第19話「人の想いが奇跡を起こす」

私は拝礼をしたあと涙を流す王様を見て「王様……」「義禁府はいるか」「「はい」」義禁府武官が五十人ほど入って来て「罪人へ、クァンを王宮地下にある牢に入れよ」「「はい」」私は微笑み王様に頷く「お待ちください王様!」エンの声がしてきてエンは私を守るように立つと








「まさか誠にクァンを罪人として極刑に処すのですか?、クァンは王様をお守りする為に王命に背いたのです、それにクァンはこの国を守る為に誰よりも力を尽くしてきました、そんなクァンにこのような仕打ちをなさるなんてあんまりでございます、王様!」私はエンに









「やめてエン、私が死ぬのは王様のせいではない、王様を責めないで私が自ら死を望んだの、仮に私の罪が不問になったとしても私は自決してでも王様をお守りする」「クァン!」「ごめんねエン、私はエンの姉としてしてることは最低だと思うけど私はエンの姉の前に私はこの国の官僚だから」







エンは涙を流しながら「私はクァンと違ってこの国の問題とか政事とかどうでもいいし官職になんて興味はない、官職に就いたも国の臣下として仕事をしてるのも全てクァンの為!」「エン……」「クァンと少しでも一緒にいたくてクァンに無茶させたくなくて私は興味のない官職に就いたの」








私はエンを抱き締める「エン、ごめんね沢山辛い思いさせていつも心配ばかりかけて、エンには沢山の知識がある人の命を救える医者としての技術をもってる、だからその知識と技術を貧しい民達を救ってあげて、私は先にあの世に行って待ってる、エンはもう少し後に来て」







エンは私を強く抱き締めて「駄目、駄目絶対行かせない!クァンを一人であの世になんて、クァンがその道を選ぶなら私も一緒に行く」「駄目だよエン、エンまでこの世から去ったらシルが可哀想でしょ?」






「クァン、自分が何言ってるか分かってる?」「分かってるよ」「なら何でそんな無謀な真似をするの?、クァンが罪人として極刑に処されたらへ、家の皆も無事では住まない、命を落とすかもしれないそれでもまだ死ぬと言うの?」






「それなら問題ない、私はもうへ、家の人間ではない」「「!?」」「クァンまさか……離縁したの?役所に離縁届けを出したの?」「うん二日前に、だから皆が私のせいでへ家の皆が危険な目に遭うことはない」私が言うとエンは






「どこまで自分勝手なの?、どうしていつも無茶ばかりするの?クァンが死んだら私は、へ、家の皆はクァンを失った悲しみに耐えながら一生涯苦しみながら生きていく、その気持ちは味わったことがあるクァンになら分かるはずでしょ?」





「ごめんねエン……愛してる、愛してるよ、私の自慢の妹、シルをへ、家皆をお願いね」私はエンから離れる「嫌だ!クァン行かないで、クァン!」王様が「……早く罪人を連れていけ」「「はい」」私とエンは義禁府によって引き離される





「クァン!クァン!王様お願いです姉をお助けください、罰なら私が代わりに受けます、死ねとおしゃるなら今すぐにこの場で死にます!、だからどうかお願いです!」私は「王様、その願いを聞く必要はございません、これは私の罪です死ぬのは私一人で十分でございます」「クァン!」






私は、義禁府イ、タン判事を見て「イ、判事殿貴方が私に縄をかけてください、どうせ捕らえられるなら貴方の手が良いのです」イ判事殿は「……はい掌令殿」泣きそうな顔でイ判事殿は返事をする、私は微笑んでイ、判事殿に背を向けて両手を後ろに回す








部下から縄を受け取ったイ判事殿は私に縄をかける「やめて!クァンは罪人なんかじゃない!」私に必死に手を伸ばすが義禁府の武官が阻む私を縛り上げられると私は首陽大君様に「残念でしたね貴方様の望みが叶う可能性はなくなってしまいましたね」私は微笑む「何の話だ?」首陽大君様が私に聞くと







