第17話「本当に伝えたかったこと」

流刑地に来て半年が経った頃毎日のように王様と世弟様から文が届きその返事を返しながら仕事もして自分が思っていた以上に大変だったと思う日々が続くが何とかやっている深夜私は護衛をしてる人達に「お疲れ様、罪人はもう寝た?」








「はい明かりが消えたので」護衛をしていた一人が答える「交代時間だから今までやっていた人はもう寝て」私はジンとハソンと一緒に深夜組と護衛する「クァン様お体は大丈夫ですか?」






「うん、平気何故だかよく分からないけどエンの弟子の医者の子が三人付いてきてよく三人に診察してもらってる今もその弟子の医者の子の一人が私についてきてるし」私はその子を見ると「師匠は本当はクァン様と前のような関係に戻りたいのだと思います」






女人の弟子が私に言う「えっ?師匠ってエンのこと?」「はい、師匠はずっとクァン様のことを考えております、患者様の前では失敗しない師匠がクァン様のことがあってからほぼ毎日失敗するようになって」「えっ患者さんは大丈夫なの?」「はい、患者様の命に関わるミスは師匠は致しません」







「そう、ならいいけどエレン」「はい何でしょうか?」「エンとはちゃんと仲直りしたいと思ってるよ、けど今じゃない今は黒い月の一員を一人でも多く捕らえることが私に今できること、したいだけでエンをどうでもいいとか思ってないから」「それは十分理解しております」







「理解してるって何が?」「クァン様は身分立場よりも情を大切にして困ってる人や苦しんでる人に何のためらいもなく手を差しのべるそんな心優しい方でございます」「私を誉めても何も出ないよ」







「私は事実を申したまででございます、クァン様があの時私をお救い下されなければ私は知らない国に売り飛ばされていたでしょう」「エレン、私はそんな立派な人間じゃないよ、私は自分の信念に従っただけ、私に感謝してるなら医者として貧しい民達を救う立派な医者になって」








「はいクァン様」「もう夜は更けたエレン、そなたは部屋に戻り休んで」「ですが……」「私なら大丈夫だ何かあったらすぐ呼ぶだからゆっくり休んで」「……はいクァン様」「ジン」「はい、クァン様」「エレンを別荘まで送って」「はいクァン様」エレンを見て「行きましょう」といい別荘に向けて歩いていく






二人の姿が見えなくなったところで「クァン様」「どうしたの?ハソン」「一つ伺ってもよろしいでしょうか?」「いいよ」「あの女医以外で他に買い取った女医はいらしゃいますか?」「いるよ女医以外にも私の私兵、私の使用人として働いてる者はほとんど私が買い取った者達」「ほとんど買い取ったのですか?」






「うん、売りに出されてる所に行ってその場にいる者を全員買い取る」「あのそれって今まで何人ほど買い取られたのですか?」「えっと私兵が百万人で、使用人が五十万人で医者が二十万人ぐらい」「クァン様買い取られた者全て人数覚えていらっしゃるのですか?」








「もちろんへ、家の家族として迎えるんだから覚えるに決まってるよでも何でそんなことを突然言い出すの?」「申し訳ございません少し聞いてみたくなったてしまい……」私は微笑み「ハソン……!?」








家の前に置いてある火を見ていると頭の中に記憶の残像が浮かび上がり私は激しい頭痛とめまいに襲われる、そして顔を歪ませ座り込んだ「「!?」」「クァン様!」ハソン私を呼ぶがめまいのせいで声も姿も歪んでいた、めまいが収まって視界の歪みがなくなって私は心配そうに見つめるハソンと私兵の皆をを見る






「クァン様大丈夫でございますか?、ご気分が優れないのでございますか?」ハソンの声に歪みがなくなったことを確認して「ハソン」「はいクァン様」「立つから手を貸して」「はいクァン様」私はハソンの借りて立ち上がると私兵の皆を見渡し







「皆、よく聞いて」「「何でございましょうか?クァン様」」「私は今から一刻ほどこの場所を離れるだから皆は皆の仕事をして」「「はい承知致しましたクァン様」」私が歩き出すとハソン「クァン様!どちらへ行かれるのですか?」「心配なら一緒に来る?」「はいお共致します」






私は森の中に入って行く「お待ちくださいクァン様、こちらは別荘の道ではございません」「……」「それに先ほど様子はおかしかったです、明らかに体調が優れない様子でございましたしやはり女医達を呼んで診てもらった方が……」「ハソン」「はい、クァン様」「私が今から話すことを誰にも言わないと約束できる?」








