第45話 王の謎

 カドラはカルデに向けて真っ黒の羽根を降らせた。

カルデとレブンの頭や腕、足に羽根が当たると、当たったところから痺れていき、体が動かなくなった。

「ガクン」とカルデは膝から地面に落ちた。レブンは元から体が弱かったせいで

「バタン」と倒れ、気絶してしまった。

「もう倒れるか。つまらんな」カドラは上から目線で思い切りカルデとレブンを睨んだ。カドラが宙に円を描くと、青色と黒色が混じった羽根が宙を舞った。すると一瞬で時間が止まった。そして、カドラの後ろにいたはずの軍隊は幻だったようで、一瞬で姿が消えた。辺りは灰色に染まり、動けるのはカルデとカドラだけになった。

「うーん。カルデ、お前はどう思う?この王を」カドラはティルジン王の額に

「ピンッ」とデコピンをした。

「は、は?意味わから、ないこと、を言わない、でください・・・」

「私の答えは一つ、’’変人’’だ。何故ここまで予言に怯えるのか私にはわからない」

「そうで、すね。他にも、怯えてる何、かでも、あるんじゃ、ないですか?」

「さすが精霊、ある程度頭は回るな」とカドラは笑った。

「あなた、何か知って、るんですね」カルデの体の痺れは少し取れ、起き上がろうとした。

「私はキィダ・レヴ・ケイゼンにもう一つ言われたことがある。 君の小さな優しさで世界が救われることもあるんじゃないかな とな」

「その言葉、に何か意味でも、あるんですか?」

「いや、その時の私にとってあの言葉は気に障るものでな、今では何であんなにも気に障っていたのかわからないがな」

「何がしたいん、ですかあなたは」

「私が言いたいのは、何故キィダ・レヴ・ケイゼンは死ぬ直前に私にあんなことを言ったか、だ」

「?!どうして死ぬ直前に、あなたがい、たんですか?」

「・・・私はこれでもキィダ・レヴ・ケイゼンの、親友なのだがなあ」カドラはポツリと呟いた。

「う・・・そ・・・」カルデは口をあんぐりと開けた。

「・・・あなたが世界を救うの、かもしれませんね。キィダ・レヴ・ケイゼンは未来余地が得意だったんですよね?」

「まあな。信用したくなくっても’’レヴ’’の言った通りにしかなっていないからな」

「・・・」

「さて、私には予定があってな、お前に長々と付き合っている暇はないんだ。悪いが少々眠っていてもらう」カドラは、

「フゥ」と手のひらに息をふくと、真っ黒の粉が宙を舞い、カルデを包んだ。するとカルデの視界がぼやけ、そのまま気を失った。

「パチンッ」とカドラは指を鳴らし、時間を動かした。

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