第20話「王宮から出られない」

私はどれぐらい眠っていたのだろう目が覚めたら知らない部屋にいて「どこ?ここ、えっ何で私は泣いてるの?あっもしかして世弟様の夢を見たから?」私は涙を拭いて「幸せな夢だったな~取りあえず出ないと」私は官服に着替えて外に出ると「えっ」数え切れないぐらいの護衛武官がいた





「お目覚めになりましたか?」とチェ武官が私に聞く「はいあのここはどこですか?私は医務室にいたと思うのですが何故この建物にに運ばれたのですか?」「はいそれは世弟様のご命令だからです、お嬢様をこちらの建物に運ぶように命じられました」「ですが何故世弟様はそのようなことを?」






「世弟様はきっとお嬢様を守りたいのでしょうお嬢様が大逆罪人として捕まり極刑に処せられるかもしれないと知った時は世弟様はめったに慌てない世弟様が慌てておりましたから、様子であのような世弟様は初めて見ました」





「あの私はどれくらい眠っていましたか?」「十日間眠っていました」「そんなにですか?」〈どんだけあの夢から覚めたくなかったのだろう?〉と思っていた「王様、王様は今どちらにいらしゃいますか?」「王様なら今は便殿で朝の集会しておられる」





「!?世弟様」私は一礼する「クァン、体はもう平気なのか?」「はい大丈夫です、集会が始まってるなら行かなければ、世弟様私はこれで失礼致します」






私は世弟様に一礼して出口に向かおうとする世弟様に腕を捕まれて「!?世弟様?」「行くな」「はい?世弟様どうして私を引き止めるのですか?」「そなたこそどうしてそこまで官僚の仕事をしたいのだ?何故もっと自分を大事にしない?」「世弟様、お話なら後でお聞きします、今は王様の元に行かせてください」






「断る、絶対行かせない、」「世弟様、私なら大丈夫です、発作はいつものことですし命に関わることではないので大丈夫でございます」「そなたが良くても私が嫌なのだ!そなたが傷つくのも危険な目に遭うのも、持病で苦しむのも、嫌で嫌で仕方がない、」






「世弟様……申し訳ございません」「謝るなら私の言う通りにしろ、私の許可なくここの建物から出ることを固く禁じる、」「そこまで世弟様を苦しめていたとは誠に申し訳ございません、ですが私を王様の元に行かせてください」「クァン!」「お願いです!」






「悪いがその頼みはどうしても聞けない」「世弟様」「このまま官僚の仕事を続けていたらもしかしたらそなたは死んでしまうかもしれない、王様に仕えると言うなら尚更そなたは危険な目に遭うだろう、」







「ですが王様を今お一人にはできません、黒い月の組織はまだ全員捕らえておりません、どこにいるかも分からず、この王宮の誰が敵で誰が味方か分からない状態で王様をお一人にするのはあまりに危険です」「だからと言ってそなた一人で黒い月の組織を捕まえようとすれば間違えなく連中はそなたの命を狙う」







「はい十分理解しております、私はそれを理解し摘発する時は一人で行うのです、そうすれば少なくとも組織の連中は私を殺しに襲いかかり王様は命を狙われる可能性減り、安全が確保されるという訳でございます」






「!?世弟様?」世弟様は私を抱き抱えて部屋に連れていって寝室に行き私をベットに下ろすと「世弟様何をなさるのですか?」「それ以上は何も言うな、そなたが死ぬ?もしそんなことが起きるなら私もそなたの後を追って死のう」「!?なりませんそんなことをなされないでください」







「私に死んでほしくないならこの部屋でおとなしくしていろ」「……承知致しました、もう出してほしいとは申しませんですがお願いがございます」「何だ?」「今まで通り官僚の仕事、画師の仕事をさせてください」「いいだろう、必要な物があれば言え、全て私が用意する」







「あと文も送ってもいいでしょうか?」「誰にだ?」「王様、へ、家の私兵、使用人、司憲府の部下、上官にです、ここにずっといるとなると指示、ご報告ができないので仕事で必要な文を送りたいのです」「……好きにしろただし私がいいと言うまではこの建物から出るな」「はい……」世弟様は部屋を出ていく





私は用意された顔料と筆、掛け軸の紙を用意してもらい絵を描いたり、墨を使って王様、司憲府の部下と店を手伝ってくれてるジョンイに文を送ったりして過ごしたそして酉の刻の終刻(十九時)に私は弓場に行き弓を的に向けて弓を射る周りには沢山の護衛がいて








「皆さん警戒しすぎです、私は別に逃げたりなんてしません、こんな大勢で見張らなくても……」近くにいるチェ武官が「申し訳ございません、世弟様のご命令ですので」「命令なら仕方ないかもしれませんけどこんな多人数で私を見張らなくてもいいのでは?それに世弟様の護衛はよろしいのですか?」







