(6)魔法の天体ショー
まぁ仕方ない、気を取り直して私は魔法を使った。
───
私が夜空を見上げているので他の皆も夜空を見上げる。
「………何かあるんですかアオノさん?」
「夜空?夜空に何か?」
イオちゃんとベーネちゃんが目を凝らして空を見ている。
「たくっ何もないじゃないのよ……」
「…………待って、何か」
おっおの銀髪ボブちゃんが気付いたかな?。
そして空に一条の光の筋が奔る。
更にその数はもう1本、もう1本と増えていった。
「………ほうっこの魔法は」
「まっ魔法?これが魔法なのか!?」
精霊幼女とシアちゃんも驚いているよ、そうっ今回私が使った魔法、それは……。
星を降らせる魔法である。
ホラっゲームによくあるじゃん?メテオとかコメットとかそんなの、要はアレである。
今回私はそれを何発も、いや………。
お茶会に集まった皆が見上げる夜空、その空にはいつの間にか無数の流星群が現れる。
正確には数千回発動のと同じ規模の魔法を発動したのである、この夜空に描く魔法の天体ショーだけの為に。
「うっそ………でしょ?」
「…………凄い」
「は~~~~もう笑うしかないね、モグモグッ」
エルフ3人娘が驚いて……青ウェーブは普通に食べ物食べてるな、あまり驚いてないな。
「………こっこんな事が起こりえるんですか!?」
「それがご主人様ですよ、ベーネ」
「その通りです」
「ベーネさん、アオノさんと旅をするとこんな体験にも耐性がつくんですよ?」
ベーネちゃんがなんかとんでもない物を見る目で私を見てくる、イオちゃんのセリフのせいですな。
「けどっ……これはとても綺麗な光景ですね、アオノさん」
イオちゃんの言葉にその場の全員が肯定するように態度で示す、そう言ってもらえると嬉しい私だ。
「はいっせっかく綺麗な空を見れる様にしたので、こう言う真似も時には良いかと思いまして…」
ぶっちゃけこれをした理由とか特にない、ベーネちゃんに喜んで欲しかっただけである。
そしてこう言う星を召喚する魔法とかって1度は使って見たかったんだよな、ゲームの真似とかしてみたいじゃない。
ここ何日か綺麗な夜空を眺めていたら急に閃いたのがこの天体ショー魔法である、無論地上に落ちる前に火球となった隕石は消えるので問題はない。
ってか地上落ちたら大惨事だからな、そのあたりはチート魔法のチートな部分、余計な破壊はしないに回り迷惑はかけないって仕様なのである。
殆どが成層圏で燃え尽きる、万が一その空域に生きてる生物とかいたら地獄だろうけど、そんなのは流石にいるわけないしな。
「…………………………………………っあ」
「ん?精霊、どうかしたのか?」
「いっ……いや、何でも………ないぞ?」
おや?シアちゃんが珍しく精霊幼女に話し掛けている。微笑ましい光景ですな。
精霊幼女の顔色がなんか優れない気はするけど。
「あっあのアオノさん?」
「はいっどうかしましたか?ベーネさん」
「どっどうしてこれだけの魔法を私なんか呼んだお茶会で……」
「理由なんて大したもんじゃありませんよ?ただベーネさんが少し気疲れをしている様に思ったので少し頑張ってみただけです」
「気疲れ、ですか?そんな……私なんて……」
「ベーネさん、そのなんかやなんてと言う言葉はよろしくありません」
「……………え?」
「言霊には力があります、だから自身を卑下する言葉を口にしてばかりいると自ずとそう言う考えで頭が凝り固まってしまうんです」
自身を卑下する事にかけては右に出る者がいない中年の経験談ですな、しかし美女と美少女との異世界ライフは諦めない鋼の精神を持つのが私だ。
ダメ人間なりの強い生き方ってヤツも多少は知ってるんだよ。
「ベーネさんは何故かとても自信が持てないご様子……それの理由を言えとは言いません。しかし私や私の仲間は誰も貴女に自身を卑下して欲しくはありません」
「!?」
「ご主人様、ソイツはメイドとしてまだまだ半人前の──」
「ユーリ?本当に黙ってなさい」
ナイスだリエリ、ユーリはたまにやらかすから困るんだよ。
「それだけは知っていて欲しいかと思って今回お呼びしてしまいました、突然の事で迷惑をかけたかも知れない。許してくれませんか?ベーネさん」
「……うっ!うう……………ッ!」
ベーネちゃんが肩をふるわせ始めた、イオちゃんがこちらに来て彼女を見る様である。
ならばもう私の出番はここまでだな、後は女子同士の時間だ。
「…………ふん、案外……教師に向いてるじゃないのよ」
赤ツインがこちらを見ていた。
「え?何か私に言いましたか?」
「ハァッ!?なっ何でもないわよ!」
怒られた、理不尽過ぎる赤ツインである。
さてっ夜空の天体ショー魔法もそろそろ終わりだ、後は流石に冷えてくるかもなので魔法部屋に移動してそれぞれゆっくりしょうじゃないかと提案しよう。
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