第41話 レブンの過去

 「私はレブンに使えている悪魔で、サイ・ロダンと申します。おそらくレイさんはここにレブンがいることに驚いているんでしょうね」サイはレブンのことを話し始めた。

「レブンは現実の者にも限らず、子供の頃から魔法を使っていました。なので私はレブンが小さいころから共にいました。レブンが犬が欲しいと思えばどこからか犬が走ってきてなついていました。ですが、レブン以外の者は魔法が使えるわけもなく、周りからは怪物だとか化け物だなどと白い目で見られていました。ある日、レブンの父が 夢 の話をしました。キィダ・レヴ・ケイゼンのことも、予言のことも。レブンは夢の世界に興味を持ち始めてました。行きたいと思うと、足元に大きな穴ができ、光に身を包まれながらレブンは夢へと行ったんです。夢は父が言った通りの世界でした。それからレブンは夢に遊びに行くようになりました。レブンはいつものように夢に行くと、レアサと出会いました。レブンはレアサと仲良くなり、一緒に遊ぶようになりました。そしてある日からレブンはレアサに思いを寄せるようになっていました。レアサの紹介でレブンは、光の精霊に魔法を教わるようになりました。レブンとレアサは結婚し、幸せが続くと思われていましたが、ある日当時の王は突然死んでしまい、ティルジン王が王の座につきました。するとティルジン王はレブンのことを耳に入れ、予言のことを思い出したのか、レブンを捕まえたのです。そしてレブンの家族は全員殺せと命じたのです。そこでレブンはレアサを現実へと逃がしました。レブンはティルジン王に牢獄に閉じ込められ、ある日呪いによって記憶を消されました。記憶をすべて失ったレブンは心を取り戻すことができず、ただ頭を抱えているだけでした。そしてついには生きる気力すら失ってしまいました。そこで私はレブンに少しでも心が戻ればと思い、レブンを乗っ取りました。そしてキィダ・スペアと名乗りました。レブンは死んだということにして、ティルジン王の傍で記憶の戻し方を調べました。ですがヒント一つ見つからず、諦めてレブンから離れようと思いましたが、ティルジン王の呪いが思っていた以上に強く、呪いが壁となって私は出られなくなりました」

「主人のことですが、主人は思いの魔法との強いつながりがあるようですよ。魔力はありませんが。ククッ つながりによって何かしらの影響はあるようですね」テイラは相変わらず、馬鹿にしたような笑みを浮かべた。すると、

「レイ・・・」とレブンが霞んだ目をしたままポツリと呟いた。

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