じぐざぐ

僕の進む道の途中

蜂が飛んでいる

細長く、御籤おみくじのような蜂が

花咲く脇道をふらふらと飛んでいる


僕はただ歩けばいい

動じず歩けばいい

反応さえしなければ

蜂はなんにもしてこないのだから


蜂が僕の隣を

音も立てずにすりぬけた

くねくねと蛇行して

何度も道と交わった


僕はプログラムのとおりに

ただまっすぐ歩けばいい

早歩きも抵抗もせず

言われたとおりにすればいい


蜂は再び僕の前に現れた

僕はなにひとつ変わらなかった

そして愚かな蜂は

僕をぷつりと突き刺した

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る