第15話「民の為の取引」

宴が無事終わった後、残りの仕事をして帰ろうとしていたら護衛の人が呼びに来て世弟様に呼ばれて東宮殿行った。「失礼致します、世弟様お呼びでしょうか?」






「クァン、来てくれたのだな、あとまだ礼を言ってなかったありがとう、私の為に酒、料理まで用意してくれて全て私好みの物だったさすがクァンだな」「いえ私から世弟様へのささやかなお祝いの品でございます、それからこちらもご用い致しました」






私は風呂敷を取り出して差し出す「これは何だ?」「私が世弟様の為に作った衣でございます」「開けてもいいか?」「はい」風呂敷を開くと私が百八日前に手作りした赤色と青色の衣が出てくる。「これクァンの手作りか?」「はい粗末なものでございますが心を込めてお作りしました」







「粗末ななんてとんでもない、一生大切にする」嬉しそうに微笑む、世弟様を見て私も嬉しくなる「クァン、そなたは今日私にとって特別な日だと言ってくれたな?」「はい」「だったら今は私の願いを聞いてくれないか?」「願いとは何でございますか?」







私が聞くと衣を置いて「私の側に来い」「世弟様?」「命令だ早く来い」「はい……」戸惑いながらも私は世弟様の近くに行くと膝の上に座らせられる「!?世弟様?」「動くなこれは世弟としての命令だ」「……」私の頭を撫でて「いい子だ」そして私に前していたように口づけをする「!?」






私は抵抗しなきゃと思いながらも受け入れていまいされるがままだったしばらくして離れて「思ったよりおとなしいだなもっと抵抗するかと思っていた、クァン頬が少し赤いぞもしかして感じてるのか?」「!?お戯れはおやめください」私は降りようとすると私を抱き締める力が少し強くなり






「今私から離れることは許さない私はまだ満足していない」「!?世弟様もうお許しください」「駄目だ」「!?」世弟様はさっきよりも激しい口づけをする私はいけないと思いながらもっとしてほしいそう思っていたそして二刻が経って離れると世弟様は満足そうな顔をしていて「満足したから仕上げといこうか」









「!?仕上げ?」今度は私の右手首に口づけをして「!?ひっ!世弟様?」数秒して離れると「これでよしと」手首に赤い丸みたいなものができで「何をなさるのですか?」私が聞くと「クァンが愛おしい過ぎるのが悪いのだ」「そんなことおしゃられましても……」






「またそんな顔して私を誘ってるのか?」「違います、そんなのではございません」世弟様は私を抱き締めて「クァン愛してる」「世弟様私……!?」〈私も世弟様を愛しております、いけないそんなこと言っては、貴方様の幸せを壊した私にはそんな資格はない〉私はいいかけた言葉を飲み込んで「ん?どうした、クァン?」







「世弟様、私はもう帰りませんとへ、家の使用人達が心配します」「もうそんな時刻か?」「はい帰って画師としての仕事をしませんと」「最近、また絵が売れてきてるな」「はいお客様が増えるということはよいことです」「私もまた買いに行く」「はいお待ちしております」






私は東宮殿を出て馬車に乗って帰るそして馬車乗ってる最中に世弟様からもらった指輪を出して左薬指にはめる「昔から変わりませんね世弟様、必死に私が諦めようとしてるのに誠にずるいお方です」私は声を 出さないように涙を流したそして次の日







テ、ヨルとテセニョンさんが流刑地に旅立つ時刻になり朝早くに義禁府に来た「ヨル、セニョンさん」「「掌令様」」二人は私を呼びに二人共驚いた顔で私を見る「どうしてこちらに?」「最後に別れを言いに来た」「わざわざ来てくださったのですか?」





ヨルが涙を流しながら私に聞く「また泣いてるの?」私は少し笑いながら言う「ヨル、そなたに伝えたいことがあって来た」「何でございましょう?」






「私はもうそなたのような力なき身分の低い者が強欲な権力者の犠牲にならなくて済むそんな世の中を必ずつくるだから遠くから私のこれからすることを見守っていてほしい」ヨルは更に涙を流して






「もちろんです、掌令様、私は信じております掌令様がきっとそんな世の中を作ってくださると」「うん、何年かかるか分からないけどね、ヨル、もう会えないけど体に気をつけてセニョンさんと元気でね」「はい、あの一つお願いしてもよろしいですか?」






「何?」「最後に抱き締めてもらってもいいですか?」私は微笑み「いいよ」そしてヨルを抱き締めるヨルは「掌令様、罪人である私に優しい気遣い感謝します」「うん、元気でねヨル」離れ私達は微笑み合い私はヨルの頭を優しく撫でてセニョンさんが「私もよろしいですか?」





