第10話旧王国・II

この時、僕は思い出した五年前の話。


当時、僕はまだ名前もない孤児だった

そんな時に拾ってくれたのが…元団長のレックである。

当時はギルド創設したばかりで、人は数名ほどしかいない。

資金もなく、盗っ人を繰り返していた

当然…ギルドとしては非公式だ。


許可なく活動は違反で、バレないようにひっそりと活動していた。

僕はまだ赤子で、名がないとして…付けられたのはルイスだ。

元々はレックの息子につけていた名前だった、何故僕にその名をつけたのか疑問を感じたのが五歳の頃だ。


この頃から、仮から正式ギルドとなり活発に活動していた。

新芽が芽吹く時期ではなく、まだ身が引き締まる寒さの時期…俺の名前の由来について訊ねた所、正常なレックは俺に重そうな口で言った。


「ルイス…。真実を語りるとしたら、私の息子は死んだんだ」っと、こっから色々と話し出した。


「ルイスを拾う一年前だ、私には妻と息子が居た。幸せな時間と、楽しい時間は流れた。街見回りから帰ると…家に帰ると血塗れの妻と息子が居た。私は失望と悲しみにあけくれて、バーに酒を浴びるほど飲んだ…死にたかった。そんな時にお前がいたんだ、私の息子と似ていて…」


言葉を詰まらせた、目から涙がこぼれ落ちた。

そう、レックもまた…復讐の為にギルドを暗殺に切りかえた。

僕はそれを反発したがダメだった。

ギルドから職業が選べるたのは五歳の春頃、選んだのは最弱の職業使い魔…そうティマーだ。

だが、戦力外で使えない職業に無能だからとギルドを切られた。

町をフラフラしていた所に、聖騎士団の団長に拾われたのだ。



空高く僕は飛んでいる僕は元団長《レック》を見返したいんだと強く願った。


右手の龍の刻印が光出した、ゆっくりと太陽に右手を翳した僕はティマーに書いてあった文を思い返しながら小さくつぶやく。



「天より…高く…彷徨う蒼天…。陽射しを照らし…大地を焼き払い…。希望の…道筋を…示せ…バハムート…!」


右手の刻印が強く光を放ち、空高く一筋の光を射抜く。

周りの空の色は暗くなり渦巻く、僕は強い陽射しを見ると…羽ばたく一匹の黒い龍がこちらに向かって降下してくる。


轟音を馳せながら黒い翼をバサッと開きバハムートは僕を受け止める。



「…な?! な、なんだあれ…?? ま、まさか―――!!」



バサバサと羽を鳴らして地上に着地する、ゆっくりと僕を地上に置くとレックの方を向いた。


「ふ、ふざけるな…! で、伝説のをティマーしてたと言うのか…!? 最弱のお前が…俺よりも強い龍だと!!? 」



僕は瓦礫を走る、メアリーを探さなければならないのだ。

サッキュッパスは、致命的ダメを受けると二時間以内に生物の何かを舐めないと蘇らないという変態要素があるがそうも言ってられないのだ。



「ググッ…! どいつもこいつも俺の邪魔をするじゃなぁぁぁぁいぃぃぃぃぃぃぃ――――!!」



レックはバハムートに拳を振りまくるが、全く効いてないようだ。



「このくそ龍がァァァァ!! 俺よりも強いなんて認めない!!」


最高魔法のメデオを放つレック、だがバハムートには全く通じてない。

一歩ずつ歩み寄り、バハムートはレックを見下ろす。



「ひ、ひぃぃぃぃ―――!!? お、俺を食べても美味しくないぞ!! あ、そうだ…俺の財産をあげるから許してくれないか…?」


バハムートの顔は「何言ってんだこいつ」って感じを滲ませていた。

レックは小便を染みらせていたが、バハムートは口でレックの服を掴みあげて空高く飛ばした。


「ぎやぁぁぁぁぁぁ!! お母さん―――!!」


バハムートはレックに口から火を吐き散らして終結する。

ルイスはメアリーを探した、瓦礫でなにかもぞもぞしてるなと思って目線を落とすと…。


「んんっ」

「ん―――!!」


百合が咲き乱れていた、どうやら僕は不要でしたのでバハムートの所へと戻る事にした。



何が起きていたかはご想像におまかせします。



バハムートの足元まで近づく次第に凄くでかい体を見上げた。



「凄いな…これがバハムートか」

「ふん、俺様をテイマーするととはな。異界から妙な肉があると思えば…緑豊かな世界とはな」

「肉?」

「あの言葉は、肉があるから来いよオラ! って言うバハムート的には罵倒文なんだが」

「ティマー書にはそんな訳なかったよ」

「まぁいい…力を貸してやる。人型になるか」


バハムートから淡い光が放ち、しばらくすると目の前に黒い騎士の姿が止まる。



「やっぱ人型は慣れんな」

「しかし、この刻印やっぱり異界と繋がる感じなのか…?」

「ふむ、その刻印は魔族しか使えない召喚印だな」

「召喚印?」

「あぁ、お前の力はティマーだから噛み合うんだろう。呼び出してテイマーする…悪魔的だな」

「…すごいのかよく分からないんだけど、これで最弱のイメージ取れるかな?」

「行けるだろ、まぁあの小便野郎はまだ生きてるだろうけどな」

「え―」

「一瞬だけ魔族の力を感じた、一筋縄では行かないな」

「レック…僕は君を超えてみせる」



ルイスはそう強く誓うのであった。

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【最弱職業の使い魔士】俺はギルドパーティーから追放されて五年経過したが封じていた右手の力を解き放ちサッキュッパス生産系ティマー士となったので元ギルメンを健全な方法で復讐します 速水すい @zerosekai

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