第18話 伝説の魔導士

 歌が歌い終わり、ザカディーが

「今日は俺の好きな話をしていい日だ!」と言ってザカディーは本を取り出し、話始めた。

「ある昔の話。現実の世界では戦争が起きていた時のこと。戦争により、現実の世界は荒れ果て、動物も植物も絶滅寸前の状態に陥っていた。現実の世界がなくなると夢の世界は存在する意味をなくし、自然消滅する危険性があった。そこに、夢の世界の者が立ち上がった。その者は各地の精霊からあらゆる魔法を教わり、その者の右に出る魔導士はいないと言われるほど強かった。その者は現実の世界と通じる”穴”を作り、そこから現実の世界へと舞い降りた。その者は現実の世界につくと、まず戦争を止めた。戦争をもうやらないように戦争を忘れさせ、ただ幸せな家庭、国を作ることだけを覚えさせた。そして絶滅寸前の動物、植物に命を与え、自然豊かな環境を作り出した。その者が夢の世界に戻ろうとすると、現実の世界と夢の世界の間にズレがあるのに気が付いた。そこでその者は現実の世界と夢の世界のズレを治すため、何億本もの木を植えた。木は一気に成長し、根を大量に張り巡らせた。そして現実の世界と夢の世界を繋いだ木々は、後に境目となった。現実の世界を救ったその者は英雄として夢の世界の王となった。だが、その者が99歳を迎えたころ、グリディ・スピリーと名乗る者がその者を暗殺した。そして代々スピリー家が夢の国を治めるようになった。それからとゆうもの、夢の世界はスピリーの思うがままに荒れ果てていった。そんな中その者の子孫はその者の言い伝えに従い、夢の世界を陰で支え続け、夢の世界の人々にその者は称えられた。その者の名はキィダ・レヴ・ケイゼン。」とザカディーは本を閉じた。

「スピリーはこの話を スピリー家を嫌っているやつの作り話だ! って言い張ってるけど、夢の世界の人は皆知ってる。この話は本当にあった昔の話だって」とジィサが言った。

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