「それはエン様にもですか?」「そう、エンにも決して言ってはいけない」「はい、承知致しました何があっても口外いたしませんのでご安心してお話ください」「私ね、どうやら記憶を喪ってるらしい」「記憶を?いつからですか?」







「恐らく十年前のあの火事の時にさっき罪人が住んでる家の前に置いてある火を見たら突然頭の中に幼い頃の私とまだ五歳のシル、地面に倒れる母上姿が見えた」「!?奥様見えたのですか?他に見てたものはございますか?」







「もう一人いた、布が付いてる笠を被ってて顔はよく見えなかったんだけどあの身なりからして女の人だったと思う、記憶の中ではシルに襲いかかろうとする女人を引き止める為に私が左足ふくらぎを掴みかかったとき黒い月のマークの入れ墨があった」







「!?クァン様つまりその女人は黒い月一員ってことですか?」「うん、それに間違えはないと思うだけどあの女人他の一員とは少し違う感じがした」「違う感じとは何ですか?」







「上手く言えないんだけど、他の一員より身なりが豪華だった気がする」「ではもしかしてその者が黒い月の組織をまとめる長であるか可能性があると言うことですか?」「うんその可能は十分にある」








「ではが黒い月が人間がクァン様を見張ったりお命を狙ったらりするのは黒い月の組織を束ねる長に会ってるからってことですか?」「恐らくそうだろうね、黒い月の組織を撲滅しようとしてるだけでこんなに命を狙われるなんておかしいでしょ」「クァン様、思ったこと申し上げてもよろしいでしょうか?」







「いいよ」「はやり危険過ぎます、直ちに職を辞して都から離れた方がよろしいかと」「ハソン、ごめんねそれだけは出来ない」「クァン様」







「ごめんね心配かけて、私のことを気にかけてくれてありがとうハソンこれは私の問題なの、今私が逃げたら黒い月の組織を恐れる民はどうなる?これ以上黒い月の組織の好きにさせていたらこの国は一体どうなるって言うの?」「クァン様……ですがこのままではクァン様は……」








「大丈夫だよハソン、私のことなら心配はいらない」私は微笑むいつもなら微笑み返してくれるのにハソンはとても不安そうな顔をしていて「私は不安でたまりません、このままクァン様の身に何が起きるかもしれないと」「……心配しすぎだよ私はそう簡単には死なない」「私はクァン様が辞職し都を離れない限り安心できません」






「……そろそろ一刻だ戻らないと」私は来た道を引き返し歩き始める次の瞬間「!?えっハソン?」私の首辺りにハソンの両腕が回される「ハソン?どうしたの?急に」







「……何故、いつも危険な道に進まれるのですか?私の気持ちも一切考えず私がどんな想いで過ごしてるかも知らずに」「ハソン、一体何の真似?ハソンには私の護衛だけどこうゆうことをするなら話は別だよ」「!?」私がそう言うとハソンは正気を取り戻したかのように私から離れ




跪き「ご無礼をお許しくださいクァン様、お詫びして許して頂けることではございませんが一度だけお許しください、もう二度とこのような真似は致しません」「ちゃんと反省してるならいいよ、今回は許すだけど次やったら私の護衛をやめてもらい、へ家本邸から追い出す」











「はい、肝に命じます」ハソンは言うと「早く立って任務に戻るよ」「はい」ハソンは立ち上がり一緒に戻ったそして護衛終了の時刻になり私は深夜組と別荘に戻り自分の部屋に行き風呂に入って寝たそして午の正刻に起きてそこからご飯を食べて少し刀術の腕を磨いてサ、サヨンから情報をもらい黒い月を追った。




黒い月の一員を二十万人捕らえて王宮に伝書鳩を飛ばして知らせて義禁府が来て引き渡した夜になった頃罪人の警備をする為に仕事に流刑地の町に買った別荘に戻る部屋に行くとエンがいて「!?エン?ここで何してるの?」







「決まってるじゃん、クァンを待っていたの」「何で私を?」「クァンと話がしたくて」「悪いけどこれから罪人の護衛をしないといけない、あと百八十日後で私は都に戻る、話があるなら帰ったあとでも問題ないでしょ?私今から入浴から、夜も遅いしもう帰りなよ」







私は入浴する為に私はエンの横を通りすぎると腕を捕まれて「!?何?また文句言いたいの?」「もしかして怒ってる?私がクァンにもう関わらないって言ったから」「私は怒ってないよ、怒ってるのは私じゃなくてエンの方じゃない?私を散々無視して、いいの?私ともう関わりたくないんでしょ?」






