第4話 一緒に登校

 そして、現在に戻る。

 その日以来、俺は天谷さんと一緒に登校するようになっていた。

 

「おはよう」

「おはようございます」

「行くか」

「はい」


 まずは天谷さんの学校に向かう。

 天谷さんのマンションから『私立式部学園』までは徒歩で15分程度。

 15分というこの時間は俺にとって癒しの時間だった。

 隣を歩く天谷さんは美しく可愛い。

 気を緩めたら、ずっと眺めてしまうくらいに。

 

「それにしても、『式部学園』の制服は可愛いな」

「そうですか?」

「うん。俺の学校の制服はシンプルなやつだからさ、それと比べると『式部学園』の制服は凝ってるよな」


 スカートはチェッカー柄。

 制服には、左胸のところに『私立式部学園』の校章が入っていた。

 天谷さんがそれを身に纏うと余計に可愛く見えた。


「ありがとうございます?」

「そういえば、あれからどうだ?」

「唯川さんが一緒に登下校してくれてるおかげか、今のところはなにも・・・・・・」

「そっか」


 俺の脅しは効いるようだった。

 天谷さんと一緒に登下校する時は、一応周りを警戒してるが、特に怪しそうな男は、今のところ見かけてない。

 もう、彼氏のフリする必要はないんじゃないかと思う時もあるけど、天谷さんが何も言わないので、とりあえず続けることにしている。

 それに『癒しの天使』を間近で見れて、俺的にも嬉しいから、天谷さんが、もう大丈夫、と言うまでは続けるかな。


「今日はバイトか?」

「はい」

「了解。じゃあ、いつも通りでいいか?」

「はい。大丈夫です。今日もよろしくお願いします」


 そう言って、天谷さんは丁寧に頭を下げた。

 綺麗なお辞儀だな。

 本当に仕草がいちいち綺麗なんだよな・・・・・・。

 天谷さんって、絶対にいいとこのお嬢様だよな。

 そんな、天谷さんが通っている学校の前に到着した。


「じゃあ、また後でな」

「はい。また後で」


 天谷さんは俺に手を振ると、くるっと体の向きを変えて、校舎に向かって歩き始めた。


「さて、俺も行くか」


 天谷さんを見送ると、俺は自分の学校に向かおうとした。

 だが、俺の前に1人の『私立式部学園』の制服を着た女子生徒が立ちはだかった。

 

「あなたが、唯川って人?」


☆☆☆

本日より本格更新になります!

ペースは今のとこ決めてませんが

更新を楽しみに待っていてくださると嬉しいです☺️

よろしくお願します!!

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