(7)季節は冬…春はまだ遠いな

◇◇◇学園都市・豪華な屋敷◇◇◇


「ふうっ流石に朝は冷えるな……」

私は魔法部屋の部屋で起きて支度をした。まだ朝早い時間である。


たまには早起きして学園に行こうかと思ったのだ。

「アオノさん!おはようございます!」

「おはようございますベーネさん」


彼女はこの無駄にデカい屋敷のお掃除をしてくれるバイトメイドでもある。


まぁ大半はユーリがするようになったのでどちらかと言うとメイドの仕事を勉強しに来てる感じだ、早速ベーネちゃんは屋敷のお掃除に取り掛かる。


当然お金を貰う仕事なので下手に手伝ったりはしない、ベーネちゃんからもそう言うのは結構であると確認してるからな。


私の魔法なら全て一瞬で終わる、それをベーネちゃんま何となく理解していての言葉だ、ならそれには従うわたしだ。


時間にしては小一時間くらいである、お掃除が終わるとその後は軽い朝ご飯を食べてから学園に向かった。我がパーティーは朝ご飯も昼ご飯も1人だったり何人かで食べるのは自由である。


代わりに夜くらいは皆一緒に食べるってスタイルなのだ。


勿論強制にはならない様に気を付ける、ご飯とかって気心知れた相手とじゃないと一緒に食べたくはないからね。


……どうか中年との朝ご飯がベーネちゃんのストレスになっていない事を祈るわ。


「ご主人様、朝ご飯の用意は終わっています」

「ありがとうユーリ」

「おはようございますユーリさん!」


一切睡眠を必要としないゴーレムは常に最高の仕事をしてくれる。チートメイドである。


ユーリが用意してくれた美味しい朝ご飯を食べ終わると私達は魔法部屋を後にした。



そして学園に向かう道を私とベーネちゃんは歩く、別に空を飛んでも良いんだけども朝の散歩代わり的な?少し運動を日常に取り入れようかと悩む三十路野郎である。


吐く息が白い、もう冬ですな、そう言えばこの世界の年末年始とかってどうなっているんだろうか?。

聞いてみるか。


「ベーネさん、この世界……えっと学園都市には年の終わりと始まりと言う物はあるんですか?」


「勿論ありますよ?ただ学園都市は研究者みたいな人も多くていつも研究室から出て来ないタイプの魔法使いとかが学園に引きこもってます」


学校に引きこもる?私が本当に学生だった頃は考えもしなかった行動である。凄いな。


「だから学園は常に解放されていますね、まあ生徒の大半は冬休みを満喫しますね、実家に帰える為に学園都市の外に行く生徒も珍しくありません」

「飛行艇がその時期も出るんですね」


「はいっ但しその次に学園都市に戻って来るのは次の春くらいですね、この学園都市では冬休みが1番長いんですよ」


マジでか、冬休みが1番長いの?羨ましいんですけど、私も常々寒いに日に学校とか冗談じゃないよって思ってた人間だからもの凄い羨ましいんですけど!。


「しかしそこはやはり学園都市と言いますか、この長いお休みの期間を利用して様々な場所に行く生徒もいますよ?冬休みの課題ですかね、研究や研鑽の為に学園都市に来てるわけですから時間を無駄にはしないんですよ!」


「……それは素晴らしい事だと思います」

なんか意識高いな学園都市の生徒達は、私は冬休みと言えば普通にダラダラする事しか考えておなかったよ。


チートな魔法でコタツとミカンとテレビを召喚して年末年始の特番を見ながらミカンを食べる事しか考えてなかった。


テレビが果たして映るのか?多分大丈夫だと思う、だって魔法部屋お風呂もシャワーもエアコンも普通に動くからだ。


電力は何処からなのか……それはきっと永遠の謎ですな。


すると突然ベーネちゃんの表情が曇る。

「…………まあっ私は冬休みはバイト三昧なんですけどね、休み明けは色々と入り用ですから」


悲しい、お金がないって本当に悲しくなるよね。

前の世界で社会の底辺にいた中年にはその気持ち、とてもよくわかる。


真面目に、必死に働いて貰った給料……その全てが支払いに消えて無くなる。


…………ってか支払いに足りないって時が多発するのが貧乏の世界だ。

「……………そうですか」


しかし、中年的にはそれはあんまりだと思う。

少なくとも学園で青春を謳歌すると言う希少な時間、バイトもアリだがそれ1色とは頂けないよ。


「ベーネさん、そのバイト三昧はいつ頃からなんですか?」

「バッバイト三昧………はいっ冬休みに入ったら直ぐにそうなりますね…………ハァッ」


ほうほう、ならもう少しは時間に余裕があるな。

それなら金策と1つや2つ、いい大人である中年が考える事が出来るかも知れない。


流石に金を直接渡すってのはアウト、パパ活なんかで捕まるかも知れないからな。


「まあまあベーネさん、今は学園に急ぎましょう。このまま歩いていると……授業に遅れますよ?」

「え!?ほっ本当ですか!?」


本当です、だって私はスマホも魔法で召喚したからな、時間くらい分かるよ。スマホゲー最高。充電も減らない魔法のスマホです。


ベーネちゃんがダッシュ、中年も後を追うように走り出す。


2人とも吐く息が白い。まだまだ季節は冬になったばかり、春はまだ遠いな。

あ~~~さむっ。


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この投稿で十万字は越えました、まあ評価は振るわないのでカクコン関係ない感じですが。


次の話からは視点がコロコロ変わる感じを辞めて、中年の視点メイン、たまには別視点に戻そうかと思います。今回のアオノオデッセイはその辺り失敗しましたね。


それとしばらく書き溜めしたいので投稿を休みます。3月には投稿します。多分週に1回、一日に3話投稿する感じになるかと思います。


多分まだしばらくボスキャラとかナシで学園都市でなんやかんやを予定してます、或いは一気に話をまとめて終わらせるかも、その辺りは微妙なラインです。








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