「はい」私はセニョンさんと抱き合って「娘の命を助けてくださり感謝致します、このご恩は生涯忘れません」「セニョンさん無事に助けられて良かったですどうかお元気で」「はい」離れて二人は私に拝礼をしたあと、流刑地に旅立った




王宮に行くといつもより王宮が騒がしかった。「何か騒がしいけどなんかあったの?」私はジンとハソンに聞くジンが「私達も詳しい事情は分かりませんが由所のサ、イルナムの地位を剥奪し家族共々奴婢にせよと儒学者達ががそう王様に訴えております」





「罪のない者達を奴婢にせよと王様に進言してるの?あり得ない、民を守るべき臣下が民に罰を与えようとし、国を守る臣下が同じく国を守る臣下を罪人扱いするとはどんだけ恥を知らない人達なのだろう?」





「クァン様、どうなさいますか?」「私共にご指示をください」ジンとハソンが私に言う「ハソン、」「はいクァン様」「イルナムは今どこに居る?」「すでに登頂しており司憲府におります」「ならすぐにイルナムの所に行ってイルナムを守って、他の任務に入ってない監察と所由にイルナムを何があっても守るように伝えて」







「はいクァン様」ハソンは司憲府に向かう。「ジンは私と一緒に来て」「はいクァン様」私はジンを連れて大殿に向かう。大殿の前には一万の臣下達がいた王様は大殿に続く階段の上に困ったお顔して立たれておられた。「王様」私が呼ぶと臣下の一人が「王様、どうか歴史通り罪人の家族を裁いてください」







「「どうか歴史通り罪人の家族を裁いてください」」「罪人の家族を裁いて王室の威厳をお守りください」「「王室の威厳をお守りください」」私は歩きながら「全く信じられませんね王様にお仕えする臣下達が王様を困らせ、罪のない臣下とその家族を罪人扱いするとは」「「!?」」私は階段の前に立つ「クァン」王様が呼ぶと私は王様の方を向き一礼すると「王様大丈夫でございます私にお任せください」「あぁ」








「へ、クァン何しに来た?」「何しにって決まってるではありませんか、大切で罪のない私の部下とその家族を守りに来たのです」「何だと、罪人を庇うのか?」「庇うならお前も罪人だ!」「罪人は皆さんです!!」「「!?」」「何だと私達が罪人?」









「あぁそうです、この国の方では罪人の罪の訴えて以外座り込み訴えることを禁じる」「だから今は罪人を訴えるのだ」「それは違います、サ、イルナムは罪人ではありません、罪人は妹のサ、サヨンですサ、イルナムは今回の件には直接関わっておりません」







「家族であることには変わりわない、今までもそうやって罰っしてしたのだ」「1100年三月九日謀反の罪で官僚一人を斬首にしましたが家族は罰を受けず今も家門は健在です、他にも111年四月一日に国の救援米を盗んで斬首刑に処された武官がおりましたが家族は罰せられず家門も健在です、」






「それでそなたは何が言いたい?」「皆さんがしてることは正しくない行いだと言っているのです、さっき皆さんの訴えを聞いて今したがその歴史の中に罰せられることなく罪を許された家族がいるのです皆さんのその訴えは正しいとは言えません」






「へ、クァン何の証拠があってそんなこと……」「そんなに疑うなら確かめて自分達の目で確かめて見ればいい今までの大罪人の家族がどうなったか今までの事件を記した書物をその目で確かめて見てください、先に言っときます今までの歴史の中で大罪人の家族が罰せられず助かった組は五百万人です私の言う通りなら皆さんの訴えは間違ってることが証明されます」








「もし間違っていたら?その時はどうするのだ?」「王様の御膳で偽りを申したのですこの首を差し出します」「よかろう」「ただし私の言うことが正しかったら皆さんにその首を差し出して頂きます」「「!?」」「何を驚かれているのです?もしや命を懸けるのが怖いですか?」「「……」」「怖いのなら自分達の過ちをを認めて辞職なさりますか?」




「私達に退けと言うのか?」「賭けをするのが怖いならの話ですがどうなさいますか?敗けを認めて辞職なさるかそれとも私と命懸けの賭けをなさるのかどちらかお好きな方をお選びください」団体を束ねていた儒学者が「……敗けを認める」と言う私は微笑み「他の方はどうなさりますか?敗けを認めますか?」