「取りあえず座って私の話を聞いて」私はエンに席に座らされる、エンも座ると私の目を見て言う、






「私、本当はずっとクァンに謝りたかったのあんな酷いことクァンに言ってでもなんて言って謝ればいいのか分からなくて、どうやって謝ろうとずっと悩んでて気づいたら無意識に避けててそっから更に気まずくなって、ごめん酷い言葉を言って避けて本当にごめん」






「エン、謝らないでよ、さっきも言ったけど私は怒ってないよ、それに私もずっとエンに謝りたかった、でもなんて謝ったらいいか分からなくて私もエンを避けてた、ごめんねエンはずっと私を心配してくれてたのに」「クァン謝んないでよ、お互い様でしょ?」エンが言うと






「私達やっぱり姉妹だね、考えてることが似てる、それに私正直に言う内心嬉しかったんだよね、エンがあんなに私のこと心配して私のことでは焦っててるの見て」「何よそれ、」エンは私の肩を優しくパンチする「エン、私の為にありがとう、でも密豊君様には謝罪して」







「もうしたよ今日ここに前に」「密豊君様は何て言ってた?」「確かね「そなたのクァンを心配する気持ちも私を許せない気持ちも理解できる、私は気にしてない」とか言ってた、それ言われて私も本当に驚いた、クァンの言うとおり本当は優しい人かもね密豊君様」





「そうだよ、密豊君様は民思いの優しい王子様だよ」「ハイハイ分かった、けど私は密豊臣様がクァンにしたこと許してないからね」「なんでよ」「だってクァンの命を狙ったんだもん許せる訳ないよ」「まだ言うの?、もう謝罪したならいいでしょ?」



「謝ると許すは別、私はあの方を警戒し続けるこれからもずっと」「どんだけ私のことが好きなの」「うるさい」エンは私の首に腕を回して抱きつく「エン痛いよ、もしかして照れてる?少し頬が赤いよ」「照れてないしクァンのくせに私をからかうなんて」「そんなの言ったらエンの方が私をからかってるじゃん」





「うるさい」私とエンは仲直りして前のような関係に戻った、エンは私の部屋で寝た朝になって警備から戻って来ると「おかえりクァン」「ただいまエン」「クァンのこの布団ふわふわで寝心地が良かった」「それは良かったよ、それね普通布団より高くて五十両はしたな」「確かにこの寝心地だったらそれぐらいの値段しても問題ない」「もう一つあるからそれはあげるよ」







「本当に?」「うん」「うんほしい!」大喜びするエンを見て私は笑いながら「アハハ、どんだけ気に入ったの?」「だってこれすごいいいもん、」「分かった、プニが置場所を知ってるからプニに聞いて」エンに伝えるとお風呂にお風呂に入ってエンを見送ってから寝る







ついに都に帰る日がやって来た私はサ、サヨンに呼ばれて会いに行った「何の用?」「今日だっけ帰るの」「そうだ、やっとそなたののお守りから解放されるから嬉しくて」「そなた、そんなに私が嫌いか?」「逆に聞くがそなたのような罪人をどうやって好きになるのだ?それにそなたも私を嫌っているであろう?」「 確かにな私はそなたが気に入らない」





「お互い様だもう二度と会うことはないじゃあなサ、サヨン」「あぁじゃあなへ、クァン、せいぜい死にいように頑張れ」「余計なお世話だ」私は部屋を出て十万の私兵と百人の使用人を連れて帰った。官服に着替えて王宮に向かうと王様、王妃様、世弟様が出迎えてくださった





私はお三方の前に行き拝礼をした後微笑み「王様、私へ、クァン王命に従い王様から賜った任務を無事終わらせ帰って来ました」王様は「クァン、よく頑張ってくれたなそなたのお陰で多くの組織の一員を捕らえることがができた」






「王様のお役に立てているのなら安堵致しました、ですがまだ撲滅とは申し上げれないほど多くの黒い月の組織の一員が残っております」世弟様は「気にするなクァン、まだ一年しか経っていない」王妃様が「そうよクァン、そなたはこの国の為に今頑張ってくれているそれがとても素晴らしいことよ」






「王妃様、世弟様、王様、虚悦至極に存じます」お三方は微笑ん笑む王様は「クァン、そなたに一ヶ月の休暇を与える、一年間休まず仕事を頑張ったからな今日は帰ってゆっくり休めこれは王命だ」「王様、恐れながら申し上げてもよろしいでしょうか?」







「何だ?、」「王様、一ヶ月の休暇を取るようにと王様が王命をお出しになるなら私はその王命に従います、休暇に入る前に片付けて起きたい問題がございます」「問題?黒い月に関することか?」「はい」「なら仕方ない、明日から休暇を取れ」「はい王様」











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る