(12)ベッドの上で考える
◇◇◇魔法部屋・青野の私室◇◇◇
「………ふうっ今日は疲れたな」
私は部屋のベッドの上で仰向けになっていた、今日あったことを思い出す。
試験を終えてイオちゃんと喫茶店にいるとエーグルが突然現れて、私が試験で卑怯な真似をしてきた、だからやられたと大声て言いだしたのだ。
何故に試験管的な立場だった筈の彼が、まるで子供見たいに勝ち負けを口にしていたのか。
それについては多分だが分かっている。
アイツ、イオちゃんに気があるんだよ。ほぼ間違いない。故にイオちゃんの前でアレだけ大口を叩いて負けたのが認められないだけなのだ。
正直、あんな他人を見下す様な感じの男にイオちゃんが好印象を持つとは思えない。
多分だがプライドの高さ故に自分がしている行動が全て正しく、そして肯定されるべき物だと勘違いしているのだろう。
結果としてあんな痛い感じのイケメンになってしまったのだ。
それに学園全体の雰囲気も彼の増長に拍車をかけていたと思うしな。
イオちゃん的にはその辺りも思うところがあるのだろう、そして人前でのエーグルのあの行動は流石に目に余るとかなり強めに否定したのだ。
ぶっちゃけ好きな相手にあそこまで言われたら、中年は軽く寝込む自信がある。
もちろん全てはエーグルの自業自得なのは分かってるし、彼を
今日の晩ご飯はイオちゃんと共に一緒に食べたが彼女は終始不機嫌そうだったからな。
彼女的にはワザワザ連れてきた中年が雑魚扱いされるって事は自分に見る目がないと言われる様なものだし、その辺りもムカついてる理由なのかも。
イオちゃんは今回の試験で合格出来ると思っているが、果たしてどうなのだろうか、エーグルの同類がまた何か言い出したら分からないぞ。
何しろ中年は以前シアちゃんに話した通り教師になろうが旅を終えるつもりは毛頭ないからだ。
正直向こう次第だけど頭が硬い組織なら内緒で分身と入れ替わってでも旅を続けるつもりである。
何しろ中年はまだまだこの世界を楽しんでいる途中なのだから。異世界観光おじさんの旅はまだまだ終わらないのだ。
「……っましばらくはこの学園都市を楽しみますけどね」
前の世界では終ぞ出来なかった世界一周的な旅行を、この世界では楽しみたい私だ。
その為なら旅先で起こったトラブルも世界を滅ぼそうとしてる極悪非道な敵キャラも全部まとめてチート魔法でボンッてする所存。
私はそう言う時には手を抜かない主義だ、もちろんこの学園都市での生活を邪魔しようなんて輩にも同じ事が言えるだろう。
ちなみに何故にあの豪華な屋敷のベッドじゃなくて魔法部屋の私室のベッドにいるのか、それは私がマクラが替わると寝られない派の中年だからである。
旅の時?マクラは常に召喚してたよ。
本当にこう言う所で今一男らしくって感じになれないのが中年なんだよな、我ながら格好悪い。
まっ今更どうにかしようとも思わないけどね。
………話が逸れすぎた、最後なんて彼の顔が怖くて見れなかったけど。まさか何かとち狂った真似とかしないよな?。
流石に相手にされなかった腹いせとかイオちゃんや私のパーティーメンバーに何がしてきたらこっちも対処するつもりだ。
そこはそれ、フラれてプライドとか色々なもんが大変な事になった事には同情するけどね。中年も守るとなれば相手に遠慮はしない、酷い目にもあわせる事もいとわない。
結局それが何かを守るって事だ、偽善で結構、傲慢で結構って話である。
いくらチート魔法でも敵も味方もみんなバンバンザーイでハッピーエンドなんて真似は出来ないからね、ぶつかればどっちか負けた方が泣きを見る。
それが世の中である。
私としてはエーグルの事に関しては杞憂であると思いたい、中年が彼の立場なら部屋で寝込んで現実逃避程度で済むが、彼ほどプライドが高いと何をしでかすか、正直想像がつかないのである。
「……ハァッ何事なければ良いんだけどな」
現時点ではそれを願う事しか出来ない私だ、取り敢えず明日からはイオちゃんに付いていって学園の授業とやらを教室の後ろの方で見学するって話になった。
それはそれで楽しみですな。
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