第1話『ベーネちゃんの修行』
(1)上級ダンジョンに突撃
私達が魔法陣に乗って転移された先には目の前にドンッと大きな神殿が現れた。
全体的に白で統一された神殿だ、北欧神話とかに出て来そう感じである。
その神殿には無数の氷によって形成された花が神殿の至る所に咲いている。あれが『氷花の神殿』と言うダンジョンの名前の由来なんだろう。
何はともあれダンジョンに突撃する。
「ベーネさん、ここから先はモンスターが何処に隠れているか分かりません。先にゴーレムを召喚しておいて下さい」
「はっはい!」
まあ私の魔法なら的の索敵くらい訳ないのだけど、これはベーネちゃんの修行である。
ならチートな中年が色々と手伝い過ぎるのでは意味がない、先ずはベーネちゃん自身の試行錯誤を促すのだ。
私はベーネちゃんの後ろに下がり一言声をかける。
「ベーネさん、ここからは貴女1人で行動する事を前提に動いてみてください」
「はいっええっとまずは………」
ダンジョンに入る前にベーネちゃんが色々と準備をし始めた。
カバンの中に入っているアイテムの確認からダンジョンの地図を再確認、それにもちろんゴーレム魔法での戦力確保だ。
「ここは雪より氷を材料にしたアイスゴーレムを召喚しまようと思います」
「魔力で強化されれば氷のゴーレムも固く強靭な存在になりますからね」
「はいっそれでは………はぁっ!」
ベーネちゃんがゴーレム魔法を発動した、地面に魔法陣が現れる。
するとベーネちゃんがポケットから取り出した魔力結晶を魔法陣の中に放る、すると回りの氷が魔力結晶に集まっていき徐々にゴーレムを形成していく。
「…………!」
現れたのは氷の大蛇だっアナコンダくらいはあるヘビである。
「下手に人型でゴーレムをつくると『氷花の神殿』では動き難くなる場面があるかと思って……ヘビの姿ならどうかと思い召喚しました」
成る程、確かにヘビなら通路とかでも私達の動きを阻害せずに素早く動ける。なによりあの巨体で縛り上げられたら人間どころかモンスターでもヤバいだろう。
「悪くない選択だと思います、それでは………」
「はいっダンジョンに侵入します」
中年とメガネメイドのパーティーはダンジョンに向かって進み出した。
『氷花の神殿』に入ってしばらくはモンスターも現れずスタスタと歩く。
「あの氷の花はダンジョンの中にも無数に咲いているんですね」
「はいっこの綺麗な景色がダンジョンの名前の由来ですから」
白い大理石の様な床と壁と天井は横幅5メートル、高さは10メートルくらいあり、所々に氷の花が咲いている。
まあモンスターはいつ出てくるか分からないので私は回りをきょろきょろと確認しながら進む。
………ん?どうやら敵さんを発見したようだ。
「この通路を抜けた先にモンスターが………」
「…………」
あっついやってしまった、このダンジョンでは先ずはベーネちゃんの頑張りを応援はするが、お助けは自重しようと決めたばっかなのに………。
「………とっとりあえず、確認してきて」
ベーネちゃんのゴーレム、白蛇くんが通路の先に向かう。壁際に張り付き向こう側をチラリズム。
「………いました、ホワイトダイナが1体ですね」
「分かりました」
どうやらベーネちゃんは視界をあの白蛇くんと共有してるらしい。
私も魔法で通路の向こうを確認する。
アレがホワイトダイナか。全長三メートル位の小型の恐竜、外見はティラノサウルスみたいなモンスターだ。
まあ三メートルでも普通に怖いけどな、あの牙が並ぶ口でバクッとやられたらシャレにならんわ。
そんなモンスターにベーネちゃんと白蛇くんは堂々と立ち向かう。
白蛇くんはホワイトダイナとやらの脚からスリスリ~と上る感じで身体に巻き付く、ホワイトダイナもあの大きさのヘビに巻き付かれたら嫌なのかめっちゃ暴れた。
結構な叫び声を発しながら地団駄を踏んでいる。
白蛇くんは既にヤツの身体にまきまきと巻き付いているのでノーダメージである。
今度はベーネちゃんが動いた!。
「いきます!ファイアーボール!」
寒いダンジョンのモンスターなら火の魔法、当然ですな。ベーネちゃんの魔法が発動、火の玉がホワイトダイナに発射された。
しかし悲しいかな、その火の玉はマジで玉。
硬式の野球ボールサイズの火の玉がホワイトダイナにヒット、しかし一瞬でジュッとなってきえた。
ホワイトダイナも一瞬だけ熱っ!ってなったけど直ぐに火の玉が消えたからほとんどノーダメージである。
「……………アレ、倒せてないんですけど?」
「……………」
ベーネちゃん、流石に炎の魔法1発で勝利出来る相手じゃないよ。せめて上級魔法レベルのをかまさないと…。
しかしベーネちゃんにやられた事はしっかり認識してる、ベーネちゃんを睨んでぶっ殺してやる!って殺気全開で突撃してきた。
アオノオデッセイ(2)学園都市編~生徒になって青春を取り戻すか、先生になって美少女だけのハーレムクラスを作るか、それが問題だ~ どらいあい @driai
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。アオノオデッセイ(2)学園都市編~生徒になって青春を取り戻すか、先生になって美少女だけのハーレムクラスを作るか、それが問題だ~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます