(6)進んでる学び舎

◇◇◇学園都市◇◇◇



そして次の日、私はイオちゃんの案内で初めての学園の中を案内された。

流石に今日は他のパーティーメンバーはお留守番……って訳にもいかずリエリとユーリは久しぶりにビー玉モードになって私のポケット入ってる。


リエリとユーリは私が創ったゴーレムだ、そしてその核が青いビー玉みたいな魔力の結晶なのである。

これに姿を変えているのだ。


精霊幼女は例の如く魔法で姿を消してついてきてるようだ、シアちゃんはその手の魔法が使えないと言う話だったので屋敷にお留守番となった。

今日はベーネちゃんも屋敷には来てないので1人でお留守番である。


「結果が分かっている物を見に行く理由がない。俺は俺でゆっくり過ごす…」

と言っていた。まぁ暇になったら1人で都市部に観光とかしに行くと思うから大丈夫だろう。


そして私達は遂に学園都市の入り口に立つ。

本当にお城の入り口だよな、門がデカい、ただ本当に多くの魔法使いが出入りしてるってところはお城のイメージとは違うけどな。


「それでは第3魔法実験場までの案内と一緒にこの学園の施設とかも説明しましょうか」

「お願いしますイオさん」


何となくイオちゃんのテンションも高い気がする。

門を抜けると噴水のある広い中庭に出た、様々な種族の人々が行き来している。服装から生徒さんが殆どでたまに違う服装をしてる人がいる。


その人達の格好はイオちゃんが今日もしてる教師スーツ姿のデザインと似てる、きっと教師はあのデザインの服装で統一されているんだろう。


一目で相手の立場が分かる様にって事だと思う、そして私達は真っ直ぐに中庭を進み、建物の中にはいる。普通に土足だけどいいんだよね?。


イオちゃんが平然としてるから多分いいんだよな、このあたりは島国の出身者は気になってしまうもんなんだよ。


お城の内装は、やっぱりお城じゃんって感じだったよ。天井が物凄く高いし廊下も広いし、壁の彫刻や絵画とか正に観光名所とかでしか見たことない感じのヤツだ、ネットとかでしか私は知らないけどね。


「この学園都市は学生を学年毎に区切っているんですか?」


「いいえっ選んだ専攻で必要な実績と実技を修めれば飛び級も普通にあります。学園都市は実力主義ですから、それに生徒の成長するスピードは本人次第。年齢で最低ラインを引けばついて行けない生徒には余計な負荷となりますから」


「成る程、確かにその通りですね」


私の前にいた世界でも聞く話だ。数学とかに多いと聞いた、分からない部分を分からないままで学年が上がって行って、全く授業について行けなくなった生徒が授業を放棄する的なヤツだ。


イオちゃんの言うとおり人の学びのスピードって個人で違うんだ、ならみんな一斉に同じレベルの勉強をってスタンスはやはり古い価値観なのではないだろうか。


自身で専攻する学科を選ばせるのもそうだ。結局勉強なんて自分が興味を持った事以外は無理矢理何をしようとしても身になんてつかない事が殆どだ。なら好きこそ物の上手なれ、本人のやる気を出せる場所を創れる学園が望ましい。


案外この学園都市、中年が知る教育の場の未来を進んでいるのかも知れないな。


「基本的に学園は生徒達がいる階層と教師がいる階層は別々ですね。それと……」

「成る程、ならあそこは何なんですか?」


それから私はイオちゃんと共に学園の中を見て歩く、何でも普通に教室で勉強する時もあれば、空間魔法を使って部屋の広さを広げたりして派手な魔法の練習とかもするらしい。


実にファンタジーな世界でしか出来ない授業風景も見せてもらった。チラッと見たときはファイアーボールを撃ってた……屋内でな。ビックリである。


それ以外にも図書館を遥かに超える規模の図書室が幾つもあるんとか学園がここを含めて全部で7つあるとかって話も聞いた。まさに学園都市だな。


リエリとユーリも今のところ大人しいので私とイオちゃんは2人で散歩気分である。歩いていると学園の関係者と思しき人ともすれ違うが何故か視線を逸らされた。


やっぱあれか?中年が魅了の魔法だか薬を使ってイオちゃんを操っているなんて言うあのウワサの影響か?流石はファンタジーな世界観、何でもありだな。


「この階層にある教室が全て魔法実験場です、教室に入ると中は様々な条件が設定された広い空間となっています」

「まさに魔法の実験の為の教室って訳ですか」


「はい、広い草原からドーム状の空間、それ以外にも環境が違う空間魔法が用いられています。私達が向かう第3魔法実験場はコロシアムの様な空間を再現してる実験場ですね」


「コロシアムですか……」

「ええっそこでアオノさんと教師の1人が手合わせをする事になるかと思います」


まさに実力主義って感じだ、中年的には分かりやすくて助かります。
















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る