第7話「偽り続けた心から解放される時」

私はエン、ハソン、ジン、一万の私兵を連れて王宮に向かったそして私はハソン、ジンを連れて便殿に行き王様と臣下達に会った、「久しぶりだなへ、クァン、茶でも用意するか?」「いえお気遣いは無用でございます、私を呼び出したのは私に何か頼みたいことでもあるのですか?」






「察しがよいなその通りだ、余はそなたに頼みたいことがある」「何でしょうか?」「そなたの私兵をこの国を守る為に貸してはくれぬか?」





「つまりこうゆうことですか?朝鮮とどこかの国が近々戦をするがとても数が多くて勝ち目がない、それでも両班達の私兵を借りれぬかと頼んだが誰も貸してはくれないだからへ家の私兵に助けを求めたとそういったところでしょうか?」








王様は考えを読まれたと言う表情で私を見る「承知いたしました、どこの国と戦えばよろしいですか?」「感謝するへ、クァン急ですまないが明日明が朝鮮に攻めてくるだから相手をしてくれないか?」「それは構いませんが一つ条件がございます」「何だ?申してみろ」






「では遠慮なく申し上げます、私が私兵と共に挙兵する条件は王様が王座から降りることです」私は微笑みながら言う官僚達が騒ぎだし王様、世子様、臨海君様、密豊君様が驚いた顔で私を見る「今何と申した?」









「聞こえませんでしたか?ならもう一度申し上げます、私が私兵を連れて挙兵する条件は王様が王座から降りることでございます」「ハハハ何を言い出すかと思えば何の冗談だ?」「いえ冗談で申したのではありません、私は誠にそう思っております、王様」







「そなたは己が何を申してるのか分かって申しているのか?」「はい承知の上で申し上げております」「クァン!」臨海君様は私を呼ぶ「余がその条件をのまなければどうする?」







「もちろん挙兵はいたしません、私はへ、家の者と都に住む身分の低い民達を連れて父上が頂いた土地にそして父上が作った都、美の国と書いてチャユで暮らそうと思っております」「都?そんなに大きな土地をへ、テマンが持ってる訳……」







「信じるかどうかは王様がお決めください私は今日中にたたないといけないので行きます」私は王様には一礼をして歩き始める「待てへ、クァン!」私は歩みを止めると振り返り「まだ何か私にご用でもおありでございますか?」









「へ、クァン挙兵せよこれは王命だ」「お断り致します」私は即答する「それはどうゆう意味だ?王命に背くことがどうゆうことか?分かっておるのか?」










「はい、もちろんでございますそれでもそのご命令には従えません、私は先ほど申し上げたはずです私が挙兵するなら王様が王座から退いたあとだとでございます」「そなたは死にたいのか?」「逆にお聞きしますが王様は私を殺したいですか?」「殺しても問題ないであろう、先ほどの発言は余への侮辱である」







「そう思われるのであればこの場で殺して頂いて構いませんがそうすると朝鮮は確実に滅びるでしょう?だってこの国の臣下だと言うのに官僚は誰一人戦おうとする意志がなくただ自分が助かりたいが為に誰が何とかしてくれるのを待っている、そんな官僚達がこの国を支えてると思うと余計に戦いたくなります」









官僚は騒ぎ出す「だってそうではありませんか?自分達の国なのに、危機に陥ってるのに何もしようとしないで民である私に助けを求めるなんて国を守る官僚が聞いて呆れます」ざわつく官僚私の言葉を聞いた王様が「そなた何様のつもりだ?余に王座を退けと言いそれに加えて国を守る官僚まで侮辱でするとはこの重罪は許せない、」「お待ち下さい王様」






臨海君様が私の前に立ち一礼をして「申し訳ございません、王様この者のが王様に数々の無礼極まりない発言は決して許されるものではございません極刑に値する発言でございます」「なら何故止める?」王様に臨海君様に聞く








「この者はまだ死ぬに惜しい人材だからでございます王様もご存じのはずです、この者が武術だけではなく知識も優れていると」「だからこの者の無礼極まりない発言を許せと?」「はいご無理なお願いだとは承知のしておりますですがどうかこの者を……」









私は私の為に王様に許しをこう臨海君様を見た後「許す必要はありません、もし王様が私を殺したいとそう思われるならこの場で私の首をお斬りください」「クァン!口を慎め誰に向かって……」私は「臨海君様こそ余計な真似をなされないでください、これは王様と私の問題です、お下がりください」







「クァン……」黙り込む臨海君様に「そうだ、臨海君余計な真似はするな、下がれ」王様に言われて臨海君様は元の位置に戻る「では聞こうか余を王座から降りろと言う理由を」「それは王様が王にふさわしくないからでございます」官僚達は騒ぎだし「続けよ」王様が言うと少し静かになった






