第4話「命を懸けた恋」

臨海君様と出会って五年が経った五年間臨海君様と多くの時間を共に過ごしたがが今だに想いを伝えられずにいたが私はむしろ二人で過ごす時間が増えて幸せだと思っていた。いつも通り二人で出かけて人が居ない所にいた




「クァンすっかり秋だな」「はい、臨海君様お店の方は順調そうですね」「クァンこそ相変わらずの繁盛ぷりだな都だけじゃなくて倭国、明国からも絵を買いに来る客がいるそうだな」





「臨海君様もお店の売り上げに貢献してくださっているのですよもしかしたら臨海君様のお陰でお店の売り上げが上がってるのかも三十日に三回は私の絵をお買いあげして頂けるので誠にありがたいです」臨海君様は微笑んで「なら礼をしてくれないか?」





「礼でござますか?何が欲しいものがあるならおしゃってください」「そういうことではなくて目を閉じてくれ」「えっ分かりました」目を閉じるとおでこに柔いものの感触がして「開けていいぞ」開けると「えっ今……」








「今回はおでこにした、唇にしたかったが」「!?」「そんな顔をするなしないから安心しろ」「えっ」「行くぞ」「はい」






そしてその夜私は夢で三日後臨海君様が王子の地位を剥奪される臨海君様をよく思わない両班達が王宮の前で騒いでそして王命によって常民の身分になった臨海君様は両班達に殺される「!?臨海君様!ハァハァそんな臨海君様が一体何をした言うの?何も悪いことしてないのに」






〈かなりまずい臨海君様が常民になれば守る後ろ楯を失い両班達に確実に殺されるだけど王命となれば何の力もない民の私には臨海君様様をお守りすることが出来ない、この事をエンに話せばエンを危険な目に遇わせてしまうかもしれない一体どうすればいいのだろう?〉





そして二日間考えて両班達が騒ぎだした前日に私は命を懸けることを決めた私はエンに文を残してジンとハソンを連れて出ていった、そして申聞鼓がおいてある門の前で三万の両班が臨海君様を常民にするように騒いでいた。






私は階段を上って行き橋の上にある申聞鼓(シンブンコ)の前に立ち太鼓を鳴らす一人の両班が私に向かって言う「何の真似だ?」「私はへ、クァンと申します今日私がこの場に立ったのはある一人の王子様を命を懸けてでもお守りしたいからです」





「そなたには関係のないことだ下がれ!」「「そうだ、そうだ」」両班達は反発するそれでも私は続ける「何故皆さんは臨海君様を常民にしたいのですか?私にはどうしてもそれが理解できません」







「関係のない小娘は引っ込んでろ!」「養子で引き取られた王子はいらない、王子にはふさわしくないさっきからそんな声が皆さんから聞こえて来ますがそれは以前から存じていたことでは?何故今更その現実を否定なさるのですか?」






「それは王子はふさわしくないからに決まってるだろう?」「私が思うに皆さんは臨海君様が目障りになったのでしょう店を開き民に作物を分け与え民心を集め続ける臨海君様が気に入らななくてこのような真似をなさるのですか?」






「仕方がない、王子にはふさわしくないのだから」「「そうだそうだ」」「臨海君様は王子の地位を剥奪されるべきなんだ」「そんなのおかしいでしょ!!」申聞鼓でを鳴らす「「!?」」




「何がいけないのですか?この国の王子として民の心配をして、誰かを思って、誰かの為に何かをしたいそれのどこがいけないのですか!?」もう一回を鳴らす




「生まれよりも、もっと大切なことがあるはずです、私は臨海君様と出会って五年が経ちました、五年という時間は少し短いかもしれませんがですが私は臨海君様様と多くの時間を共に過ごしました」






私は臨海君様との日々を思い出しながら話す「ですが皆さんは臨海君様の何を存じているのですか?臨海君様と会ったことありますか?面と向かって話したことありますか?臨海君様様と会ったことも話したこともない皆さんが王子様でいる資格がないなんてどうしてそんなことがおしゃれるのですか!?」もう一回を鳴らす






両班達は最初より静かになる「確かに臨海君様はの身分は他の王子様達と違って低いかもしれません、だからこそ私は臨海君様をこの世で最もふさわしい王子様だと思うのです」太鼓を鳴らす気づけば周りには大勢の民が居て私の話を聞いていた。






私は太鼓を鳴らしながら「身分が低いからこそ他の人の気持ちが考えられるのです、身分が低いからこそその心は優しさで溢れているのです、身分が低いからこそ、己の過ちを認め頭を下げることが出来るのです、私はこの場で王様とこの場にいる人達に宣言致します」






