……はいクァン様」」ジンとハソンはそう返事をして外に出て戸を閉める







「続けましょう」私が仁賓様に言うと「今まではその悪を必死に隠して圧し殺して生きていた、でもそれが私にとっては苦痛で誠の己を押さえつけてるみたいでとても腹立たしかった、でもある日己の中にある悪の心を受け入れたら心がすごく楽になった黒い月の組織を党首でいることに生きがえを感じることができた」







「生きがえとは無実の大勢の民達を殺すように指示することですか?、それもと生まれて来ることもできなかった赤子を皆殺しにすることですか?、それとも十一歳の我が子に辛い現実を突きつけ苦しめることですか?、何故無実の民達を皆殺しにしたのです?己の心の弱さに負け悪人の道に進まれたのですか!?」









私は仁賓様に問う「そなたはいつでも真っ直ぐだねクァン」昔のように名を呼ばれ涙を流してしまう








「仁賓様、私は貴女に罪を犯してほしくなかったです、罪人として貴女を捕らえたくなかったです、私はずっと仁賓様と信城君様が仲の良い親子として何も事もなく穏やかな人生を送ることを心より願っておりました」







仁賓様は何解放されたかのように微笑み「私はクァンに止めてもらえて良かったよ、捕らえられるならそなたが良いと思っていたありがとうクァン」私は流れる涙を拭き「ジン、ハソン入って」



戸が開き「「失礼致します」」「ジン、縄を貸して私が罪人、ハン、ナギョムを縛る」「「……」」「はいクァン様」







ジンは手に持っていた縄を私に手渡し私は仁賓様を縛る「仁賓様、私は貴女に今この場で誓います、信城君様は私が必ずお守りします」仁賓様は微笑んで頷いて




「頼んだよクァン、あの子は私の息子だってだけで何一つ悪いことをしていない、だからどうかあの子だけは何としてでも守って」






「……はい必ずそうします、ですから自分のの罪としっかり向き合い安らかにお眠りください」「クァン、私はそなたがずっと羨ましかった、悪の道に進み始めたことはいつも正しくいつでも力なき民達を守り続けるそなたの生き方がしたい、そなたが民と国の為にそのボロボロの体で頑張り続ける姿を見て何度もそう思った」






「仁賓様……」「でも結局は私は自分に得な道を進んでいたのだと今気づいた、私とそなたの一番の違いはそなたはいつも損を選んでた、自分に得なことなんて何一つないのに、それでも必死になって貧しき民達を救っていた、いつも誰かの為に泣き、怒り、喜びそんなそなたはだからこそ私は好きだ、とても、」私はまた涙が流れる






「そして私は初めて己の息子以外殺したくないそう思った、そう思えたのがそなたで良かったよ、じゃあねクァン」「「……」」「……ジン」「はいクァン様」「罪人、ハン、ナギョムを王様のいる大殿に連行せよ」「……はいクァン様」









ジンは仁賓様を連れていく、「……クァン様、プニを無事保護しました、プニからクァン様が右肩を怪我してると聞いたのでエン様をお呼びしてこちらに向かっております」「分かった、ハソン」「はいクァン様」「エンが来るまで一人にして」




「はいクァン様、」そう言いハソンは出ていった私はエンの治療を受けて官服を新しいのに着替えてから王宮に戻り王宮の状況を確認してから大殿に行く







「執義のへ、クァンだ、王様に拝謁を願いたい、取り次いで」女官が戸に向かって「はい、王様、執義であるへ、クァン様が拝謁を願い出ております」中から王様が「通せ」「お入りください」「ありがとう、」女官にお礼を言った後入る部屋に入る時に「失礼致します」一礼する





王様は「クァンよく来た、座れ」「はい王様」私が座ると「クァン、肩は大丈夫か?怪我したと聞いたが」「もしかしてエンにお聞きしたのですか?」「いや世弟にだ」「!?えっ世弟様が何故怪我の事を?」「どうやら世弟はそなたのことが気になって護衛兵に安否を確認させたらしい」





「左様でございますか……ですが私なら大丈夫です怪我も大したことありません」王様は怪我してる所を強めに叩く「!?」私は痛みで顔を歪ませ無意識に右肩に手を当てるそんな私の姿を見て






