第10話「永遠の誓い」

六十日が過ぎて私は科挙を受ける為に会場に来た「席はここかな?」座ると「今だに信じられないな~政に興味がないと言っていた、クァンが科挙を受けるなんて」後ろから聞き慣れた声がして「!?エン?どうしてここに」「どうしてって私も科挙を受けるの」「でも何でエンまで?」







「もちろんクァンに無茶させない為だよ」「エン」「まずは一緒に合格しよう」「うん」その六十日後科挙の結果が出た「あっやっぱりクァンが首席か~予想はしてたけど悔しいな、でもさすがクァンいつも完璧だよね」






「……」〈首席を取ったって全く嬉しくない、それもきっと官職に就くってことはあの方をお慕いする心を封じないといけないそれがどんなに辛いことか、私にできるだろうか?〉私はそんなことを考えながら何も言わないままその場を去る。






「えっクァン!待ってよ」エンが追いかけて来るその五日後私は大殿に呼ばれて「おめでとう、合格するとは思っていたがまさか首席で合格するとは思わなかった」「祝いのお言葉感謝致します、王様」「礼曹の官僚に聞いたが一問も間違えなかったそうだな」





「はいそこまで難しい問題でございませんでしたので」「そういえば世弟賓を決める茶会があると世弟から聞いたか?」「はい三日後に行われる聞きました、私はその場で官職に就いたことをお話しお別れを告げるつもりです」






「まだ本当は世弟賓になりたいと思ったのではないか?」「いえ、そのようなことはございません、世弟様を危険な目には決して遇わせないのでご安心くださいませ」「正直に申せ、その桜の指輪は世弟にもらった物か?」





「はい世弟賓になってほしいと申し出を受けた時に頂きました」「世弟賓になる気はないと言いながらその指輪を大切にはめてるのは何故だ!?まだ世弟賓になりたいと思うからだろう!!」






「!?王様?どうなされたのですか?」不機嫌な声で怒鳴る王様の姿を見て私は困惑する私の姿を見て「!?すまないクァン、怖がらせるつもりはなかった、その私は王としてそなたと世弟が心配なのだ、もし二人が結ばれたら歴史通り私はそなたに自害を命じなければならない、そのような事態を避けたいのだ」





「ご心配には及びません、私は世弟賓にはなるつもりはございません、私は官職に就くつもりなのでございますので」「そうか、ならいい、いい忘れていたが任命式も同じ日だからな」「はい承知しております、任命式を受けた後に茶会に行って参ります」王宮を出た。






そして即位式前日私は世弟様に王宮に呼ばれて王宮の庭に行くと「世弟様ここは?」「私のお気に入りの場所だこの時間だと夕日が綺麗なんだ、あそこに座って一緒に見よう」「はい」私は世弟様とベンチに座って空がオレンジ色に光っていた「とても綺麗ございます」




「世弟様お聞きしてもよろしいでございますか?」「あぁ申してみろ」「世弟様がいつのにか王座に就いたらこの国をどんな国にしたいですか?」







「そうだな民の為の国をつくりたい、民が地位とか身分とか関係なく誰もが平等で自分らしく好きなことをしていい国をつくりたい」「素敵な国でございますね、私も世弟様と共にその道にお進みしたいでございます」「もちろん私達はずっと一緒だ、」







「もうひとつお聞きしてもよろしいですか?」「あぁ申してみろ」「恐れながら世弟様私のどこがお好きですか?」







「何だ?突然、そうだな~よく笑う所、家族を大切にするところ、誰にでも愛情深くて、涙もろくて、私を本気で心配してくれて、思った以上に甘え上手であと考えなしに大胆な行動して、あと芯が強い」






私はその言葉を聞いて私の目から涙が溢れる、そしてこう思った私はこの方がどうしょうもなく好きなんだと自覚する、私は世弟様を好きなことをやめる自信がない「どうした?黙り込んでもしかしてまた泣いてるのか?」






私は世弟様を抱き締めて「また当たりでございます、世弟様、」「そなたは誠に泣き虫だな」「世弟様もう一つお聞きしてもよろしいでございますか?」「申してみろ」「世弟様、私は世弟様のいい恋人ですか?」






