第8話「信じたくない未来」

そして次の朝、プニが「クァン様プニでございます、エン様が拝謁を願い出ております」「通して」戸が開いて「クァン、おはよう」







「おはようエン、どうしたの?こんな朝から」「大変クァン、クァンが王宮で官僚達に言ったことが都中に噂になる」「えっ何でそんなことに?」「これは私の憶測なんだけどあの場にいた官僚の誰かが口外したんだと思う」「何の為に?」「それはよく分からない、今私の護衛に調べさせてる」






「それで大変だって言うのは何で?」「そうなの昨日からその噂を聞いた両班達が来てクァンに会わせろと言うの」「だから昨日あんなに騒いでたんだ、それに私にしばらくの間外出を控えるように言ったの?」「うん、その事を王様に報告したらしばらくの間へ家を義禁府の武官達に護衛するように王命を出したって」







「えっ何でそんな王命を?」

「私もよく分からないだけどクァンの噂のことを話したらすごいクァンを気遣っていたよ」

「王様が?王様の様子はどんなご様子だった」






「クァンのことのすごく心配してたクァンは前から王様と知り合いだもんね」「うん、もう出会って十年以上経つ」「えっ今まで知らなかっただけど十年前ってことは王様が王子様だった頃だよね?」






「うん、そうだね」「私、クァンが王様と知り合いだってこと知らなかったんだけど何で教えてくれなかったの?」「別に隠していた訳じゃないけど、でもそんな自慢することでもないし」






「私は別に羨ましいとか思ってないよ、私はただクァンが王様に深入りして他の人から恨みを買って危険な目に会わないか不安なだけクァン、王様とまだ会ってるでしょう?」




「お会いしてるよ王宮に呼ばれて時々ね、大丈夫だよエン、私はそう簡単には殺られたりなんかしない、」「クァンの大丈夫は信用出来ないんだよな~、クァンはきっとまた自分から面倒な問題に首を突っ込んででもめったに出会わないよ王族とクァンは王様とどうやって出会ったの?」









「私が六歳の時だった、王子様だった頃の都の近くの森で私は色んな動物、植物の絵を描いていた、その時出会ったの、王様はその時は私に警戒されないように両班を装うって私に話しかけてきた、」






「王様は何て話しかけてきたの?」「「いい絵だな、その絵を私に買い取らせてくれないか?」」王様は私にはそうおしゃった、」「その絵を売ったの?」「売ってないよ、もちろんお断りした、まだ画家として手間賃を稼げるほどの腕を持ってなかったから」






「王様は断った時何ておしゃったの?」「「必ず画家になれ、そなたの絵は素晴らしい、私好みの絵だ、そなたが画家になり店を持ったらそなたの店に私が出向き店にあるそなたの絵を全て私が買い取ろう」王様はそうおしゃっていた」




「そのあとも何度かお会いしたんだよね?王様と何したの」「何かよく分からないけど都を案内してほしいって頼まれて都中を一緒に巡ったり、お花畑に一緒に行ったり、時には狩りに一緒に行ったりしたりした」「え?いつの間にどうしてそんなことに?しかも私の知らないところで」




「それがよく分からないんだって王様は突然現れて、訳も話さず私をどこかに連れていくだから正直に言えば一緒に出掛けるのが不安な時もあったでも王様と一緒に過ごす時間はとても楽しかった」






「もしかしたら王様、クァンに想いを寄せたりして」「!?やめてよ何言ってるの?」「あんな様子を見たら私は否定できないな~」「えっ?あんな様子ってどんな様子よ」「それは言えないな~王様の立場もあるし」エンはいたずらっ子みたいに微笑む





次の朝戸の外からオギが「クァン様、オギでございます」「入って」戸が開き「失礼致します」「どうしたの?何かあった?」「はい、クァン様にお会いしたいと申している方が居て、キム、ケン様という方がいらしゃってます」






