第20話 あの時のこと

10年前。

2人は公園にいた。

「竜どうだ?」

ヤンキー姿の女は言った。

「ありがとうございます、花蓮さん」

竜は公園で軽くバイクを走らせる。

2人の背中には『瞳澪魅』と書いてある。

「よし、行くか、戦いに」

2人はバイクに乗って戦場に向かった。


1週間前。

竜と花蓮は幼なじみだ。

そして、高校も一緒。

昔からよく2人は他の人と喧嘩をしていた。

2人が揃うと喧嘩は必ず勝っていた。周りからは、【不死身の2人】と呼ばれるようになった。

「『瞳澪魅』は最強だ!」

これを花蓮と竜は言い続けて、何年か経った。

2人はもう高校生。

ヤンキーというのはかっこ悪いという世の中になってしまった。

だが、花蓮と竜は違った。

高校でもヤンキーを続けている。

「やっぱり、ヤンキーってもうおしまいなんすかね?」

竜は花蓮に聞いた。

「バカ言え、そんなことない」

花蓮はそう言うと、そういえば、と言った。

「明日、近くのチームと戦うことになった。相手は10人ぐらいだ」

「10人は楽勝っすね」


次の日。空き地。

「お前らか、最強とか言ってる奴は」

相手チームに言われると、

「なにか悪いか?」

と花蓮が言い返した。

「ふん、調子に乗るなよ!」

と戦いが始まった。

花蓮と竜は相手を軽々と倒していき、最後の1人になった。

「チッ、やるじゃないか」

相手はたばこを捨てると、構えた。

「一瞬でボコボコにしてやるよ、竜は下がってろ」

「了解です」

「「うぉぉぉぉッ!」」

花蓮と相手は走ると、花蓮は拳を強く握りしめ、相手に腹パンをくらわせた。

「グハッ」

相手はそのまま倒れた。

「私に勝つなんて10000年はえんだよ!」

花蓮がそう言って、2人は立ち去った。

「あいつら覚えてろよ・・・」

相手は言った。


数日経った日。

2人はバイクで走っていた。

すると、どこからか矢が飛んできた。

その矢は、竜のタイヤにあたりタイヤがパンクした。

2人は近くの公園に寄って、矢に付いている紙を見てみた。

「なんだこれ、なんかすごい昔な感じっすね」

「そうだな」

2人は矢を見ながら笑っていた。

「その紙はなんて書いてある?」

花蓮が言うと、竜は読み上げる。

「前の空き地に来い、だそうです」

「向こうも懲りないな、ボコボコにしてやろうぜ」

花蓮が言うと、

「もちろんです」

と竜は言った。

2人はバイクの修理をした。

「竜どうだ?」

花蓮は言った。

「ありがとうございます、花蓮さん」

竜は公園で軽くバイクを走らせる。

2人の背中には『瞳澪魅』と書いてある。

「よし、行くか、戦いに」

2人はバイクに乗って戦場に向かった。


空き地。

「お前ら、殺す」

どうやらこの前の奴ではなくチームの頭だろう。

少しごつい体をしている。

「殺せるもんなら殺してみろ」

花蓮は挑発をかけると相手は花蓮に向かって、勢いよく突進してくる。

竜は突進してくる敵に蹴りをいれた。

「花蓮さんには指1本触れさせない!」

「おいおい、そんなこと言ったら私の出番ないじゃんか」

そう言いながら、花蓮は竜の横に並ぶ。

「行くぞ!竜!」

「行きましょう!花蓮さん!」

2人は勢いよく走ると、左右に別れ展開していく。

「花蓮さん!」

「竜!」

2人は強く拳を握り、相手の顔面にあたると、あまりの威力に相手は意識を失い倒れた。周りにいた奴は逃げた。

「ナイスです。花蓮さん!」

「竜もな!」

2人はハイタッチしてその場を去った。


そして、1か月、2ヶ月と月日は流れていく。

「やっぱり、ヤンキーって時代じゃないですね」

竜は言った。

「そうかもしれないな」



「こうして2人はヤンキーを辞めて、普通のJK、DJになりましたとさ」

拓也の母、花蓮は昔の話を終わらせた。

「すごいだろ?霞、パパにだって輝いてた時期もあったんだぞ」

「あの頃に戻りたいね」

「あー、そうだな」

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