「どこが大したことないのだ急所は外れてるが肉体の大きなダメージを受けてるし発作も何度か起きて今は脈が不安定だとへ、エンから報告を受けておる、クァン、そなたは普通の者とは違って体が弱いのだぞ、」






「……申し訳ございません、王様」「何故平気だと平然と偽るのだ?、まさか余の前だから怪我をしていても平気なフリをするのか?」「それは違います王様、私は決して王様を欺こうとなどしておりません」「なら何故怪我しているに平気だと申す?」






「王様にご心配お掛けしたくないからでございます、心優しい王様がご自身のせいで私が怪我をしたそう思いご自身を責めてほしくないのでございます、私が王様に怪我のことを隠すのは決して王様を欺こうとしたのではございません、王様に就く.王様は様々な問題を対処致します」






「様々な問題?」「はい王様は玉座に座りこの国民の問題、身勝手な臣下が起こす問題、他国との問題、全てに対処されおり何か問題が起きる度に私は王様の心境が心配でたまりませんでした、ですから私の前ではほんの少しでもご安心頂けてればいいと思い怪我をしても平然の態度でいようと思いました、それを愉快に思われたなら申し訳ございません」







王様は微笑み「そなたのことを愉快に思ったことなど一度もない、ただ怪我をしてるの平気なフリをされるのが欺かれてるようで悲しかっただけだ」「王様、申し訳ございません、今後は怪我していても平気なフリをいたしませんを致しません」「あぁ頼むぞ」




「はい王様、王様、罪人ハン、ナギョムの息子である信城君、、イ、フェ厶様についてご報告したいことがございます」「申してみろ」






「はい、確かにハン、ナギョムは大罪を犯しました、極刑にされても何も異を唱えることは出来ない大きな罪でございます、ですが信城君様には何の罪もございません、もし王様が母親が罪人というだけで信城君様を罰することをお考えなら私はそのお考えに賛成致しかねます」







「それはつまり信城君は母親が罪人ってだけで黒い月の組織には何も関係ないから何の罪には問うなそう言いたいのか?」「左様でございます王様、」「だかな仮に余が許し罪を不問にしたとしても官僚達が黙ってないだろう、信城君を罰せよと騒ぎだすはず」






「それなら何もご心配は要りません、信城君様をお守りする手立ては考えております」「申してみろ」「それは世弟様と世弟賓様の養子に信城君様を迎え世孫(セソン)の座に就くことです」「!?そんなは無謀だ、罪人の息子をこの国の跡取りに迎えるなんて官僚達が黙っていない」






「仮にそうだとしても信城君様をお守りするには手立てはこの方法しかございません」「クァン、そんなことしてみろ、クァンの提案だと知った官僚達ほとんどがそなたを敵視するぞ、窮地に立たされるのは臣下であるそなただぞ」「はい王様それは十分理解しております」「何故だ何故そこまで信城君を守ろうとする?」






王様は私に問い私は王様の問いに誠心誠意お答えした私の言葉を聞いて王様は「分かった、そなたがそこまで言うなら信城君を世孫の座に就くことを認めるとするこれは王命だ、世弟と世弟賓と信城君にはその事をそなたが言え」






「はい承知致しました王様」私は大殿を出て「ハソン」「はい、クァン様」「世弟様、世弟賓様は今はどちらにいる?」「はい、確認した所をお二人ともそれぞれの寝殿におられるようです」








「分かった、ハソンは明日の朝、世弟様と世弟賓様に「私がお話がある、ご都合が宜しければ明日の卯の下刻(七時)に東宮殿に伺います」とそうお伝えするように」「承知致しましたクァン様」ハソンが行くと私は突然視界が薄暗くなり倒れ込むそれに気が付いたジンは「クァン様!」






私の元に駆け寄り私を受け止める「クァン様大丈夫でございますか?お怪我をされておられるのですから安静になされてはいかがですか?」「分かってるよちゃんと私の体はだから脈が不安定なことも、怪我が軽くないってことも」







ジンは「だったら何故そのお体で無茶をするのですか?クァン様は普通の者に比べて体が弱いのですよ?もっとご自身のお体を大切になさってください」







「分かってるよそんなの痛いほど、でもそんなの言い訳にならない、私はこの国の臣下で体を酷使して王様、王室の皆様、この国の罪なき民達を守らなければならない、体が弱いとかそんなの関係ないの私は信城君様をお守りしたい」「クァン様……」






