エピローグ『これから始まる学園生活』
(1)誇っても良いかも
そしてその後はボロボロのエーグルは捕らえられて無事にお縄となった。
私の方はペテン師ってウワサは聞かなくなった、イオちゃん曰くあの戦いは学園都市にいた多くの生徒と教師が目撃してるだろうから、今後つまらない理由で私に何かちょっかいをかけてくる手合いはいないだろうとのこと。
未だに教師になる云々って話が先に進んでるのか分からないが、それなら今後は冷たい目で見られる心配がない分気軽に学生生活を満喫するのも悪くないと思う事にした。
何故かシアちゃんがエルフ3人娘に稽古をつけていたり、精霊幼女は観光ばっかりしてたりといまいちまとまりがない私達だ。
しかしまぁそれでいい様な気もする、学園都市に来て既に何日も経ったが問題行動を起こした者は………中年以外は誰もいないしな。
あの結界を破壊してその後直ぐに直したは流石にやりすぎだとイオちゃんに説教されてしまったのだ、けどいまいち天気が良くなかったのは結界のせいだった訳だし、作り直した方が良かったと中年は考える。
そして学園都市での中年の生活、これについて言える事は特に問題もなく順調である。
リエリとユーリは変わらず魔法部屋と屋敷では美人メイドと美人秘書の姿をして、学園に向かう時はビー玉モードでポケットに入ってる。
授業受ける事については既にイオちゃんとは別行動をしていた。
イオちゃんも教師として本格的に復帰を果たしているのだ、中年も何度か彼女の授業を受けたが中々に美人教師として授業をしていたイオちゃんである。
学園都市での彼女の人気の高さを理解した、男の子からだけじゃない。女子からも人気だったよ、授業を受ける教室は結構広いのに専攻してる生徒でいっぱいだったからね。
もちろん他の先生の授業も受けた、なんか黒髪のエルフが美人だったな。他には男の先生の授業も受けたが………あれはつまらなかったな。
そもそも私はこの世界に来るときに魔法関係の知識はインストールされている。
だから授業を受けてまで学ぶ事って案外多くないのだ、男の先生の場合同じ授業を受けている生徒達の中に美少女がいないかをチラチラと探す事に集中してしまう私だ。
一応単位とか面倒くさいシステムは実技テストをクリアすれば問題ないヤツを専攻してるのでテストだけ出てクリアすればイオちゃんの顔に泥を塗る様な事にはならないと思う。
こんな感じで私は大半は休んで気が向いたら授業を受けると言う夢の学生生活を手に入れた。
朝早くから学園に向かう必要もないので魔法部屋と豪華な屋敷のベッド、どっちかで基本ゴロゴロしてる。
ベーネちゃんが屋敷の掃除に来ると出迎えたり、エルフ3人娘が来るとお菓子を用意したりして美少女が家に来るというシチュエーションを勝手に心の中で楽しむのである。
幸せですな、本当に幸せだよ。
そんな感じで屋敷での生活を楽しんでいた、今日はイオちゃんが屋敷に来たのだ。
「こんにちはアオノさん」
「こんにちはイオさん、今日は屋敷に何か用事でも?」
イオちゃんとは毎日顔を合わせている、何しろ魔法部屋にイオちゃんは普通に出入り出来るからだ。
お風呂とシャワールームは流石に学園都市でもないんだそうである。
そのイオちゃんがワザワザ屋敷にいる時に来た、何かしら理由があると私は考えた。
「ええっエーグルの事件から数日経ちまして、ようやくあの危険な魔道具の腕輪の出所が分かりその工房の破壊が完了しました」
「あの他者から魔力を奪う腕輪ですか」
「はいっアオノさんのお陰で生徒に害が及ぶ前に処理出来て良かったです」
確かにあの腕輪は危険な代物だ。何しろ奪う側の意思一つで奪われる方は全ての魔力を奪われてしまう、かなり珍しい魔道具らしく生徒達も知らないのがほとんどだったんだろう。
あのエーグルが本気で腕輪を使っていたらどれだけの被害が出た事か……ヤツの妄想を映像化した物を見ていた私とイオちゃんはその碌でもない結果を見ているのからな。
「……どうして彼があんな暴挙に出たのか、私には分かりません、私は尊敬出来る教師だと思っていたのに……」
「…………………」
イオちゃんの肩が微かに震えていた。
……そりゃそうか。この学園都市で長年共に教師をやっていた同僚だか先輩が、自身に対してアレだけ気持ちの悪い執着をしていたんだからな。
元から少しは問題のあるヤツだったとしても、まさか魅了薬なんて物まで使ってくるとはイオちゃんも考えてはいなかった、イヤッ考えたくなかったんだろうな。
私もイオちゃんにはエロイ気持ちを持つ1人の中年野郎だ、しかしあれはいただけない。普通にキモ過ぎんだよ、イケメンでもな。
イオちゃん的にはその恐怖を紛らわせる為にも教師としての仕事に打ち込んでいたんだろう、しかしそれでも思う所がありここに来たのだ。
「イオさんの恐怖も分かりますよ」
「……アオノさん」
「イオさんも1人の女性なんです、アレに恐怖を持つのは自然な事かと。しかし貴女とは共に旅をしてきた仲間だと……私は勝手ながら思っています」
イオちゃんの目が見開かれた。
「だからまぁ……魔法使いとして貴女の身に危険があれば私はこの魔法の力を使って貴女を守りたいと思っていますので。1人で背負う必要はありませんよ?」
「………………!」
イオちゃんが背を向けてしまった………流石にこんな冴えないおっさんが吐くにはランクが高いセリフだったか。
そしてこの場に見えないがリエリが異空法衣の魔法を使ってユーリやシアちゃん、精霊幼女やエルフ3人娘にベーネちゃんがこっそりと覗いている事も分かっている。
だから本当は背中からこうっギュッとして二の腕にイオちゃんの巨乳の重みを………ダメだな、なんでこの場でこんなスケベな事しか考えられないんだ私は?。
どうせそんな事出来る度胸なんてないくせに、自分で自分が嫌いなりそうだわ。
「……………ありがとうございます、アオノさん」
振り返ったイオちゃんは輝く様な笑顔であった。
「……………」
まぁそれでもイオちゃんを笑顔に出来た事だけは誇って良いかもと思う私だ。
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