「私が死ぬので世弟様を脅し譲位してもらうのは難しいそうですね、王様も世弟様も貴方様のことを警戒してるご様子みたいですし、いざとなれば必死に民達を守りにかかるでしょう、ですから貴方様が王座に就ける可能性はなくなったと申し上げたのです」






「おい、首陽大君様に何て無礼な」「そなたは罪人の身であろう」二人の王子が首陽君を庇う首陽大君は二人に片手をかざし止める「好きに言わせておけ、どうせこの者は死ぬのだから」私は微笑み






「そうですね、私はもうじき死にます、どうせ死ぬなら黒い月と貴方様の罪を摘発してから死にたかったのですがそれは無理そうですね」「誠に王様と世弟様の為に死ぬ気か?」「はい、以前にも申しあげたはずです、私は王様と世弟様をお守り出来るなら喜んでこの命を差し出します」







「愚かだな、救いようがない者だ、自ら死を選ぶとは、しかも赤の他人の為に」首陽大君の言葉に「愚かだな、救いようのないって言葉は私にとっては誉め言葉です、私はこの生き方かなり好きなので自分の大切なものを、守る為に命を差し出しますが貴方様には一生そのようなことはできないでしょう、」






「そうだな私はそなたのような生き方などしたくないな」「それでも貴方様もいずれは死を迎えます、貴方様がどんな最後を迎えるのか、私は先にあの世に行ってあの世から見届けることと致しましょう」私は微笑み歩き始める






歩く最中後ろから「クァン!」「「掌令様!!」」「「クァン様!!」」エン、ジン、ハソン、司憲府の所由達、監察達、そして私の味方をしてくれていた他の部署官僚武官達が声を聞きながら私は便殿出た王宮の牢に向かう








途中世弟様、王妃様、世弟貧様、密豊君様、女官達に会って名、官職の名を呼ばれたそして私は独房の前に来て中を見ると「えっ何で布団が独房の中にあるのですか?」「王命で布団を準備するよう仰せ使いました」と言う





「本来なら罪人身でこんないい環境の独房には入ってはいけないのですが王命なら仕方ありません」官服を脱いで牢に入ったそれから二刻が過ぎた頃目の前に都承旨様が現れる「都承旨様、罪人の私に何の用でしょうか?」「そなたも強情だな、母親によく似てる」






「それは離縁はしましたが私はへ、アロの娘ですから」「そなたは誠にこれでよいのか?」「はい、私はこの選択が私の大切な人を守れる最善の選択だと思っております」「それは違う」「違うとは一体どうゆう意味でしょうか?」






「そなたが死ねばそなたの妹、へ、家に使用、私兵、司憲府の官僚、軍事、世弟様、密豊君様が命を落とす」「!?それは一体どうゆう意味でしょうか?、エン、世弟様、密豊君様他の皆が命を落とすとは?」「信じられないかもしれないが今は世弟様達は己の命懸けてそなたを救おうとしてる首に刀を当てて」







「!?そんな何故エン、世弟様、密豊君様、皆がそんなことを……お願いです、止めてください、死ぬのは私一人で十分ではありませんか、これ以上犠牲者を増やして一体何の意味があるのですか?」







「それは出来ない、王様が何もするなと王命を出されたそなたを罰しない限り誰も死ぬことはないと判断なされたのだろう」「都承旨様」「王様はまだ諦めていないどんな手を使ってでもそなたを救うそうおしゃっていた、だから「何があったも自決をするな」ともおしゃっていた」








「……」私は牢の外を見ると牢の前に十人の見張りと五人の医官、五人の女医がいる意味をようやく理解した「この兵は私が自決をしないように見張り女医と医官は私に何かあった時の為の備えですか?」「そうだ、だから死ぬことは諦めろ」「そうですか」





私は置いてあった布団の中に入りるその姿を見てざわめく兵達が私は上半身を起こし「そんな警戒しないでください、寝るだけですから昨日は画師の仕事を夜遅くまでやっていて寝不足なのです」私は眠りにつく、かなり疲れていたようで気づいたら朝になっていた「ん~今何刻だろう?」






