(4)スレンダー……
◇◇◇学園都市・都市部◇◇◇
そして次の日、私達はイオちゃんの案内で学園都市の街中を案内してもらっていた。
試験は明日って事で今日は一日この学園都市で自由時間って事になったのだ。
………試験前日に何をやってんだよって思わなくもないが、パーティーメンバーと観光するの楽しみだったから仕方ないよな。
「……明日教師の試験を受けるってのに観光とか本気なの!?」
「ええっもちろん」
赤ツインに返事をする、その場には何故かエルフ3人娘がいた、なんか今日と明日は勉強はお休みらしい、週休二日制なのか?。羨ましいですな。
ベーネちゃんは今日も晩ご飯を振る舞うと言ったら全力で屋敷の掃除をしますと、今朝も早くに掃除メイドとなっていた。
……ちなみにユーリは普通にこちらで観光とかしてるよ。
「………凄い余裕……信じられない」
うんっ銀髪ボブ君、実技は多分余裕だと思うからね?面接的な方が何を言ったらいいか分からんけど。
「この辺りは食べ物や日用雑貨店が多いよ~~雑貨は知らないけど食べ物の事は案内任せて~!」
この青ウェーブは昨日から食べ物に関しての執着が凄い。魔法使いよりも料理関係の方が向いてるんじゃないのか?大食いファイター的なヤツとかさ。
「この学園都市はもっとも大きな中心都市部とその回り、東西南北にある4つの都市部で構成される大都市です。更にこの学園都市の地下にまで我々は……」
学園都市について詳しく説明するイオちゃん。観光に全力な我がパーティーメンバーだと私とリエリくらいしか話を聞いていなかった。
精霊幼女は例の如くソロでどっかに行っちゃうし、シアちゃんとユーリは青ウェーブと共に食べ物の店に興味津々。ユーリまで最近食べる事に目覚めつつあるのだ、ゴーレム恐るべし。
「……これは何という雑貨なんですか?」
「………それは、お風呂の掃除の時に……使うの」
あっリエリも雑貨店の方に行っていた。私も百円ショップとかでは買う必要がないコーナーの所までついつい見に行ってしまうタイプだから分かる。
ああいう店って見てるときが1番楽しいんだよな。
「………ふうっ本当に皆さんは」
「まあまあ、しかし地下にまで生活する空間があるだなんて凄いですね」
「フフンッ!この学園都市に何本も建っているあの恐ろしく大きくて高い塔があるでしょ?実はアレが地下にまで続いているのよ!その塔同士を繋ぐ通路がまるでクモの巣のように繋がってるのよ!」
赤ツインがしたり顔でイオちゃんの説明を奪っていく。イオちゃんもふうって顔をしてるぞ。
しかし学園都市、これまで見てきた様々な都市よりも一層ファンタジー色が強めの場所である。
写真でイメージするならチェコのプラハみたいな感じだな、白い建物に赤い屋根の建物がいっぱいだ。
普通に空を飛んでる人や人間よりも大きなトカゲみたいなファンタジー生物が馬車を引いていたりした。
店とかも実にファンタジーゲームに出て来そうな感じの外見をしていて見てるだけで楽しくなってしまう観光中年である。
何分広大過ぎるので数日で見て回るのは無理だ、じっくりゆっくりとこの都市を見ていきたいな。
そんな事を考えているとエルフ3人娘の足が止まる。見ると少し先の方から歩いて来てる一団あり。
金髪をロールにしてる派手めな女子を真ん中に数名の女子が女子トークをしながらこちらに来ていた。
ちなみに金髪ロール、スレンダー美人である。スレンダー…………。
見たところ普通に学園都市の生徒さんだ、別に我々に用があってとかではなく普通に空いた時間で買い物をしにきたんだろう。
全員女子高生くらいのお歳で普通に美人だ、金髪ロールの子や他にも人間が数名いる。
後数名は耳が尖ってるからエルフかな?それと褐色で銀髪ロングヘアーのミステリアス美少女とかもいる、多分ファンタジーな種族だと思うわ、だって額に赤い宝石がくっついてるもん。
胸の高さまでしかないマントとかあの魔法の学校の生徒ですってかんじの手の込んだデザインの制服を来てる生徒達を見ると、本当に学園都市なんて場所に来たんだなって実感する。
すると向こうの金髪ロールちゃんがこちらの赤ツインに話し掛けてきた。
「あら?そこに居るのは我が国の元貴族、ダインスレイブ家のモアさんじゃないかしら?」
「………フンッ其方は成金貴族の貧乳ロールじゃない、私に何か?」
金髪ロールちゃんの先制パンチを受けてのカウンターをかます赤ツイン。
共に額には血管がピキピキとしている、これが女子トークでのバトルか、やるな。
……しかし私はそんなもんには興味がないので2人がトークでバトルしてるうちにイオちゃんに色々な疑問でも聞いてみるか。
「あっところでイオさん。さっきから気になっていたのですが、この学園都市には生徒さんと教師の方以外にも様々な職業の方が働いていますよね?彼らは学園とどんな関係がある人々なんでしょうか?」
イオちゃんがこの状況で質問を!?って感じの顔を一瞬した、しかし冷静に話をしだした。
「えっええ…学園都市で働く人々は全て学園都市の卒業生なんです。学園都市は本当に様々な種類の魔法や研究を行う事が出来るので、そこで修めた技術や能力をこの学園都市で生かして、更にこのエルマを発展させたいという方が多いんですよ」
成る程、学園都市がここまで栄えてる理由が分かった気がするよイオちゃん。
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