3話③ エメラルドアイズ

文化祭の発表はどんどん流れていき、一年五組の発表まであとひとクラスになった。

私は放心状態だった。

一年五組の発表になったが始まらない。当たり前だ。ないのだから。

ざわざわざわざわ。視界が歪み黒い物質が揺れているようだった。

始まって五分たった。

前の方にいた女子たちの黄色い悲鳴が聞こえた。幻聴にでもなったのだろうか。

壇上を見ると一人の男の子が立っていた。


「今から五組の発表を始めまーす。」


イケメンだった。そこら辺のイケメンとか、アイドルとか、俳優とかそれさえも凌駕するような顔立ちの良さを感じさせた。

そんなクラスメイトは知らない。


「まずは宝石のような空間にしましょう!」


彼はそういうと手に持っている薬品を混ぜた途端、天井に綺麗な宝石のような光を放つ物で満たした。


「どんどんいきますよ。」


彼のショーは続いた。驚くような仕掛けなどを次々と出していった。

先輩すらも巻き込んでいった。


「二年生の阿川叶さん。前に来てください。」

阿川叶。学校のトップクラスの美女。容姿端麗、文武両道。この言葉は彼女のためにあるような物だった。

彼女は言われるがままに壇上に姿を現した。


「みなさんは美人の碧眼を見てみたくないですか?」彼はそう呼びかけた。歓声があがった。

美人の碧眼は様になる本当に様になっていた。男子の数名が限界化していた。

そのままからのショーは終わりを告げた。

一位は五組だった。

多分この時だ。恋に落ちてしまったのは。

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