「えっ先生が?」「はい、客室でクァン様をお待ちです」「分かったすぐ行く」オギに案内されてケン先生がいる客間に行くそして部屋の前に誰も近づけないでとオギにお願いした、「ケン先生、へ、クァンです」

「お入りください」





戸を開けると先生が立っていて私に一礼した

「クァンお嬢様お久しぶりでございます」

「はいお久しぶりです」「突然押し掛けてしまい申し訳ございません、」「いえ平気です」






「そちらにお座りください」「はい」私は座ると「あの今日はどういったご用件で?」「はい、今日お嬢様の未来についてお話をしに来ました」








「私の未来についてですか?、もしかして初めてお会いした時におしゃっていた私の死についてですか?」「……はいですがお嬢様、何故分かったのですか?私がお嬢様の死について話すと」不思議そうに私に聞く。







「私も一年前に見えたんです、正確な日付やどのようないきさつで死を迎えるかは分かりませんが、臨海君様が世弟の座に就いて、私が世弟賓になったら私の持病のせいで臨海君様が責任を問われて官僚、両班達が騒ぎ出します」





「はいお嬢様のおしゃる通りです、王様がお嬢様に毒賜に処し臨海君様は廃位になり最後は王子の地位も剥奪され王宮からの追い出されて両班達によって死にます」ケン先生がおしゃる








「……はい、恐らくこのままでは臨海君様は私のせいで窮地にたたされるでしょう」

私が言うと先生が「将来臨海君様は世弟様になります、それは間違えありません私も三年前にその未来を見ました、ですがここからはお嬢様の選択次第でお二人の未来が変わります」






「なら私が世弟賓にならなければ臨海君様をお守りできますか?」「いえ臨海君君様は生涯官僚、両班達に命を狙われ続けますそれは王座に就いたとしても変わることはありません」「そんな……ですが何故持病を持つ者が官職、座に就いてはならないのですか?」






「それが王宮だからでございます今も、昔も王宮はそのように王室の権利と品を守ってきたのです」

「つまりこう言うことですか?世弟賓に就いたお方に持病を持つお方がいてその方が廃位になり毒賜を施されたから私もそうなると」





「左様でございます」「では私の母が官職を剥奪されたのは母の前いた官僚が持病が問題視されて剥奪になった、それだけで母は自ら官職を退いたのですか?」






「はい、それは全て事実でございます王宮は歴史を常に大切にする場でございます、官僚、座に就く者は歴史を盾に政を行うのでございます」「残酷な場所なのですね、王宮とは」「はい、お嬢様がそう思うにになるのも無理ございません、この事を申し上げようか迷ったのですが……」








「構いませんおしゃってください」「実は世弟賓の座を廃位されて毒を賜った方は上王様の十日間だけ世弟賓様になられたお方で本来なら王妃になられるはずでした」「はい?それはつまり十日間しか上王様と一緒にいられなかったのですか?」







「……はい」「上王様……私は何てことをあの方に申してしまったのだろう?」目から涙が流れる

〈今分かった気がする上王様の気持ちが、上王様が世子様、王子様を避けられた理由が大切な人を失う痛みを知っていたから〉







私の目からどんどん涙が溢れてくる「お嬢様……」〈そして二度とあんな想いをしたくないそう思ったからだからあえて避けたんだ、それなのに私は何も知らないであの方にあんな酷いことを〉二時刻が過ぎて涙が止まった後






「すいません取り乱してしまって」「いえ私は大丈夫でございますお嬢様は落ち着かれましたか?」「はい、一つお聞きしたいのですが、どうしたら臨海君様をお守りできますか?」







「方法がないわけではないのですが、可能性は低いですそれでもよろしいですか?」「はいそれでも構いません、教えてください」「ですがその前に申し上げたいのですがその道を選べば十年後お嬢様は黒い月の刺客六十万人戦い持病によって死に至ります」