呟くと牢の外から「辰の刻正刻(八時)でございます」「!?」牢の外には昨日とは別の兵十人と、女医、医官が五人ずついて「なんか別の人に代わってるし、えっまさかずっとそこにいたんですか?」「はい」時刻を教えてくれた女医が答える







それから二刻後牢屋の鍵が開けられて「何ですか?」「出てください、掌令様の罪は不問になりました」「そんな、そんなことをしたら両班達が」「何をしている早く出ろ」「!?王様」私含む周りの者が一礼する「早く出ろ」






「ですが……私が不問になれば王様は……」「案ずるな余は王座を退いたりなんかしない」「王様それはつまり戦うってことですか?私を許し不問などしたら、都に住む半分の両班達を敵に回すことになりますそれでもよいとおしゃるのですか?」






「余には誰よりも頼れるそなたがついてる、そなたはこの国の民達と余と世弟を命を懸けて守ろうとしてくれたそなたの為に最後までこの国王として戦うつもりだ、またそなたを危険な目に遭わせてしまうかもしれないが共に戦ってくれるか?」私は片方の膝を地面につき座り






「はい、もちろんでございます、最後までお供致します、そして必ずお守り致します王様」王様は微笑み「では早く出ろ、風呂と食事を準備をした」私は立ち上がり「はい王様」私は王宮にある風呂に入り家から持ってきた官服を着て王様と共に食事をしたあと、エン達の元に行き「クァン!」エンが







「エン!世弟様!、密豊君様!大変、首から血が出てる早く……!?」周りを見たら他にも尚官、女官、内官、護衛武官など数え切れない人数の人が首に刀を当てていた「えっどうゆう状況?何で女官、内官まで首に刀を当てるの?いやいや、疑問に思ってる場合ない、皆刀下ろして、世弟様、密豊君様も早く下ろしてください」






私が声をかけると次々と刀を下ろしていく周りにいる兵に「すいません、医官を呼んでください、あと出血を押さえる布も用意してください」「はい」「それならもう準備出来ている」左議政であるパク、カン様が多くの真っ白な布を持った医官、女医を達を連れて現れた






私は「左議政様、ご協力感謝致します」「礼は要らない怪我人の手当てが先だ」「はい」私が返事をすると「掌令様!」「チョン尚官どうしたのですか?」「大変でございます、都中の民達が首に刀を当てていて掌令様の無事を確認できるまでは刀を下ろさないって言っていて」






「!?何故都民達までが首に刀を当てるなんて一体どうなってるの?」左議政様は「ここは私に任せて早く行け、民達が死んでもよいのか?」「いえ駄目です、行ってきます」私は走って行く。私が王宮を出ると王宮の門の前には刀を首に当てたへ家の人間以外の民達が十万にほどいて






「大変、早く手当てしないと、すいません医者の方はいませんか?」私が声をかけると百人ぐらいの医者が集まって来て「治療費は全て私が払います、なのでここにいる民を治療してください」「「はい」」そして民達を治療していく医者達、エレンも来てエンの弟子達も民達の治療に協力してくれた






午の刻下刻(十三時)集会が行われ臣下は全員便殿に集まった私は王様に「王様、怪我をした民についてご報告致します」「申してみろ」「町医者に百人に怪我をした十万にの民を治療してもらい怪我はそれほど深くなく十日ほどで傷口は塞がれるそうです」




「そうか、義禁府の兵から聞いたがクァンが民達の治療費を全額払ったそうだな」官僚達はざわつく「はい、左様でございます、民達が自分の命を懸けて私を助けようとしてくれたのです、ですから民達に申し訳なくて民達に守られるとは私は官僚失格ですね」王様は






「クァン、そんなことはない、そなたは誰よりもその資格がある、すまない、クァン」「はい?何故王様が私に謝るのですか?」「そなたを必ず守ると言ったのに私はそなたを守れなかった、守るどころか罪人として牢に入れてしまった誠ににすまないクァン」






私は微笑み「王様、私なら大丈夫です、それに申し上げたはずです、必ずお守り致しますと」「それでもすまない、そなたを守ったのは余ではなかった何としてでも守りたかったはずなのに余はそなたを守れなかった」