「はい、私共の他にも護衛武官は大勢います、あのお嬢様、お聞きにならないのでございますか?」「聞くって何をですか?」「どうして閉じ込められてるのかとか」







私は矢を的に射抜きながら「まぁだいたいの予想はつきますから、世弟様は私が黒い月の組織これ以上追えば組織の連中に殺される確率か高くなります、故に私を心配して世弟様の特権である足立禁止令(ソクリツキンシレイ)を使い私をこの建物敷地内に閉じ込めた、だいたい理由はこんなところでしょうかね」私は微笑みまた射る







「あっ全て命中した」「お嬢様お伺いしてもよろしいですか?」「何ですか?」「武芸はいつから身に付けられたのですか?」「七歳の頃に刀術を私の凄腕の私の護衛に学びそれから全ての武芸を十二歳の時までに習得しました」「あの噂で聞いたのですが石を真二つに斬れるとは本当なのですか?」






「はい、本当にです、私の刀が真っ二つに斬れる理由は私の持つ刀が生きているからです」「生きているとは?」「私の契約してる刀は伝説の刀アンデルセン、の一つなんです」「アンデルセン?」「刀に宿る霊の一族の名です」






「その話聞いたことあります、五千年前にいた種族ですよね?ですがもう一つ種族がいてインゼルス、」「はい」私は弓を置いて私物の刀を手に取り大きな岩の転がして護衛武官の皆さんがいるところまで転がして前に立つと








「今から真っ二つに斬るので見ててください」「「はい」」その場にいる護衛武官全員が注目する中私は刀を構えて刀を振ってしばらく経ってから私より一回り大きい岩が真っ二つに斬れて「「!?」」「このように斬れるのです」「すごいです、思っていた以上に凄かったです」私は微笑んで





「ありがとうございます、でもどこで聞いたのですか?私が王宮で上王様、官僚達の前で岩を真っ二つにしたの十二歳の時だけです」「私もその時はまだ護衛武官ではありませんでした、ですが八年前も今も王宮ではお嬢様のことがいつも噂になっております」






「そう言われてみれば何かする度に噂になりますね、では私が世弟様から足立禁止令を使用してこの建物の敷地から出れないことは今頃王宮中では噂になっている頃でしょう」







「それは……はい、なっております、世弟様がお嬢様をこの居所にお連れする際何人かの官僚、女官達にそのお姿を見られてしまいました申し訳ございません」







「いえ私は平気です、私が心配してるのは、私がここにいるせいで世弟様の座が脅かされないか心配でなりません、もし私がここにいることを問題視して騒ぎ出す官僚がいたらここにいる私は世弟様をお守りできません、そうなった時に世弟様をお守りする策を考えておかないと」







周りにはいる護衛武官は全員私を見る「どうしました?、私何か変なこと言いました?」「「いえそのようなことは」」その場の全員が言う。「お嬢様、もう一つお聞きしてもよろしいですか?」「はい」「その刀はどこで売っておられるのですか?」「これは今の時代には売られていない珍しい刀です」「売られていないとはどうゆう意味でしょうか?」







「この刀は何百年前に作られた刀で私はこの刀を七歳の誕生日に王様から頂いた物でこの世にたった一つしかない貴重な刀なのです、」「すごい刀ですねですがどうやったら岩を斬れるようになるのですか?」







「分かりません、一年ほど毎日刀術の鍛練として岩を毎日斬っていたらいつの間にか斬れるようになっておりました」「その刀に名はあるのですか?」「はい、この刀は昔から呼ばれてる名は雷刀(キトウ)と言います」「雷刀ですか?」







「この刀には雷の力が宿っていると、いうことです」私は真っ二つに斬った石を指して「あの通り雷の力で大きな岩さえ簡単には斬ってしまうだですがただ刀をふれば良いってものではなくて私のように毎日刀をふらないとあのようには斬れません」




チェ武官は「やはりすごい刀ですね」「触ってみますか?」「えっよろしいのですか?」「はい」私が差し出すとハンカチで手を拭いたあと刀を受けとる「この世に一つしかないなら慎重に持たないとですね」「大丈夫です、雷刀は普通の刀よりも十倍は丈夫なのである程度の衝撃は耐えられます」






「満月ですね」「そうだチェ武官、満月に雷刀をかざして見てください」「はい?雷刀をですか?」「珍しいのが見れますよ」チェ武官は雷刀を満月にかざすと「!?すごい青く光だしました」






「そうなのです、それも雷刀と普通の刀の違いの一つ太陽の光を浴びればオレンジ色に光り月の光を浴びれば青く光る、面白い刀ですよね」「はいとても興味深いです」チェ武官が刀を満月に刀をかざして嬉しいそうに眺めてるのを横で見てて








私は満月を見て〈満月……そういえば火事で母上が亡くなった時も満月の夜だったなあの女人はやはり組織の長だったのかな?何故へ、家に来たんだろう?〉そんなことを考えているとまた激しい頭痛とめまいがして







