(10)反応が………薄い

◇◇◇学園都市・市街地◇◇◇



「………アレは、ご主人様ですか?」

一瞬、空が青い光に包まれた、それを見ていたユーリは直ぐに青野の仕業だと理解する。


彼女は今日はラブーンと共にいた、青野からこの学園都市に来て殆ど単独行動をしてるラブーンと共に行動をして、一体何をしてるのか見てきてほしいと言われたのだ。


ユーリ的には青野の護衛が出来なくなる事は避けたかったが本人の言葉なら従うしかない。

彼女は内心渋々だが顔には一切出さないで返事をしてラブーンの行動を共にする事を了承した。


「おお~っこれはなんだ?」

「あっあれは一体なんだったんだ!?」

「あん?またアオノが何かやったのか?そんな事はどうでもいいのだ!これが何かを説明しろー!」


「えっ!?そっそれはただのキーホルダーだよ?」

「キーホルダー?なる程、これを買うぞ!」

(……本当に観光しかやってませんね、ご主人様に言われなかったらほっとくと言うのに……)


「ハァッ貴女は何か目的があって学園都市を飛び回っていたんじゃないんですよね?ならユーリはもう帰りたいかと思います…」

「………ん?私が探してる物?なる程、あの魔法使いはたまにカンが働くな」


「そのご主人様を下に見る様な発現、不愉快ですから辞めてくれません?切りたくなります」

「あの男が軽口をたたかれたくらいでそんな真似を許すと言うのか?お前の浅慮な行動が主の格を下げる事になるぞ?」


「ご主人様の優しさだけでこんな所までノコノコと厚かましくついてきただけの精霊が……随分とまあ舌が回る様ですね?」

「………………」


無言で目線をぶつけ合う2人、何故か火花がバチバチとしていた。

それを見てる店の人間はハラハラしていた。



場所は変わり豪華な屋敷にて、そこでも空の変化は見れた。

「………今の魔力はご主人様ですね」

リエリである、既にビー玉から秘書の姿に戻っていた。


エーグルと青野との戦闘に本来ならついて行くつもりだったが、青野から事前に既に戦闘終了のお知らせを受けたリエリ、更に午後は自由行動をと言われたので仕方なく屋敷に戻って来ていた。


そして屋敷な戻るとシアが何故かモアと稽古をしていた。そしてミラとシーアは昼ご飯を食べていた。

イスとテーブルは屋敷にあった物を、そして料理はリエリが作った。


他の4人には料理スキルがなかったからだ。


(ハァッどうしてリエリがこのエルフ三人娘とシアの世話をしなければいけないんでしょうか……まあご主人様が拒絶しない以上、ある程度の礼を尽くすのがご主人様の僕の仕事ですけど)


「どうした!そんな物か!?」

「まだよ!私の力はこんな物ではないわ!」

「…………平和だね~~~」

「………平和?あの2人本物武器を使ってるけど?」


シアはゴツい手甲を、モアは凶魔剣ダーインスレイブを出している。確かに何処が平和的な光景なのか疑問は残る。


それを眺めているシーアやミラも先程の青野の魔力は感じていた。しかしシアとリエリが特に構う様子もなかったので2人も構わない事にした。


一瞬モアが魔力に驚いたが、シアが『アレがお前がケンカを売った相手だぞ?』っと挑発すると速攻でシアに向かって行ったのだ。


「リエリさ~~ん料理のおかわりってある?」

「ちょっ!?貴女達!私の分も残しときなさいよ!?動いた後の食事は大切なんだからね!」

「………食べてしまった」


「おかわりならありますよ?但しお金は頂きますこらね?」

「「「!?」」」

「……冗談です、しかしいくら学生とは言え、遠慮と言うものを少しは学びなさい」


(ご主人様が許可を与えたから魔法部屋への出入りも認めていますが、自由にし過ぎている様ですからね、イオにもいずれしっかりと伝えておきましょう)


厳しめの言葉を話しながらも魔法部屋にあらたな料理を取りに向かうリエリである。


青野の魔法は学園都市に住む全ての魔法使いに凄まじい衝撃を与え、激震が走って行く。


しかし青野パーティーメンバーや知り合いはそんな感じの反応であったのでそれを後に知るおっさん魔法使いは少しショックを受ける事になる。







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