第46話 悪魔の助け

 「はあ、はあ、はあ」とレイは息を切らした。

「やはりお前を待っている未来は死だけのようだな」

「死が待ってたって、お前から逃げるよりましだ」レイは腕が痛いのを我慢しながら立ち上がった。

「その勇気、いつまでもつかな」ティルジン王は大きな光の玉を作り、レイに向かって投げた。レイは走ってよけようと思ったが、思うように足が動かず上手く逃げられそうになかった。もう終わりだと思いそうになった時、

「たかが夢の王が私の主人に手を出すとは、気違いか何かでしょうか」と言いながら、テイラはティルジン王の魔法を掴んで食べた。

「・・・お前は誰だ?」とティルジン王はテイラを見て少し引いたように言った。

「名乗りたくないぐらいにあなたが嫌いなので声かけないでください」とテイラはニッコリ笑いながら言った。まるで黒いバラがテイラの周りを飾るように。

「消えてもらえます?目障りな・・・」テイラはティルジン王よりも奥にいるカドラが目に入ってしまった。

「カドラ・・・様?」テイラはポカンとしていた。

「ん?テイラか」カドラは振り返った。

「何故ここに?」

「私の勝手だ」

「カドラ!この女はお前の知り合いなら私の味方に加えろ!」とティルジン王は割って入った。

「・・・それはできないな」

「なぜだ?」

「ハハハッ・・・」カドラは高笑いした。

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