第15話 side:レイモンド5


 イザベラは、俺と体を重ねるほど奔放になっていくようで、最初のうちは身を固くしていたが、そのうち行為中に何度も気を遣るようになった。


 後ろから奥まで突きあげながら乳首を捏ねてやるとすぐに達して膣が震える。その感覚がたまらなく、毎夜イザベラが気を失うまで責め続けてしまう。


 ……ハンナとはこんなセックスをしたことがない。

 妻はいつもベッドの中では身を固くして、俺にされるままだった。性に疎いハンナであれば当然のことだし、夫婦の愛を確かめ合う行為なのだからそれでいいと思っていた。


 そんなことを考えながらイザベラの白い尻に腰を打ち付けていると、ふと呪いに侵された化け物のような体でハンナを手酷く抱いた時の記憶が頭をよぎった。


「……うっ」


 あの時の記憶を思い出した瞬間、達してしまった。



 ……実を言うと、化け物のような体で無理やりハンナを抱いた時、俺はそれまで経験したことがないくらい興奮していた。

 染み一つない美しいハンナの裸体に、醜い化け物の自分がのしかかっている光景にどうしようもなく劣情を刺激された。

 ああ、自分は心まで化け物になってしまったんだという絶望感に襲われて、欲を吐き出して頭が冷えた後に激しく後悔して泣きわめいた。

 もうこんなことはすまいとその時は誓ったのに、それからも感情が高ぶるとハンナを手酷く抱いてしまった。


 あの時のことは、呪いのせいで頭がおかしくなっていたんだと自分に言い聞かせてきたが、あの時のことを思い出して達してしまったことに激しく動揺した。

 もう呪いは残っていないはずなのに、あれから俺はどこかおかしくなってしまったのかもしれない。




「っあぁ……レイモンド様ぁ……」


 イザベラの甘い声で我に返った。


「もっと……ください……」


 ねだるような声で結合したままの腰を擦り付けてくる。そのいやらしい動きに、再び陰茎が硬さを取り戻していく。

 ゆるゆると腰を動かすと、イザベラが嬌声をあげ始め、その後も何度も体位を変え何度もまぐわった。



 今まで自分は他の兵士のように戦場娼婦の元へ通ったりもしなかったので、性に関しては淡白だと言う認識でいた。それなのに、今は性欲に歯止めがかからなくなっている。毎晩、何度も何度も吐精してもまだ収まらない性欲は異常だと思うが、止めることができなかった。



***





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