「「敗けを認める」」全員がその事はを口にした。私は微笑み「では皆さんが犯した罪で私が摘発し自ら辞職する、王様にお渡しする上書にはそう書いておきますでは明日までに辞職届けを出し職を退いてください」「あぁそうしよう」一万の儒学者達は去っていく







「クァン」王様は私の元に駆け寄る「王様、大丈夫でございますか?」「あぁ私なら平気だ、クァンにまた守られたから、クァン礼を言う」私は微笑み「王様、私なら大丈夫です、ですが一番案じているのは王様のお心でございます」「余の心?」







「はい、あのような臣下ばかりで王様はいつも心苦しい思いをされてるのではないかと何か問題が起きる度に気がかりでならないのでございます」「余なら大丈夫だ、余には誰よりも頼もしいそなたがついておる」私は微笑み「王様恐悦至極に存じます」「余もそなたが心配だ」








「何故でございますか?私に至らぬ点があって心配されてるのですか?」「そうではないその逆だ」「逆とはどのような意味でしょうか?」「そなたはあまりにも完璧過ぎる、そなたが完璧であればあるほど周りの者はそなたを警戒して目の敵にするであろう、そうすればきっとそなたに危険が迫るかもしれないと不安でならないのだ」







「王様のそのお言葉大変恐縮でございます、私のような者をお気遣い頂き感謝致します、ですが私は一人ではございません、私には王様、へ、家使用人、私兵、司憲府の由所達もおります」






「へ、エンは?」「はい?」「へ、エンはその中には入っておらんのか?そういえば最近一緒にいるところを見ないな、へ、エンと何かあったか?」「それは……」「もしや姉妹喧嘩か?」







「いえ私は喧嘩をしてるつもりはないのですがエンは私があまりに勝手なことするから怒ってしまって「もう関わらない」とエンに言われてしまいました」「それでへ、エンも元気がないのか」「はい?エン元気がないのですか?どこか体の具合でも悪いのですか?」





私が慌てふためいてると「アハハ」「王様?」「すまない、クァンが慌てふためいてる姿を見て昔から何も変わってないと思ってな」「王様と出会って十二年経つのですね」「もうそんなに経つのか?十二年経つのに余とそなたの関係は何一つ変わらないのだな」








「王様?」「!?何でもない」「王様、私は必ず王様をお守り致します、ですからどうか私の為にお心を悩ませないでください」「……」「私は業務に戻ります」私が一礼すると「クァン」「はい王様」「そなたに話すかどうか迷ったんだがやはり話す」






「はい何でございましょうか?」「中に入ろう」「はい……」私は疑問に思いながらも王様と大殿の中に入り座布団の上に座ると「王様、何故深刻なお顔なされておられるのですか?」「クァン、落ち着いてよく聞け、サ、サテヨがそなたに会わせろとずっと言いる」「サ、サテヨがですか?あの者はもうすぐ賜薬刑に処されるのでは?」「あぁ今日の未の刻の正刻にだ」







「それなのに今更何故私に会わせろなんてまさか、摘発された腹いせに私を殺すつもりでは?」「余も最初はそう考えた、あまりに危険すぎるから言わないでおこうと思っただかサ、サテヨは黒い月の一員だった」「はい?王様、今何と申しましたか?」「自ら自白した自分が黒い月の一員だと」






「ではサ、サテヨが私には会いたがっているのは私ときっと取引したいからでしょう、黒い月の情報を渡す代わりに命を助けるよう王様に頼んでほしい、きっとサ、サテヨはそう言うはずです」「ではクァンはその取引に応じるのか?」「……はい、王命さえ頂けるならこの件は私が上手く処理します」







「クァン、そなたはそれで本当に良いのか?あの者を罰せられず命を助けることになるが本当にそなたはいいか?」王様は心配そうに私に聞く。






「……正直に言うと悔しいです、あの者は王様の命を狙いしかも両親を殺した組織の一員なのに死をもって償わせることができなくて悔しくてたまりません、ですが私のことよりもこの国とこの国に住む民達を守る為に必要な取引でございます」





「クァン……」「王様、あの悲劇を見るのはもう嫌でございます、十一年前黒い月が起こした民に向けての襲撃のせいで罪なき人々が大勢命を落としました、中には小さな子供、まだ生まれてすらいないお腹の中にいた赤子、あの襲撃のせいで無念にも死んでいきました」「……」






「人々がの為に何としても黒い月に入会している逆賊を一人残らず捕らえなければなりません黒い月を撲滅させる為にもこの取引に応じます」







「分かった許可する、今サ、サテヨは義禁府にいる、馬車を用意する」「はい、感謝致します王様」私王様に馬車を借りて義禁府に向かった。










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