太鼓を鳴らす「私、へ、クァンは例えこの場にいる全両班を敵に回そうが、例え逆賊とみなされ捕らえられて斬首刑になろうが、この命を懸けて私は臨海君様を支持します!」最後に一番強く叩いて太鼓を鳴らす「クァン!!」エンの声が聞こえて来て私の元に走ってきて





「クァン何を考えてるの?これは昨日王命が出たことは知ってるでしょ?なのに何でこんなこと」「王命に逆らうことになったとしても私のこの選択で状況を変えれるなら命を懸けてでもやるべきだと思ったの」





「取りあえず帰るよ」周りにいる百人の私兵にエンは「クァンを守れ」「「はい!」」私は百人私兵とジンとハソンエンに守られながら私邸帰る







部屋に戻ると「叫び過ぎて喉が痛い」「それはそうだあんなに叫んで喉が痛くなるのは当たり前」「エン聞いてたの?」「うん最初から最後まで」「私を引き留めると思ったけど止めなかったんだね」「止めようと思ったよだけど……」「だけど?」





「周りの両班が邪魔ですぐに行けなかったの」「良かったよ、両班が居てくれて」「良くないよ、あんな無謀なことしてへ、家は大逆罪人になってしまう」「大丈夫そんなことはさせないから」「クァン……とにかくこの薬飲んで」






「何それ?」「喉の痛みに効く煎じ薬」「誠に?」「誠だよ」「ならいいけど」私は器に入った煎じ薬を飲む。戸の外から「クァン様オギでございます旦那様がいらしゃいました」私は「お通しせよ」と答えると





父上が入ってきて「父上」私が呼んで一礼すると父上は私の頬を叩く「「!?」」「父上!クァンは本当に愚かなことを致しましたですがそれを止められなかった私の責任でもあります」エンは私を庇うように立つ





「エンは下がってろ、クァンと話がしたい」「エン下がって」私が言うとエンが下がる「エンから話は聞いた、王命に背くなんて一体どうゆうつもりだ?民であるそなたが恐れ多くも王命に背き政に口を出すなんて、死罪になっても文句は言えないぞ!」






「はい、死を覚悟でやりました、父上にご迷惑をおかけすることを承知で致しました」「クァン」エンが私を呼ぶと






「どうしてもあのお方の為に何かしたかったのです何も悪くない臨海君様が、ただ民達の為に守る王子でありたいと望でいたただそれだけでございます、臨海君様を何も存じない両班が好き勝手言って王子の地位を剥奪するように王様に進言していたことがどうしても耐えられなくてやりました」






「だがこれは王命が出た時点で国の問題だ、その問題に首を突っ込んでへ家を潰すつもりか?」「いえそんなつもりはありません」「なら何故無力なのにでしゃばったのだ!」






「父上、臨海君様は王子の地位を失ったら臨海君様をお守りする盾がなくなります、そうすればきっと臨海君様は両班達から命を狙われることになります」「それが何だと言うのだ、そなたに関係のないことだ」




「父上そんなこと私が一番よく理解してます関係ないことも自分がどれだけ無力かもそれでもやりたいと思ったのです、この命を懸けてでも臨海君様をお守りしたかったのです」






「クァン……」エンが私を呼びと「クァン……そなたにはまさか臨海君様のことを……」





「父上それ以上は何もおしゃらないでください、親不孝の娘で申し訳ございません、最後の最後までご心配とご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません」「クァン?いきなり何言い出すの?」エンが私に聞くと





「父上、私と離縁してください」「「!?」」「お願いでございます、私と離縁してください私は王命に背くという大罪を犯しました、私はいずれ王命によって義禁府に連行されます、明日には恐らく来るでしょう」





「離縁だと冗談じゃない助かりがたいが為に自分の娘を手放すなど私はそんなに弱い父親ではない、クァン何があってもそなたは私の娘だそれはこれからも決して変わらない」






「父上それでも私と離縁してください、このままではへ、家の皆まで捕らえられてしまいます、全ては私が勝手にしたことです、皆は何も罪はありません、私と離縁すればへ家の皆を守れます」「私は構わないよ捕まっても」「エン」






「例え大逆罪人の家族として捕まるとしても私はこれからもクァンの妹でいたい、クァンは自分勝手だし不器用だし後先考えず無茶ばっかりして誠に世話が焼けるけどでも私はクァンの妹でいることを後悔したことなんて一回もない、確かに国の法は犯したけど一人の人間としては間違ってない」





「エン……」「私と父上だけじゃない他の皆も同じ気持ちだよ」「えっ皆って?」私が聞くと「ついて来い」父上がそう言って出ていく。私はエンと一緒に庭に行くとそこにはへ、家に仕える使用人、私兵が全員いた。






