第12話兄のエロ本をチェックする妹

 俺はみんなと別れて、家に戻り、家に戻ったらお母さんが食事をしていた。

「お帰りなさい」

「ただいま」

 手を洗い、うがいをする。

 テレビは母さんが好きなコメディ映画を再生している。


「美亜は帰った?」

「ええ」

「じゃあ、ちょっと挨拶するか」


 一応、ノックしてみる。

「美亜、いいか?」

「どうぞ、どうぞ」

 俺は部屋に入る。

 美亜は俺の秘蔵のAVビデオを漁って(あさって)いた。

「お前何してんの?」

 俺は白い目で美亜を見る。

「いや、兄の性癖(せいへき)をちゃんとチェックするのは妹としての義務かな?と思って」

「そんな義務聞いたことがない」

 そして、俺は一本の缶を美亜に渡した。

「ほれ、さっきコンビニで見かけたから買ってきた。コーラの200ml。飲むか?」

 それに美亜は破顔した。

「うん!ありがとう!」

 すかさず、しゅぱっと俺が持っていたコーラをさらって飲みはじめた。


 俺はdvdを片付けて、押し入れに入れてあった白い箱に入れた。

 それに美亜がニヤニヤと笑って話しかけてくる。


「お兄ちゃん、巨乳お姉ちゃんが好きなんだね?」

「妹を持つと年下には興味がなくなるんだ」

「なーんだ。ざーんねん。お兄ちゃんがロリコンだったらからかえたのに」


 俺はやれやれと思いつつ頭をふった。

「お前、もし彼氏ができたらどうすんだ。こんなことしていたら間違いなく男は引くぞ?」


「大丈夫!こういうことをするのはお兄ちゃんだけだから!」

「たち悪いな、お前」

 また、改めて俺は美亜を白い目で見た。美亜はそんなことを気にせずにコーラをゴクゴク飲んでいる。


「ウイー、ご馳走様(ごちそうさま)」

「はい。お粗末様(おそまつさま)でした」

 俺はコーラを受け取る。美亜がニコニコの笑顔で言ってくる。


「ありがとうね。お兄ちゃん」

「うん」

 それからすぐにお母さんが夕食の用意ができたとのことで俺たちはリビングに向かった。


 そして、ご飯はご飯と味噌汁、秋ナスの炒め物に、サンマだった。

「うー、美味しそう!」

「そうだな」


 それで俺はいただきますをして食べようとしたときに、テレビが8時になり、特別番組をしていた。


 大岩という横綱が誕生して、それは久しぶりの日本人横綱だったので、これから2時間にわたって彼の取り組みを放送するというものだった。


「あ!こんなものを見ている場合じゃない。今日はサッカーのワールドカップ予選の日だ!」

 そう言って、テレビを変えようとした美亜に俺はその手を止めた。


「ちょっと!何するのよ!お兄ちゃん!」


「いや、俺は彼の相撲を見たいんだ」

「はあ!大相撲なんか見るの!?」


「ああ、相撲、俺好きだけど」

 美亜は信じられなさそうに頭を振った。


「信じられない。サッカーを見ないなんて、それでもお兄ちゃんは日本人なの!?」


「それを相撲が好きな人に言うセリフか?一応相撲は国技だけど?」

 それに美亜はきっと俺を睨めつけた。


「いや、そんなの建前でしょ?た・て・ま・え!普通の日本人は相撲なんか見ないよ!」

「でも」

 俺はちょっと自分に素直になることにした。


「いつも、美亜がテレビを見ているんだから、ちょっとぐらい、俺に見せてもいいんじゃないのか?」

 それに、美亜は明らかに不機嫌な表情になった。


「美亜」

「・・・・・・・・・・・・・」


「美亜」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


 俺は嘆息(たんそく)して、美亜にリモコンを差し出した。

 美亜はびっくりした表情になる。


「お兄ちゃん?」

「今回も俺の負けだ。ちょっとぐらいなら自分の見たいものを見れれるかもと思ったんだけどな。いいよ、変えても」

 まじまじと美亜は俺を見つめた。


「じゃあ、遠慮なく」

 ピッ。

 そして、テレビが変わって、サッカーになった。

 俺は食事をする。

 うん、このサンマ美味しいな。


「お兄ちゃん」

 独り言のように美亜が言う。


「ありがとう」


 それに俺は微笑んだ。


「どういたしまして」


 それにお父さんとお母さんが笑い出した。お父さんとお母さん、と言うより、お父さんは僕らが喧嘩(けんか)したときに納得がいくまで俺たちに喧嘩をさせる。

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