ジンが私を呼んだ後「何としてでもあの方をお守りすることで薬賜の刑に処される仁賓様の供養にもなるきっと安心して眠りにつける信城君様をお守りすることが私が仁賓様にできる最後の事だから」「「……」」「もう夜も更けたへ家の皆が心配するし帰ろう」




私は王命書を持って東宮殿に行き世弟様に訳を話お二人がお揃いになったところで王命をお伝えする「クァン、今なんと言った?信城君を私達の養子に迎えて世孫に就かせるだと?」「はいこれは既に王様から許可を頂き王命も出ました、お二人も従ってください」





世弟様の後に世弟賓様が「クァン、まさか貴女が王様に提案したの?信城君を守る為に」「はい、左様でございます」「「クァン!」」お二人は私を呼ぶ「まさかと思いますが王命に背くのですか?でしたら私は法に乗っ取りお二人を摘発しなければなりません」






「クァン、これがどうゆうことか分かってるのか?信城君を養子に迎えて世孫に就かせるって例え王様が信城君の罪を不問になさったとしても官僚達が黙ってないだろう?」「はい、それは十分理解しております、その時は私がその官僚達を何としてでも食い止めますのでご心配には及びません」







「私達が言いたいことはそうゆうことじゃない!」「ではどうゆうことでしょうか?」「クァン、信城君は罪人の息子なのよ?」と世弟賓様の言葉に







「私は信城君様を罪人だとは思ったことは一度もございません、誰もが言うでしょう?「何故罪人の息子を庇うのだ」と私はその者達にこう言います十一歳の子供を問答無用で罪人扱いするとは何と見苦しい振る舞いでしょうか、恥を知れ、私ならその者そう言います」 「「……」」






私は黙り込むお二人に「ですが誤解なされないでください、お二人に申し上げたのではございません」世弟賓様は「クァンそなたの気持ちはすごく分かるわ、私も信城君を罪人だとは思っていない」「でしたら王命に従ってください」





世弟様は私に「クァン、そなたは今自ら危険に飛び込もうとしてる、信城君を世孫に就けようと提案したのがそなただとは他の官僚達が知ったら官僚達ほとんどがそなたを敵視するだろう?信城君を庇えば庇うほどそなたは窮地に立たされるそれでも構わないか?」







私は微笑み「何が可笑しい?」世弟様に質問されると「世弟様と王様はよく似ていらしゃいます、私が信城君を世孫の座に就かせると申し上げた時、王様は同じようなご質問をされていたので私は王様にこうお答えしましたはい、構いません、それで信城君様と王宮の平穏をお守りできるのなら私は喜んで窮地に立ちますと」「「クァン」」




世弟様は私を呼びお二人の姿を見ると「お二人は誠に慈悲深いのですね、臣下の一人に過ぎない私をそんなにも心配してくださるとは」「私はそなたを臣下の一人だと思ったことなど一度もない」「私もよクァン」世弟様と世弟賓様は私に言うその言葉を聞き私は微笑み





「世弟様、世賓様、私なら大丈夫です、例え官僚達ほとんどを敵に回すことになったとしても私はそんな簡単にはやられたりはしません、王命に背く者をまとめて王命に背いた罪として全員断罪してやります、」「「……」」「ですがお二人のお姿をご覧になる限りまだご納得されてないご様子のようですね」






「当たり前だ、そなたが窮地に立たされるのに賛成なんて出来ない、私は例え王命に背くことになったとしても王命には従わない」世弟様は私に向けて言う、世弟賓様はそんな世弟様の姿を見てお顔が暗くなる







「世弟様、世賓様、私が何故信城君様を世孫の座に就かせるかまだ理由を説明しておりませんでした理由は首陽大君様から王様と王座をお守りする為でもございます」







「それはどういう意味だ?何故首陽兄上から王様をお守りするのだ?もしやそなたは首陽兄上が王座を欲して王様を殺めるとでも申すのか?」「……はい左様でございます、世弟様、どうやら首陽大君様は誠に王様から王座を奪い取るおつもりのようでございます」






「何故そんなことが申せるのだ?いくらそなたでも今の発言は不適切だ、母親は違くても首陽兄上は私の大切な家族なのだ」世弟様は少しは強い口調で私には言う、私は世弟様に








「申し訳ございません、世弟様こんな酷なことは誠に申し上げたたくございませんが、首陽大君様ご本人から王様と私の目の前で「王座を欲した」とお聞きしたので私はこの国の臣下として王様をお守りする為にも首陽大君様を摘発しなければなりません、」「クァン…」