「私は九十日ほど前役所で売られている奴婢を買い取りました、全員全身傷だらけで痩せ細っておりました、私は奴婢三十万人を買い取りま私はへ家で使用人、私兵にしましたが皆初めは両班の私を見てかなり怯えておりました、初めの十日は食事を準備しても全く口にしてくれなくて、私が近づく度にいつも怯えておりました、」












王様、含めその場に居た王子様、世子様官僚達は私の話を真剣に聞く「その姿を見て私は思いました、一番身分の低い賤民は誰よりも多く両班、王族の為に働いてるのに何故この国は奴婢というだけで力なき民にこんなにも残酷な仕打ちをするのだろうと」






「くだりが長い結局そなたは何が言いたいのだ?」王様は私に聞く「力なき民達は生きる権利はないのですか?ただこの国で暮らす力なき民達は普通に生きたいそう願っているだけでございます、」訳の王様が私に聞く「民の暮らしと余が譲位することに一体関連があるのだ?」密豊君様は「そうです王様が譲位する理由にはなりません」







「いいえそれこそが理由なのです王様、王様が即位されてから二十年が経った今の民の暮らしぶりは激変していきました、この国の民達は過酷な税金に悩まされ生活が苦しくなる一方でついには生活をする為に両親が自分の子供を名家の両班の家へと売りました、それだけではありません貧しい民は食べるものが無く何日も食べない日が続き結局は餓死するのです」






一人の官僚が「へ、クァンいい加減にしろそんなことはこの世の中当たり前だ!」「「そうだ、そうだ」」私に向けた官僚達の批判の声が強くなる私は両目を閉じてしばらくして両目を開ける、そしてそんな世の中当たり前だと言った官僚に「黙れ!罪人!!」「「!?」」







「何だと、今なんて言った?」「なんて言ったか分からなかったか、ならもう一度言ってやる、黙れ!罪人!!」「「!?」」その場にいる全員が私を驚いた表情で見る私はそんなことも気にも止めず







「「こんな世の中で当たり前だ」なんて何言ってるの?こんな世の中当たり前じゃなくてこんな世の中腐ってるの間違えでしょ!貧しい民は救う価値がない、自分達が満足すればそれでいい、そんなこと思ってるからこんな救いようもない世の中になったのでしょ?」







一人の官僚が「そなた無礼にもほどがあるぞ、私達両班が何故罪人になるのだ!」「そなたは散々貧しい民達を私欲を満たす為に踏みつけにして財力に余裕がない貧しい民達からも高い税金巻き上げてきたでしょ?、その行いのせいで、どれだけの罪なき民達が命を落としたと思ってるの!故に私は思う貧しい民達は決して罪人ではない誠の罪人はそなたらのような私欲を満たす為に権力を振るう非道で冷酷な、罪人だ!!」




「「……」」私の意外な発言でその場に頂い者達は言葉を失う。「それにそなたらは奴婢の身分というだけで家畜呼ばありして自分の気晴らしの為に奴婢達を痛めつけるのが当たり前になっているでしょう、そんなそなたらに言う、賤民達は家畜なんかじゃない」





「「……」」「それからもう一つ王様含めた王族の皆様に申し上げます、貧しい民達を苦しめているのは冷酷で非道な両班達のせいだけではございません、貧しい民達のお陰で王族の皆様はこの国に裕福に暮らすことしか生活が出来ているのです、必死に働く民がいるから皆様は好きな物を食べることが出来てそんな高価な絹の服を着れるのです、王様、王族の皆様、両班達は貧しい民達によって生かされてるのです、その事を自覚してください私からは以上です」





私は王様の目をしっかり見て言う「それが余を王座にふさわしくないという理由か?」「はい」「まさかここまで堂々と言うとは大したものだそなたには本当驚かされてばかりだ何故そんな命知らずなことをしたこれは大逆罪に値する下手すれば死ぬかもしれない」






「死を恐れていては何もできません、私がさっき言ったことは前から私が思っていたことです、このまま口をつぐみ続けたらきっと私もあの官僚達のように思うでしょう、「こんな世の中当たり前だ」それが間違えてることとも知らず、沈黙することに慣れて、私はそんな人間にはなりたくありません、なるなら両親のような貧しい人を守る人間なりたいです」








「「……」」「あっ忘れていた、ハソン」「はいクァン様」、ハソンから日記を受けとると王様は「それは何だ?」







「これは母の日記です、この日記は王様のことが書かれております母が官僚だった頃の出来事、そして母が座を自ら退いた後も母はただ王様を案じそして忠誠を誓い退いた後も母は王様をお守りしようと努力をしていました」