「えっ十年後私は死ぬのですか?」「はいその事実は変わりませんが、それでも臨海君様をお守りする為にお聞きになりますか?」「はい、」




「恐ろしくはないのですか?その選択をすれば確実に十年後にお嬢様は死んでしまうのにそれなのにどうして迷いもなく」「自分でも分かりません、何故こんなにあの方をお守りしたいのか、ですが一つだけ分かることがあります」




「それは何ですか?」「臨海君様が愛しくてたまらないって」先生は少し驚いた顔で私を見るそしてまた悲しそうに微笑んで「よく似てますね、お母上に」





「もしかして母のことご存知なのですか?」「はいよく存じています、私は元ユ家の使用人ですから」「先生がへ家の使用人?」「はい七年ほどでしょうか?お嬢様がご存知ないのも無理ありません、私が使用人だったのはお嬢様が生まれる前の話ですから」







「そうだったんですね」「はい、お話を戻しますと臨海君様をお守りするにはお嬢様は官職に就くしか道はありません」「私が官職に?、国の法が変わらない限りそれは無理な話では?」










「確かに普通に科挙に受けて合格できたとしてもすぐに官僚達が騒ぎだして官職を剥奪するように上書を出すでしょう」「でしたら……」「ですが王命が下されたらどうでしょうか?」






「確かに王命なら官僚は誰も覆すことができません、王命はどんな法よりも優先される、母上にそう聞いたことがあります」先生が「左様でございます、王命さえ下ればお嬢様は官職に就けます」







「確かにそうですが王様が私を官職に就けと王命を出さない限り私は科挙を受けることはできません」

「できます、王様、お嬢様が科挙を受けれるように王命を出すそうです」





「はい?もしかして王様とお知り合いなのですか?」「はい、王様は私の常連様でございますからよく今後の人生を占っておりました」「不思議な縁ですね、母上だけではなく王様とも知り合いだとは」





「それだけではありません上王様とも他の三人の王子様も私の常連でございます」「えっ臨海君様も常連なのですか?」「はい、占いをする為に何十回も王宮に呼ばれた事がございます、一年半後王様に宮殿にお呼びだしされるはずです」






「もしかして私に王命が下る予知夢をご覧になったのですか?科挙に受けろと王命が下るのですか?」

「恐らく科挙を受けて官職に就けと王命をお出しになるはずです」






「はい分かりましたあの伺ってもよろしいですか?」「はい何なりと」「もし、私が官職に就かなければ臨海君様どうなりますか?」「臨海君様が世弟の座に就かれた三年後、黒い月の刺客達によって命を落とします」「!?そんな何故臨海君様が?」「申し訳ございませんがこれ以上は話せません、お話すれば未来はもっと災厄な方向へと変わってしまいます」






「では最後に一つだけ伺っても?」「はい」「恋人としてあとどれくらいの時間が残されてますか?」

「それは恐らく……」







私はその事実を知って悲しくなって臨海君様にたまらなく会いたくなった。





ケン先生が帰った後私はエンに臨海君様に会わせてほしいと頼み込んだそして一万人の私兵を引き連れて臨海君様のお店に行く臨海君様の姿を見つけて

「臨海君様!」







「!?クァン?そなたがどうしてここに?駄目だろ家から出てはそなたをよく思わない両班達が……」私は走って臨海様の元に駆けつけ抱き締める「「!?」」「クァン、何をするのだ?取引先が見てる前で離せ」






「離しません、絶対会いたかったです臨海君様、会いたくてたまりませんでした」「クァン?もしかして泣いてるのか?」私の声を聞いて泣いてることに気がつく臨海君様「クァン、どうした?、何かあったのか?」「……」黙ったまま離れようとしない私を見て「たっく仕方ないな」






そう言って私の両足と腰を持ち上げて執務室に運ぶソファーに下ろすと全く離れない私を見て「そなたは本当勝手だな、私はそなたが使用人達の前で口づけするのに抵抗があるからそなたの立場を考えてやめたのに私の立場は考えてはくれないのか?」








