第3話

前書き


基本的に2エピソードづつに分けて投稿しているので1話が短いです。


****************



あの方が久しぶりに登校されました。




少しは反省されていると思っていましたのに、今回はあろう事か、わたくしに対して、

『貴女、いつもと、一緒にいるけどあの女の取り巻き?』

『こんな子、モブに居たかしら?』

と、不敬にも話しかけたのだそうですわ!




あまりの事にエミール様が呆然としているところへ更に、

『あっ!わかったわ♪

貴女、あの女に脅されて仕方なく悪事に加担しているのね!

大丈夫よ!私があの女から守ってあげるわ!』

などと、また訳のわからない事を一方的に喋っていたのだとか。




そこへ、エリー様の通報でエミール様の護衛騎士が駆けつけ、あの方を排除したそうです。




その後エミール様は、

「凄いね。彼女、【研究対象】としては、興味あるけど今までの言動からすると、【危険思想の持ち主】として【監視対象】にした方がいいかもしれませんね。」

と、言われていました。




流石は、エミール様ですわ!




それから暫くして、魔術科・騎士科・淑女科の合同授業がありました。

三年は【自由参加】だった為、どうやらあの方のは、居られなかったみたいで、

『嘘!何でナルキスもジェストもクリスもいないわけ?

騎士科だからいると思って来たのに!』

『はぁ?【三年は自由参加】?

そんなのシナリオになかったわよ!』

と、また訳のわからない事を喚き立てた挙句、お怪我をされた方々の治療を拒否されたそうです。




『そんな気持ち悪いもの見せないで!』

『何で攻略対象以外の治療しないと、いけないのよ!』

『私は、【聖女】なのよ!

何でのあんた達何かの治療しなきゃいけないの?』




えっ!?そんな事言われたの?

怪我や病気をされた方々の治療を、分け隔てなくされるのが、【聖女】のお仕事ではありませんの?




とても【聖女】の言動とは思えません……




結局、エリー様の新開発した【聖炎】という広範囲治療魔法と、淑女科の方々の通常治療で対応したそうですの。




この話は一気に学園中に広まり、誰もあの方を相手にしなくなりました。




当然ですわよね!

【聖女】を名乗っているのに、治療する事を拒否されるなんて……


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