「何故それを余に申すのだ?」「私は何故母がそんなにも必死に王様をお守りしようとしたのかその気持ちは理解できませんが、母にとって王様はこの世でただ一人の君主だったんだと思います」「……」







「ですからこの日記は王様が持っておられるべきだと思ったのです」私は母上の日記を王様に向けて差し出し「この日記は母が王様にお示しになりたかった王様への忠誠心でございます、私のことはお許しにならなくて構いません、ですがどうか母の思いは汲み取ってくださいませんか?」









「……」王様は黙って私を見つめる数秒が経ち「ミン内官日記を受け取れ」「はい王様」そして王様は日記を受け取り立ち上がると私に向かって「二刻待て」「はい、王様」私は返事をして一礼をすると王様は専用の入り口から便殿から出ていった。





そして二刻経ってミン内官が来て私の前に来ると「王様は体調が優れませんので代わりに私が王命をお伝え致します」「はい」私は返事をすると「王命書余は三日後に王座を退き跡継ぎの世子に譲位することをこの場て宣言する」






官僚達は騒ぎすがミン内官は世子様に譲位書を手渡そして私の前に来て「お嬢様にも王命が下されました」王命書を広げて





「王命書、へ、クァンの発言は重罪に値し本来なら斬首刑にしても問題ないがへ、クァンは己の命を懸けて弱き民達の為に死を覚悟で我々のしていることは間違っていると指摘したその指摘は間違えだとは断言できない、よってへ、クァンの罪を不問に処す」









官僚達はざわつき始める私は王命書を受け取り王座に向かって「恐悦至極に存じます王様」私は王座に向かって一礼をするそして約束通り私兵を連れて明と戦をして明が攻めいる前に先手を打ち三日で勝利したし終わらせ明は多くの兵を失い自分達の国に帰った






そして朝鮮にクァン達が戻るとクァンとへ家の私兵は多くの民達に称えられながら出迎えられたそして王様が王座を退いた二日後にクァンは上王様から王宮に呼び出された、上王様の寝殿に行きミン内官に庭に案内された「上王様」「よく来たなへ、クァン座れ」「失礼致します」






座ると「この都を去る前にそなたにもう一度話しておきたかった」「都を去るってことは離宮に移られるのですか?」「あぁそうだ私から王に頼んだのだ」「左様でございますか、ですが何故なのでございますか?」「そなたの申した通りだった」「えっ上王様?」







「この国の民を苦しめているのは私だった、そなたの言う通り私は民達が必死に働いた税金で何不自由無く暮らしておった、あの時そなたが声をあげてくれなかったら私は己の間違えにも気づかずそれが当たり前の世の中だ思っていただろう」





「上王様」「わざとだな?」「はい?」「あの時わざと失言をして官僚達を怒らせて私が一人の両班の娘に脅されて王座を退いた、そう官僚達に印象つけたかったのだろう?」「一体何のお話でしょうか?」「まだ悪役の演技をするつもりか?官僚がいないのだからもういいだろう?」







私は微笑み「何故お分かりになったのですか?私がわざと悪役を演じて上王様を王座から下ろそうとしてると」








「私も最初はそなたはただ私を王座から下ろしたいのだとそう思った、でもそなたが私に日記を差し出し「どうか母の思いを汲み取ってくださいませんか?」そう申した時もしかしたら真意は別にあるのかもしれないそう思ったのだ」







「なるほど、演技が甘かったですね、最後まで気づかれずにいきたかったのですが」「私は気づけて良かったと思っておる」「はい?」







「そなたのお陰でアロの想いを受けとることができた、そして気がついた私が今まで生きてこれたのは官職を剥奪になってもそれでも私に危険が迫る度にアロが力を尽くして食い止めてくれていたのだって、そなたの申す通りきっとアロにとって私がこの世でたった一人の君主だったのだろう」







「はい、きっとそうでございます」私は微笑むと「だったら私は駄目な君主だな、私はアロに約束したのだ、王座に就いた日にこの国の臣下と民達を守る君主になるとそれなのに私はアロとの約束を破り私欲に走った、そしていつの間にか大切な者を失うのが怖くて誰も信じなくなり側に寄せないようにしていた」







「……」「これで良かったのかもしれない、この日記を持っているということはそなたは自分が私の娘だと知っているのだろう?」「はい、私は上王様の子です、ですが私にとっての父上はこの世でただ一人、へ、テマンだけです、それに私は自分が王族だと名乗るつもりはありませんこのまま、へ、家の後継ぎとして生きるつもりです」







「そうか、偽り続けた心から解放されたからそなたのお陰だ感謝するへ、クァン」「上王様、お体に気をつけてどうかお元気でお暮らしくださいませ」「あぁ」次の日上王様は都を離れ離宮に向かわれた。

























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