「申し訳ございません、自分でも身勝手だって自覚してます、ですが今は臨海君様君と離れるのが怖くてたまらないのです、どうしても離れたくないのです」「そんなこと言ってまた私を誘ってるのか?」









「はい」「!?えっそなた今は何と言った私を誘ってしてると言ったのか?」「はい」私は臨海君様に口づけをする「!?」離れると「初めてだなそなたからしてきたのは」






「臨海様君私は臨海君の女人だという証明がほしいです」「えっそれはつまり私と一夜を共にしたいと言っているのか?」「はい」「!?ここは職場なのにそなたも随分と大胆なこというのだな」











「ですが臨海君様私は……」臨海君様は私に口づけをする離れると「それ以上も申すな、そなたが可愛すぎて耐えられなくて今ここでしたくなる、ここではさすがにできないからな、もう少し待ってろ少ししたら仕事が終わる」「はい」







臨海様部屋を出ていく私は先生の言葉を思い出す〈臨海君様の恋人いられる残りの時は二年と百八十日ございます〉「二年と百八十日、短いな」

仕事が終わり臨海君様は宿を貸しきって私は臨海君様とその宿で一夜を共にする




そして次の朝目覚めると隣で臨海君様眠られて私は臨海君様の頬を片手で優しく触るそして今までの臨海様との日々を思いだし一緒にいれないことを自覚して涙を流す泣いてると






「また泣いてるのか?そなたは本当に泣き虫だな」「嬉しいのでございます、私は貴方様の女人でいられることが」「何かもうすぐお別れみたいな言い方をするのだな私達はずっと一緒だろ?」







「はい、臨海君様、しばらく抱き締めもらっていいですか?」「あぁ」臨海君様は私をしばらくの間優しく抱き締めてくれていた〈臨海君様申し訳ございませんその約束はお守りできそうにありません〉







そしてその百八十日月後「エン、おはよう昨日の話の続きなんだけど……!?」私は台所へ走る







追いかけてきたエンが「クァン急にどうしたの?、!?まさかクァン」私の脈を測り「!?子が授かってる滑脈感じるまさか臨海君様の子なの?」「……うん何度か一夜を共にしたから間違えなく臨海君様の子だよ」





「「!?」」「クァンにそれがどうゆう意味か分かってる?その子は王族の子だってことだよ?」「分かってるよエン、私もお側を離れようと思ったでもできなかった、でもやっぱり私達は結ばれるべきじゃなかった」





私は涙を流し始めると「「!?」」皆驚いた顔で私を見る「クァン、どうしたの?」「ケイ先生がおしゃっていたの一年六ヶ月後臨海君様は世弟の座に就いて上手く王様に就けばこの子は王女か王子になる」







私はお腹の子を優しく撫でる「えっじゃつまりクァンは臨海君様婚礼を挙げて世弟賓になるってこと?それは絶対駄目だって……」「持病がある者は座に就いてはならない座に就けば必ず毒賜を王命で命じられるから」






「クァン知ってたの?もしかしてケン先生から聞いたの?」「うん、持病のせいで廃位になって毒を賜った世子賓様がいらしゃったと、だから私は世子賓の座には就かない例え臨海君様になってほしいと言われても私は絶対ならないから安心して」







「クァン……何かあったの?」「……」私は涙を流しながら微笑む事しかできなかった〈だって私は九年後きっとこの世を去るからそんな事言えるわけない〉






「もし私が世弟賓になったらあの方は私を世弟賓に迎えたことの官僚達に責任を問われて廃位になって王子の地位も剥奪されて最後は両班達に殺される、そうケン先生おしゃっていた」「「……」」エンは私を黙って抱き締める






「……クァンごめん、私のせいだ、私は医者なのにクァンの持病を治してあげられないからごめんねクァン」「それは違うよエン、エンは私の持病を治療しようと頑張ってくれてるじゃん、だからエンのせいじゃない」











「クァン……」周りの皆は泣いていた私はこの日改めて確信した私は臨海君様とは結ばれるべきじゃないと
































































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