3週目 理不尽極まりない

第22話 執務室再び

「だぁあああああ、なんでだよ!!!」


 ガターン!


 勢いよく立ち上がり、椅子を後ろに倒していた。


 手に持っていた決裁書はバラバラに床に飛び散った。


「ハルト様! いかがされましたか!」


 そう声をかけるのはセバスだった。


「…………ああ、セバス? すまん、疲れているようだ。今日は休暇にしてよいか?」


「え? ハルト様、…………わかりました。その御様子だと決裁は進みませんので致し方が無いでしょう」


 ここは領主の館の執務室。


 俺は椅子に座って領主の仕事をしてる途中だ。


(…………よかった、また無事に戻ってこれたようだ)


 頭によぎった一言。


【ハルト・フォン・エッグラース! お前を国家反逆罪で処刑する!】


 そう言われ、首を切り落とされた事は鮮明に記憶として残っていた。


(反逆罪ってなんだよ。俺が一体何をした!?)



 ハルトは言い分も聞かれないうちに殺された。


 まるで、最初からハルトを殺すのが決まっていたような手際よさだった。


 とりあえず今は落ち着きたい気分だ。


「ふう。セバス、すまんが後は任せた」


「承知しました。あまり思い詰めない様、お願いします」


 ――気分を落ち着けるためにハルトは執務室を出た。

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