(2)一緒にお掃除
◇◇◇◇◇◇
そして、小一時間ほど掃除を進めての事。何となく私はベーネちゃんと共に掃除をしていた。
プロのメイドさんとかだと手伝うとか言ったら仕事を取ってしまうことになるかも知れないが、彼女は別にプロのメイドさんではない。
手伝うと言ったら物凄い笑顔をされた。可愛い。
普通に今日も学校はあるので朝の掃除はさっさと済ませて温かいお茶とかお菓子とかを用意してあげようと思う私だ。
「あっそう言えばアオノさん」
「はい?何ですか?」
「実は先程エーグル先生の授業を専攻してる女子生徒の人が………」
話を聞いてその箱を見せてもらった。
ふぅん?あのプライドたか男のエーグルがね?、数日前のイオちゃんと中年を前に吠え散らかした印象が強いから今一信用ならないですな。
しかもイオちゃんではなく私に?本人が直接頭を下げたりとかは………まぁするイメージないな。
「分かりました、確かに受け取りました」
「はいっ頼まれていた物を渡せて良かったです」
「それではそろそろ朝食の時間ですし、また食べて行きます?」
「はい!食べます!」
今回のはいの方が語尾が強い気がするのはきっと気のせいじゃないな。
ベーネちゃんはいつも腹ペコ。
しかしこの小さな箱、なんか変な魔力を感じるんだよな……。
十中八九何かの魔法が仕掛けられていますな。
「それでは
「分かりました!」
早く早くといった感じの期待の目で見てくるベーネちゃん、平気と言ってもやっぱ朝は寒いからな。
魔法部屋は汗をかかないし寒くもない絶妙なラインの気温を保っているのでその点もベーネちゃんやエルフ3人娘が好む理由だ。
そんな魔法部屋にベーネちゃんを転移させる。
そして私は……この得体の知れない箱の調査だ、但し私には魔法関係の知識がチート級にインストールされている。
ぶっちゃけると落ち着いて見ればそれがどんな魔法なのかなんて見れば分かる。
「……これは催眠魔法が仕掛けられているな」
箱を開けると催眠に掛かると言う、シンプルながら魔法使いじゃないと気付かれないトラップである。
そしてその催眠魔法について知りたい事、それはどんな催眠を掛けたかったのかだ。
それについては魔法で確認するしかない。
「
これは魔法を解析してその情報を私の頭の中に送ってくれる魔法である。
魔法を発動すると私が知りたい情報が頭の中に流れ込んでくる。
ふむふむ……どうやらこの蓋を開けると『この箱の中身を自身のプレゼントととしてイオちゃんに渡さなければ気が済まなくなる』っという状態になるらしい。
「………そしてその箱の中身は魅了の魔法薬であると」
魔法薬についての知識も当然ある私だ。
この魅了薬ってのは飲んだ相手が惚れる相手を指定する必要がある。
その為に惚れてもらう相手の魔力を付与する必要があるのだ、つまりその魔力が誰のものか分かれば、この魅了薬を仕込んだ相手が誰なのかを直ぐに分かる。
無論その仕込んだ犯人はエーグルだ。そして何故これをイオちゃんに、私からのプレゼントととして渡してもらおうとしたのか。
それはエーグル本人からのプレゼントだとイオちゃんが警戒するから、そして………。
「万が一これが魅了薬とバレてもそれを用意した相手が私だと言うことにすればイオちゃんの私への信頼は地に落ちるって事か」
魅了薬が発動すればイオちゃんを自分の物に、そして失敗しても私がイオちゃんに心底嫌われる。
「…………」
やっぱりあのイケメン、禄でもないヤツだな。
やる事なす事が一々陰湿で人の迷惑を考えない行動ばっかりだ、しかも今回はベーネちゃんや名も知らない女子生徒まで巻き込んでこんな手の込んだ真似を……。
「ふうっ仕方ない、ここまでしつこいのなら私も対応を考えるか……」
正直つまらない嫉妬野郎に関わるのなんて時間の無駄以外の何ものでもない。
けどあんまり陰険でしつこいとね、私もウザって思うのである。
………まっそれはそれとして、今は朝ご飯だ、私もお腹が空いたしな。
私は魔法部屋の魔法を発動、他のパーティーメンバーとかベーネちゃんが待っている異空間に転移した。
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