「これは一体何事?」「私が皆にクァンがすることを伝えたそしたら皆最後までへ、家に残ると言った」「駄目、駄目だよすぐにでも出ていって早く離縁しないと時間がない今のままでは自首なんて出来ない」






「そんなことさせませんよクァン様」「ハソン」「クァン様、クァン様は私の全てです、クァン様と出会わなければ私はこうして一人の人間として自由に生活できなかったでしょう、」私は涙を流して「駄目逃げてハソン、皆、私のせいで皆が犠牲になる必要はない」






ハソンは「クァン様今までの人生の中で最も幸せだと思った瞬間はクァン様の側に居てクァン様をお守りしたことです、私だけではありません、ここにいる者の全員が自分の意志でここにいるのです」






「駄目……絶対駄目私が捕まったら皆まで大逆罪人になる、私のせいで皆が死ぬなんて耐えられない、お願い皆は生きて、何としても皆には生きてほしいの」私は涙を流しながら言う。ジンが私に近づいてきて







「クァン様私は、いえ私達は貴女様を置いてなど行けません、私達はどこまででもクァン様にお供致します、例えその行き先が地獄だったとしても最後までご一緒致しますクァン様」「ジン……皆……!?あれ何故だろうめまいが……」






私は倒れる、私の体を支えるエンを見て「まさか……」「ごめんね、クァン、しばらく眠って」「エン、どうして……皆……お願い逃げてお願い死なないで……」そのまま私は意識を失った





私は眠ってる間予知夢を見た私を守る為にへ、家の私兵百万人が義禁府に歯向かっていてハソンが〈クァン様を捕らえたければまずは私達を殺してから行け私達を殺さない限りここから先へは通さない〉





そしてジンが〈あのお方がいなければ今の私はここには居ない、あのお方にお仕えるからこそ私は生き甲斐を感じる例えこの場で死ぬことになったとしても、あのお方をお守りできるなら本望だ〉




義禁府の一人が王様にその事を伝えて今度は王宮から十万の兵士が送られて来てその頃にはへ家の前には百万人の民達が居て妨害するように立ち塞がった。それが王様に知らされて王命は一時中断、義禁府と兵士達は引き返してその一日後に王命が取り下げられた






そして三日後私は目を覚ます「!?皆!」「うわぁ~びっくりしたクァン、急に大声出しながら起き上がらないでよ」「エン」私はエンが怪我してないことを確かめ抱き締める「えっクァン?何?そんなに私のことが好きなの?」





「うん大好きだよ悪い?」「……悪くないよ」「そうだ、父上は?」「今部屋に居るんじゃ……」私は部屋を出て父上の部屋に行くそして「父上!」「クァン起きたか?」私はは父上を抱き締める「クァンどうした?急に」「父上ご無事で良かったです」






「私は高麗一の剣士へ、テマンだぞ簡単にはやられない」「そうだ父上仕事はどうなりました?義禁府の仕事は続けれますか?」「あぁ王様がお許しくださって今まで通りな」「それは良かったです」「そうだシル!」私は部屋を出る







シルの部屋に行き「クァン姉上!」「シル!」私はシルを抱き締めて「シル怪我はしてない?」「はい、大丈夫です」「スンは?」「私ならここに居ます」戸が開いて「スン、良かった二人共に無事みたいだね」「はい」






それから私はへ家の使用人、私兵全員の安否を確認して全員無傷で安心した。それから部屋に戻って「良かった~皆に無事であっ!臨海君様の無事を確認してないちょっと出掛けてくる」私は護衛百人を連れて臨海君様様のお店に行った。





そこには臨海君様様が民と楽しそうに会話をされていて「良かった、王子の地位は剥奪になってないみたいだね」「はい、一日前には王宮に行き確認しましたが臨海君様に出た王命は取り下げられたそうです」とジンが答える






「帰るよ」「えっお会いにならなくてよろしいのですか?」「うん、臨海君様が何事もなくいつも通りな生活ができてればそれでいい、それに私はもう臨海君様にはお会いしないつもりだ」






「「えっそれは一体どうゆうことですか?」」ハソン、ジンは同時に聞く。私は微笑んで「帰るよ」







私は馬車に乗って家にに帰った。〈そう私は夢で見たんだ現実になるかどうか分からないけど臨海君様が世弟の地位に付いて、そして私が世弟嬪になってそしたら臨海君様は廃位されていて平民になって両班達に殺される夢をだからこそ私は臨海君様と結ばれるべきじゃない例え両思いだとしても〉













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