「何を言い出すかと思えばそんなの当たり前だろう?明日正式に世弟賓になれるそしたら私達はずっと一緒にいられる明日が待ち遠しい」





〈私はそうは思いません世弟様、私は明日なんて来ないで永遠に今日のままでいてほしいそう心から思いますそれも叶わない願いなんのでしょうきっと〉






「世弟様、今から私が言うことを決して忘れないでください、」「何だ?」「私の想い人はこの世でただ一人世弟様だけでございます、この想いは永久に不滅だとあの綺麗な夕日に誓います」





「ならば私もあの夕日に誓おう、私の生涯の想い人はこの世でただ一人へ、クァンそなただけだこの想いは永久に不滅だ」私は更に目から涙を流す「世弟様……もっと強く抱き締めてください」「こうか?」腕に力を入れる「もっとです」







「このぐらいか?」更に力を入れる世弟様「世弟様私は本当に幸せでございます私はこの世で最も価値の有るものを手に入れました」「それは何だ?」「世弟様のお心でございます」






世弟様は微笑んで「クァン、私も幸せだ」〈申し訳ございません世弟様、私はその幸せを壊してしまいます、こんな私を好きになってくださり心から感謝致します〉そして即位式を当日私は王宮から支給された官服を着て辰の上刻(七時四十分)に王宮に行き朝の集会が終わった後にある任命式に参加した







便殿の戸が開いて私達は堂々と歩いただが周りの官僚達は私達の姿を見て驚きを隠せない様子だった。玉座の前に二人並んで立つと王様は立ち上がり玉座から降りると「これより任命式を始める、へ、クァン前にでよ」「はい王様」任命書を手に持ち





私は王様の前で跪づく「任命書へ、クァンそなた科挙で首席を取り、優秀な成績を納めたその事を称え王命でそなたを司憲府、持平に任命する」「恐悦至極存じます王様」私は任命書を両手で受け取ると立ち上がって元の位置に戻る







「へ、エン、前に出よ」「はい王様」王様の前に立ち、跪づくと「任命書へ、エン、そなたは惜しくも首席は逃したが一問間違えただけで後は正解だった、優秀な成績を修めたそなたには王命として戸曹郎(チョンラン)に任命する」「恐悦至極存じます王様」エンは両手で受け取り立ち上がった。







「これからそなたら二人は明日からこの国の臣下として働くことになる、余そなたらに期待する、この国の臣下として励んでくれ」「「はい王様のご期待に添えるように業務に勤めます」」私達は王様に返事をする。そして私はエンを連れて東宮殿に行く。






「クァンお嬢様そのお姿は?まさか本当に官僚になられたのですか?」チョン尚官驚きながら私を呼ぶ「はいなりました、世弟様は?」「先ほどからお嬢様をお待ちでございます、お嬢様がいらしゃるまではお茶会は開かないそうおしゃって」



「すいませんがこの任命書を持っててもらっていいですか?」「はい」私とエンは任命書を渡すと戸が開いて中に入って世弟様の前にエンと並んで立つ「クァン!遅いぞいつまで……!?クァン?何だその姿は何故クァンが官服を着ている?」





「世弟様、私の話を聞いてください、」「あぁ申せ」「世弟様申し訳ございません、私はずっと世弟様を欺いておりました」







「欺いていたとはどうゆ意味だ?分かるように説明しろ」「私は六十日前に大科を受けて首席で合格しました、そして先ほど便殿で行われた任命式で任命書を王様から受け取り司憲府、持平になりました」






「違うそれは何かの間違えだ!そなたは世弟賓になると私の申し出を受け入れたではないか、それなのにどうしてそのような偽りを言を言うのだ?」世弟様は私の両肩を両手でで持って私の体を揺らす。





「……」「黙ってないで答えろ!」「申し訳ございません世弟様、私が世弟様の申し出を受け入れたのは私が科挙を受けることを世弟様がお気づきになられないようにお受けしました」