私は微笑んで「王様、やはり私は王様にお仕えでき誠に幸せでございます、」王様は少し驚いたお顔をされたあと微笑んで「クァン、今日はそなたに王命を下す」「はい何でございましょう?王様」「都承旨、王命書を読み上げよ」「はい王様」王命書を手に取り私の前にはいらしゃると





「任命書へ、クァン、王命により本日付によってへ、クァンを従三品執義(チべ)に任命する」「「!?」」周りの官僚達はざわめき出す「あの王様、私が執義になったら今執義であられるワン、ファイ殿はどうなるのですか?」「あぁワン、ファイは大司憲に任命する」「私がですか?」






私が任命書を受け取った後ワン、ファイ様にも任命書が渡されて集会は終わった私はいつも通り仕事をして退庁の時間になり帰ろうとしたらホン内官が来て「ホン内官、どうしてこちらに?」「王命ですぐ来るようにと王様がおしゃっております」







「分かりました、」私はホン内官と一緒に大殿に行く「失礼致します」「クァン、よく来たな座れ」私は座ると「王様、私を呼び出すとは何かあったのですか?」「そうではない、ただそなたの顔が見たくなって、もしや迷惑だったか?」





「いえそんなことはありません、ですが王様、少しお顔が優れません、もしかし昨晩は一睡もされていないのですか?」王様は微笑み「そなたは何でもお見通しだな」「何かご不安なことでもあるのですか?」





「そなたが牢にいる間余はずっと不安だったそなたが余の前からいなくなってしまうかもしれないと」「……大丈夫でございます王様、何もご心配要りません私は居なくなったり致しません」「あぁクァン、王命だ」「はい何でございましょう」






「今晩は余の側にいてくれ、余が眠るまででいいそなたがいてくれれば余は安心して眠れる」「はい、王様」私はジンに使いを頼み、エンに今晩帰りが遅くなると伝えるように指示を出した、子の刻の正刻(0時)に私は大殿を出た「クァン様、」ジンとハソンが立っていて「二人共にごめんね付き合わせて」






「私達なら大丈夫です」「気にしないでください」「ありがとう、帰って寝よう」「「はい」」私は歩き出すと「!?」突然激しいめまいと吐き気が襲う「クァン様どうなさいましたか?」ジンが突然止まる私に聞く私は血を吐く「ブッ」






「「!?」」「「!?クァン様!!」」二人が私を呼んだあと私は倒れる「クァン様!」「大丈夫でございますか?」二人が私に駆けつけ声をかける「騒がないで二人とも王様がおやすみの最中だから」「お嬢様!大丈夫でございますか?」「キム武官……」








キム武官は私に「私は医者ですお嬢様は私が診察します」「ですが……」「私も医者をやって長いのです、かなりお辛そうですしエンお嬢様を待ってるよりかはよいかと」







「……お願いします」私は頼むべきではないと思ったのだがこれ以上この場で血を吐くのもどうかと思い治療を頼むことにしたジンに抱きかかえられて医務室に運ばれ治療を受けて目が覚めたら「お嬢様ご気分はどうですか?」キム武官が私に聞く。「症状がなくなりさっきより楽です」





「それはよかったです」「あの……キム武官一つ聞いてもよいですか?」「はい何でございましょう?」「私の体はあとどれぐらい持ちますか?」「……正直に申します肺の穴は以前より少しずつ大きくなりはじめておりますこのままいけばお嬢様の余命は後七年半ほどでしょう」







「やはりそうですか?、実は気づいていました、以前より体がだるく感じたり、症状が強く出たりしていたので、肺の穴も少しずつ大きくなっていって、きっと官僚という仕事がこの体には合わないのでしょう」「お嬢様、今なら間に合います、辞職された方がよろしいかと」「あの一つお願いがあります」







「何でしょうか?」「私の持病が悪化してることはエン以外の人には決して言わないでください」「……はい」「それから辞職の件ですがご心配なく黒い月を撲滅させたら辞職します」「そうですか……ですがご無理なさらないでください」「大丈夫です」「夜も更けましたもうおやすみになられた方がよろしいかと」





「はいおやすみなさい」「おやすみなさいませ」私は眠りにつく
















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