「うっうっ」私はふらつきながら地面に座り込んで「「!?」」周りの武官が達は私の異変に気づいてざわつきし始める「お嬢様?大丈夫ですか?」私の刀を眺めていたチェ武官が心配そうに聞いてくるでも私には声も姿も前と同じように歪んでいてそして前に見た記憶の残像を見る出て来た映像は






〈ここは客室だ、周りには火が燃え移っていて火事が起きてる状態だ、近くにはシルと母上、それからあの女の人だ、あの女の人が母上と何か話していて刀を交えてる隙を見つけて私とシルをに逃がしました、そう、ここはヘ家の裏庭だ、母上は私の口の中に私が今飲んでいる発作が出たときに飲む玉薬を口の中に入れて私に飲ませて、私には書物と髪飾り巾着袋、一枚の紙を渡して私に何かをおしゃってから家の中に入って行く、〉







記憶の残像はそこで途絶えてしまい激しい頭痛とめまいが治まると「お嬢様!大丈夫でございますか?」「チェ武官……頼みがあります」「何でしょうか?」「私の護衛へ、ハソンを呼んでください」「それは世弟様の許可がないと何とも申し上げません」「世弟様にお頼みください」視界が真っ暗になり私はそのまま気を失う




気づいたら私は部屋にいて隣にはハソンがいた「!?ハソンごめんね気を失ってた」「いえそれよりクァン様はお体は平気なのですか?」「うん、平気」「そうですか私を呼び出したのはもしかして……」私は人差し指指を唇に当てると私は筆と紙を取り出して






ハソンに見せると〈ハソン、外には部屋の外には誰か護衛武官が立っているかもしれない私の記憶について話す時は会話は控えて文字でやり取りする〉ハソンは私の顔を見て頷いて「ごめんねハソン急に呼び出してへ、家の皆がどうなってるか気になって」




ハソンが文章を書いてる間私は不自然に思われないように自然に会話をする書き終わった文字を見ると〈もしかしてまた何か思い出したのですか?〉私はハソンの顔を見て頷き私が文字を書いてる間にハソンは







「いえ私達なら大丈夫心配要りません、ですがクァン様は大丈夫ですか?こんな建物に閉じ込められて窮屈ではありませんか?」私が書いた文字を見せると






〈ハソンに頼みがあるの、本邸の客間の建物の裏庭のどこかに私が八年前の火事の時に黒い月に関する書物、証拠を隠した可能性がある、誰にも気づかれないように探してほしいの、見つけたら誰にも気づかれないように私の部屋に置いてある書物に紛れ混ませて持って来て〉






ハソンは私の顔を見て頷くハソンが書いてる間「大丈夫だよ、この建物には弓場もあるし、ここの部屋で仕事をさせてもらえてるから、特に不便はない、私が頼んだ警備態勢はどうなった?」ハソンが書き終わった文字を見ると〈承知しました、内密に動き必ず書物を探し出します期限はいつまでですか?〉







私が書いてる間に「クァン様の指示通り、王様に所由五万人に徹夜で見張りをさせています」






〈期限は三十日間の間、このことは決して誰にも言っては駄目だよ特に世弟様には、世弟様が私が黒い月の組織を追ってると知ればきっと私を止めて私はもう二度とここから出られない、後緊急事態の時の為に合言葉を伝える「危」は探られてるで「隠」は見張られてる、「万」が慎重にだよ、忘れないで〉








ハソンは私の顔を見て頷くと書き始め「引き続きよろしくね王様に何かあったらすぐに私に報告して」〈承知致しました、三十日の間に誰にも気づかれないように探し出し、合言葉を忘れずに絶対世弟様は気づかれないようにここに持ってきます〉私はハソンの顔を見て頷き






「承知致しました、王様のことは私達にお任せください何かあればご報告致します」「うん頼んだよ」「あのクァン様、私がここにいられるのは二刻だけなのです」「えっそうなの?何時に来たの?」「戌の刻の正刻(二十時)でございます」








「今は何時なの?」「戌三つ(二十時三十分)でございます」「えっもう時間じゃん早く帰らないと」「はいもう帰ります、あのクァン様」「何?」「クァン様はまだ……」黙り混むハソン、外から戸を叩く音が聞こえてきて「お嬢様、チェ、ペクでございます、お時間でございます」「分かりました、すぐ帰します」






私はハソンを見て「ごめんねハソンその話はまた今度会った時に聞く」「……はい」「そうだジン、エン、へ、家の皆には私は大丈夫だから心配しないでと伝えて」「はい失礼します」私はハソンが出た後やり取りした紙を蝋燭(ソウソク)の火で全て燃やした「ハソンは一体何が言いたかったのだろう?」




〈また辞職してほしいとでも私に伝えるつもりだったのかな?でも何で世弟様からもらった桜の指輪を見てたんだろう?〉私は疑問に思いながらもその日は眠りについた
















































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