「何故だ!何故私を欺いた?何故官職など就いたのだ?生涯私の女人として生きると言ってくれたではないか!」「そのお約束をお守りできず誠に申し訳ございません、ですが私にはこの選択しかなかったのでございます」「そんなこと知らない、脱げ」







「世弟様?」私が聞き返すように呼ぶと「これは命令だ今すぐ官服を脱げ」「できません、私は王命で科挙を受けて官職に就きました、今官服を脱いでお茶会に参加すれば王命に背くことになります」






「脱がないだったら私が脱がす」「「!?」」そして私の官服を脱がそうとする世弟様「「!?」」「おやめください世弟様」





エンと世弟様の護衛武官、チェ武官とキム武官が止めに入る、私を守るように立つエンと私から世弟様を引き離すチェ武官とキム武官が「なりません世弟様、お嬢様方がご覧になっておいでです」「どうかご冷静になられてください」





「冷静になんてなれるか!」「「!?」」「いいからそこをどけ!これは命令だ」世弟様から離れる護衛武官二人方「へ、エン、そなたもどけ」エンは私を見て後ろに下がる私の元に歩いてきて





「訳が分からない一体クァン、何があったのだ?王様に脅されたのか、だったら私が王命を取り下げてもらえるように話をつけよう、だから私が用意した衣に着替えろなぁクァン」






「……できません、申し訳ございません、世弟様私は今から世弟様と交わしたお約束を破り、これからはの国の臣下として生きます」世弟様は私を抱き締める「「!?」」






「何故だ?私の側にずっといってくれると言ったではないか!考え直せクァン、私はそなたを手放したくないのだ、私の妃はこの世でただ一人そなただけだ」私はその言葉を聞いて世弟様を抱き締めたくなり背中に両手を伸ばしたが途中で下ろす。






私は涙を流しながら言う、「もう後戻りはできません、私と世弟様の恋路はここで終わりでございます、私と世弟様の関係はこの国の跡継ぎ方とこの国を守る臣下でございます、それ以上でもそれ以下でもございません」「何を言う、勝手に終わらすな私はまだ認めてない」





「私はこの国の妃にも世弟様の妃にもふさわしくありません、私は王命に逆い罪人になりかけ、国を救う条件で上王様を王座から下ろしましたなので私はふさわしくありません、私のことはお気になさらずこの国にふさわしい妃をお選びくださませ」





「クァン、頼む行くな」私は世弟様から離れる「これ以上ここにいる理由はございません世弟賓様選びのお邪魔になりますので私は退室致します」私は一礼をして出口に向かおうとすると世弟様が私の手を握る






「お離しください」「断る、」「世弟様、もうおやめくださいこれ以上私を引き留めても貴方様がお辛い思いをなさるだけでございます」





「クァン、私はそなたに出会わなければ私の未来なんてなかった、私は本来ならあの時、両班達により王命で王子の地位を剥奪されるはずだったそれをそなたが申聞鼓を鳴らし命懸けで阻止した、王命に逆らい罪人になろうとしてまで」「……おやめくださいそれ以上は何もおしゃらないでください」





「いいや、やめない私はクァンに出会って初めて人を愛することがこの世で一番素晴らしいことだと気づいた、クァンに出会ったから私は民を思いやる王子になれたのだ、だから頼む、これからも私の側にいてくれ、私から離れて行かないでくれ、私がこの世中で一番愛しているのはクァンそなただけだ」





私は涙が溢れるそして声が出ないように片手で口を押さえる〈おやめくださいその言葉を聞いたら貴方様の女人として生きたいそう思ってしまいます、必死に想いを押し殺そうと決意したのにそんなお言葉を頂いたら決意が揺らいでしまいます、ですがこれは貴方様を悲しい未来から守る選択なのです〉





私は涙を拭いて笑顔を作った後世弟様の方を向いて片足で跪づき世弟様に強く握られた手を見る「クァン?」「世弟様、私は幸せでございます、この選択をすれば貴方様をお守り出来るのです」「クァン何を申す、前に申したったではないか、私がそなたを守ると」






