(14)カメレオンシールドを無力化
中年は飛行魔法を使って一気に移動する。
ベーネちゃんを拿捕してるカメレオンシールド(名前知らんから適当に名付けた)はその舌で捕らえたたベーネちゃんを宙に吊して何やら観察してる。
この学園都市で生み出されたものがどれだけ危険なのかとかよく知らないが、助けを求めるのなら危害を加えられる可能性がなくはないと思って行動する事にした私だ。
ギョロッギョロギョロ……ギョロッ!。
カメレオンの目の動きってさ、あの大きさの頭で良く見て観察すると、私個人は結構本気でキモ過ぎて嫌な気分になってしまう。
ギョロギョロって感じの擬音が聞こえてきそうな感じの目玉をギョロギョロしてるんだもん。
ギョロッ!ギョロギョロ!。
ん?接近する私を見ているのか。
「ジュジュオォオオーーーーーンッ!」
カメレオンって鳴くのかね?そんな疑問を私が持つのと同時に、私に向かってカメレオンシールドが魔法を発動した。
青白い色の魔法陣が宙に展開されると私に向かって大人の握り拳サイズの氷弾がガトリングの様にバンバン発射されてきた。
「………攻撃魔法ですか」
一切躊躇なくこんな魔法を使うか、なら遠慮はいらなそうである。
私は飛行魔法の速度のギアを1段上げた。放たれる石の弾丸を全て回避する。
「ジュジュジュオオーーーーッ!」
更にカメレオンシールドは石ガトリングの魔法を倍プッシュ、しかし魔法が発動する前に私はカメレオンシールドと数メートルの距離に接近した。
片手をカメレオンシールドに向ける。
「……そこまでです」
魔法を発動、カメレオンシールドが展開させた魔法陣が消滅した。
「!?」
「……
これは魔法を無効化する魔法だ、更に敵さんのMP的なヤツ、要は魔力をゼロにする魔法である。
もちろん加減して発動してるから削れる魔力にも上限があるので少しだけ残している。
この世界の生き物ってね、魔力が尽きるといきなり身体が全く動かなくなってぶっ倒れたりするからな。この手も魔法も慎重に使うのだ。
「ジュッジュゴゴ………」
ああっもちろんベーネちゃんを吊す様なエロカメレオンシールドには加減とかなしで魔力ゼロにしといたのでキモい盾は地面に落ちる。
舌の拘束から逃れたベーネちゃん、スタコラサッサとカメレオンシールドから逃げ出してこちらに向かって来た。
「ベーネさん、お怪我はありませんか?」
「はっはい!ワタシは平気です。けっけどアオノさんって魔法使いなんですね……いえっ魔法が使える事は一目見て分かってはいたんですけど…」
「……ええっ私は魔法使いなんですよ、この学園都市で教鞭を取っている知り合いに招かれまして。今日からあの屋敷で世話になっているんです」
「そっそうだったんですか、この学園都市に招かれる程の魔法使い……ならあの魔法生物を容易く制圧出来たのも納得です。本当に凄いと思いました!それと助けてくれてありがとうございますアオノさん!」
「いえっどういたしまして…」
ベーネちゃんからの真っ直ぐな視線を感じて、なんか気恥ずかしさを覚える私だ。
ここまで素直に認められてお礼を言われる事がちょっと嬉しい。
やっぱりありがとうって言葉は素晴らしいですな、私が使うのどんな魔法よりも不思議の力を持っている魔法の言葉である。
「そっそれでは改めて、屋敷の掃除を…」
「大丈夫ですかベーネさん?かなり危険な目にあったばかりですよ」
「………フフッこの学園都市で生活してればあの程度は日常茶飯事ですよ」
「……………」
ベーネちゃんが何処か遠くを見て話すのを見てるよ、私は思ったね……。
イオちゃん私を本当にここの教師にするつもりなの?なんか色々と不安になってきましたぜ。
◇◇◇学園・会議室◇◇◇
「……っという訳で、イオリア先生がそのアオノっと言う者を学園都市の教師に推薦したいらしい」
学園の会議室、教師達が集まり様々な話し合いをする場所である。
そこでラーベスはイオリアとの約束を守り、他の教師達に青野の事を伝えていた。
「………外部の者をいきなり教師?そんなの無理でしよう?」
「実力云々以前に信用がない、せめてどう言った人間なのかを調べる時間がいる」
「それよりイオリア先生の方が心配だ、何か変な魔法で操られてるのでは?」
「イオリア先生を!?なんて卑劣なんだそのアオノとかいうヤツは!」
会議室に集まった教師だけでも青野への反応は酷いものである、話し合いが進めば進む程に青野への印象が悪くなっていく学園都市の教師陣。
「イオリア先生とは私は直に会って話をしたよ。魔法の類いで操られてるって事はまずない、けど彼女は世間には疎いところがあるからね……正直詐欺師とかに目をつけられてる可能性もゼロではない」
ラーベスの言葉を聞いた教師陣の青野への印象は外道な魔法使いから外道な詐欺師へと変わった。
青野からすればどっちも悲しくなる評価である。
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