「それに首陽大君様が王座に就いたらこの国は大変なことになります、首陽大君様は平気で官僚を斬って殺めた所を私は実際に見ております、あのお姿が見て首陽大君様は王座に就つけばこの国中が血の雨が降ることは確実でございます、」「「……」」







真剣になお顔で話を聞くお二人に私はお話続ける「ですので王室の安泰とこの国に暮らす貧しき民達を守る為にも信城君様を養子に迎えて世孫の座に座って頂く必要がございます、これは今後の国の未来の行く末を賭けた選択でもございます、お二人のお力がなければ実現しないことでございます」





「そなたの気持ちは分かった、だかどうしても今回の王命には従えない」「世弟様!お二人がご協力してくださらなければ首陽大君様は私を使って王様を脅し王座を奪い取るつもりなのでございます」「それはどうゆう意味?」世弟賓様が私にご下問される




「王様から直接お伺いしたのでございます、王様が私に大殿で私を幽閉すると王命が出された時王様は首陽大君様から脅されていたのでございます「王座を私に譲位せよさもなければへ、クァンの命はない」と私を使って脅し王様から王様を奪い取ろうとしたですので私は王様と王座を守る為に王命に背き自ら罪人になったのでございます」







「「!?」」「クァン、どうしても首陽兄上と敵対しなければならないのか?王様とこの国を守る為にそなたが自ら命を懸けるのか?」「はい、私はこの国の臣下でございます、何があっても私は逃げたりなど致しません、必ず王様、王妃様、世弟様、世弟賓様、密豊君様、信城君様をお守り致します」





「そこまで申すなら仕方がない、王命に従おう、そして私がそなたを必ず守る」私は微笑み「そのお言葉を頂けて光栄でございます、世弟様」私は東宮殿を出て信城君様の元に王命書を持って行く






お部屋に通してもらい信城君様と向かいあって座る「私になんの用だ?、私の母上はそなたのお母上を殺めたのだろう?もしや私には復讐しに来たか?母上が賜薬の刑になりこの世を旅立ったからか?だから私を殺しに来たのか?」




「信城君様それは誤解でございます、今日私がここに来たのは信城君様に王様からお預かりした王命書をお渡しする為に来ました、これが王命書でございます」私は信城君様に差し出す受け取り読むと





「!?私が世弟様と世弟賓様の養子になって世孫の座に就く無理な話だ私は罪人の息子だぞ?例え王様、世弟様、世弟賓様が認めたとしても他の官僚達は決して私を跡継ぎとは認めないだろう」「では信城君様は諦めるのですか?母上が罪人だから自分も死ぬしかないそうおしゃるのですか?」







「そうだろう?私母上は多くの民達の命を奪った黒い月組織の党首、誰か私を世孫とは認めないだろう、誰もが私を罪人だと思うであろう」「いいえ私は信城君様を罪人だと思ったことは一度もございません」「……」





「確かに信城君様の母上は罪を犯し大逆罪人として賜薬刑に処されました、例え世弟様、世弟賓様の養子になり世孫様になられたとしてもきっと罪人の息子として世間から後ろ指を指されながら生きることになるでしょう、それでも信城君様にとっての母上は、ハン、ナギョム様この世でただ一人でございます母上を失った悲しみは一生消えることはないでしょうそれでも耐えてください、信城君様、何としてでも生きるのです」







「……」私は信城君様に黒い官服に銀の刺繍で大きな竜が縫われた官服が入った箱を信城君様に差し出し「お選びください、世孫の座に就き屈辱に耐えながらもこの国の為に生きますか?、それとも全てを投げ捨てて罪人の息子として自決しますか?、お好きな方をお選びください」




「……」信城君様は黙り混む「信城君様はこれはいい機会ではないでしょうか?」「いい機会とは何だ?」「貴方様が世孫の座に就きいつか歴史に名を残す立派な王になられたら信城君様は民達から認められます、そうなれば貴方様の母上は立派な息子を持った母として歴史に名を残すことができます、それを含めてご決断ください」







「私は外でお待ちしております答えが決まったら外に出てきてください、」私は外に待機する、そして二刻後信城君様黒い官服に身を包み颯爽もお姿をお見せになった
















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