「世弟様、私が今から言うことをお忘れなく、世弟様これから歩まれる道は過酷な道のりになるかもしれません、ですからこの先何があってもその座を手放してはなりません私の為など断じてなりません」「クァンが隣にいないなら私は世弟になっても意味がないクァンと共に夫婦として生きるからこの座に意味がある」




その言葉を聞きうつむき私は出そうな涙を堪える。「世弟様、その座を必ずお守りください、その座が貴方様をお守りする盾になります」「クァン」







「その座を手放し王子様に戻られたらまた両班達が騒ぎ出すかもしれません、その時は前と比べものにならないほど都中で混乱に陥るかもしれません、そして王様はその混乱を納めるために世弟様を廃位し王子の地位を剥奪するでしょう、そのようなことが起きれば私が命を懸けてもお守り出来るか分かりません」「クァン」








「ですから決して手放さないでください、何として守り抜り抜くかねばなりません」「クァンそなたは平気なのか?私が別の女人を妻に迎えてこの国の為に世継ぎを作ることが平気だと申すのか?」「……これしかございません、私が世弟様をお守り出来る方法は、」「クァン」





「それに私はふさわしくありません、私が体が弱いのでこの体ではお子を生むことが出来そうでございません」私はソフィアと世弟様申し訳ないと思いながら嘘をつく






「そんな私が世弟賓になったら大問題でございましょう、ですので世弟様、私のことはお気にななさらず世弟としてのお勤めを果たして下さい」






「クァン私は耐えられない、そなた以外の女人を妻に迎えるなど、」「ご辛抱ください、それが世弟様の為のでございます、私にいつかおしゃってくださいましたね、私がいつのにか王座に就いたらどんな国につくりたいかとお尋ねした時世弟様はこの国の民の為の国をつくりたいと」





「「……」」「身分や地位に関係なく誰もが平等で自分の好きなのことをしていい国をつくりたい、私にそうおしゃいました」「確かに言っただかそなたが側にいてくれないと作れそうにない、」「いいえ貴方様ならおつくりできると私は信じております」世弟様は堪えていた涙を流す



「民の為にもその座を手放さないでください、いつの日かこの国の君主におなりになった時世弟様が理想とした国をおつくりください、そして必ずこの国民を守るの聖君おなりください」「クァン、そなたなしでは私は聖君になんてなれない」






「世弟様、私のせいでお辛い思いをさせてしまい申し訳ございません、私は世弟賓になることはできませんが例えこの身が滅びることになっても私は世弟様をこの命ある限りこの国の臣下として最後までお守り致します」私は立ち上がり「これ以上はお邪魔になりますので退室致します」一礼をして歩き始めると世弟様は手を握ったまま離さない。







「世弟様」「分かった、クァンがそこまで拒むなら世弟賓にはならなくていいたが官僚にはなるなそなたのその体で官僚の仕事など耐えられる訳がない」私は振り返り「お気遣いに感謝致します、ですが私は大丈夫でございます、この先どんな未来が待ち受けていても必ずお守り致します、世弟様」私は微笑む世弟様は私の手を離す






私はそのまま振り返らず歩いてきて涙を流しながら出口を向かう。向かう最中茶会に参加していたお嬢様達が全員の視線を感じながら歩く後ろから「やはり駄目だ、行くなクァン!」「世弟様!追いかけてはなりません」チェ武官の声が聞こえる、「離せ、クァン!行くな、私の妃!」私はそれでも歩き続ける。







そして出て「お嬢様」チョン尚官は涙を流しながら私を見ていて「ありがとうございます」任命書を受け取ると私は東宮殿様を出た。そして辛さのあまり走った「クァン!」







後ろからエンの声が聞こえるがそれでも走ったそして世弟様とよく来た夕日がよく見える庭に来て椅子に座り世弟様に言われた言葉を思いだしそして世弟様から頂いた桜の指輪を左手にはめて




「うっうっ、世弟様が他の女人と夫婦になるなんて嫌です、私が世弟賓になりたかったです、私も貴方様を愛してます……どうしようもないほどに愛してます」こうして私と、世弟様の恋人としての生活は終わりを告げた。





そして私はまだこの時は知らなかった、これから次々事件に巻き込まれ想像以上の過酷な未来が待ち受けていることを










































































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