(15)フォリア

「詐欺師め!よくもイオリア先生を!」

「許せませんね、ラーベス様。そのアオノと言う男には学園都市の教師の力を教えてやるべきです」

「呼び出して来るのなら魔法の罠にかけるのが簡単だな」

「イオリア先生の前で化けの皮を剥いでしまえ」


(う~~ん、私も本当に詐欺師ならそれで済ませるんだけど……)

「落ち着きなさい、あくまでも可能性の話だ。実際に我々はこのアオノと言う者について何も知らない、常に冷静な判断を下せる様にしなさい」


ラーベスの言葉に青野への誹謗中傷をしていた教師陣が黙る。


「……イオリア先生には後日、そのアオノと言う魔法使いを連れて来る様にと話をしてある。こちらから返事をして……そうだなアオノの実力を見るのならどこか魔法実験場が空いてないか?」


ラーベスの言葉に答えたのは黒髪で金色の瞳をした女性教師だった。名をフォリアと言うエルフの教師だ。


「それなら二日後の第3魔法実験場が空いています、そのアオノと言う魔法使いの実力を見るのならそこを利用しては如何ですか?」


「分かったなら二日後、第3魔法実験場にてアオノと言う魔法使いの面接…と言うより魔法の実力を見せてもらう事にしよう」


学園都市は魔法使いとしての実力が物を言う。

青野が実力なんてない詐欺師、ペテン師なら一切興味のないラーベスも実際の所は直接会ってみるまでは何も分からない。


(万が一、そのアオノがイオリア君の言うほどの魔法使いなら……っという可能性もゼロじゃないしね。ここはちゃんと会って話をしてみないと…)


ラーベスの言葉にフォリアが答える。

「分かりました、では私の方からイオリア先生に伝えてきます」


「ああっ頼むよフォリア先生、っという訳でその魔法使い二日後に第3魔法実験場で実力の程を見てみるとしよう。興味のある者は見学にでもきたまえ」

「……それでは次の話し合いを始めます」


そんな感じで青野の話は終わった。



◇◇◇学園都市・豪華な屋敷◇◇◇



ベーネちゃんがせっせと掃除をしてるのを少し離れた場所から中年は眺めていた。彼女が動く度にアレがね、あのご立派な物が揺れるんだよ。

あの作業服みたいな服の上からでも分かる程だから大した物である、眼福だ。


女子高生くらいの女の子を働かせて自分は何もせずにその様子を見学してるだけなんて、なんか悪い事をしてる気分になる。

………なんかそんなのも悪くないな。


するとユーリが私の後ろから現れる。

「ご主人様?何故私がいるのに屋敷の掃除を他の者がしてるのですか?」


ユーリが心外そうな感じで言ってきた、確かにユーリは常にメイド服を装備してメイド的な仕事もこなす(料理とか……料理とか?)美女だ。少しエロいメイド服のな。

けどユーリが掃除をしてるとこなんて私は1度も見たことないよ?。


「あの娘はベーネさんと言うこの学園都市の生徒なんですよ、要は苦学生ですね、屋敷の掃除のアルバイトをしてるって所です」


「……………適当にやっているかユーリが監督してきます!」

「………ユーリ。失礼がないようにね」

ズンズンと進むユーリ、ベーネちゃんと相対した。


「こっこんにちは!私はモルトベーネ、よくベーネって呼ばれています、今日からこの屋敷の掃除を……」


「モルトベーネ?お前の名前なんてどうでもいいんですよ!」

「すっすみません!」


初対面でスッゲェパワハラだなユーリ、怖い子。

流石にアレでは話が拗れるだけだと思うので私が彼女達の方に歩き出そうとしたら……。


「そもそも屋敷の清掃をする者がそんな野暮ったい作業服だなんてふざけてるんですか?私を見なさい私を、さぁっ!先ずはメイド服を着るのです」

「えっ……エェーーーーーーーーーッ!?」


前言撤回ユーリは良い子だ。


メガネ巨乳なベーネちゃんのメイド服、是非とも見てみたいじゃん。

ユーリが慌てふためきながらも抵抗するベーネちゃんを肩に担いで何処かに連れて行く。


「メッメイド服ってまさか貴女か着てるそのスカートが短くて胸の谷間が見えてる恥ずかしいヤツですか!?嫌です嫌ですーー!」


「……あん?このメイド服の素晴らしさが分からないとは……良いでしょうお前にはメイドがなんたるかを頭に叩き込んであげますよ」


良いぞ良いぞもっとやれ。

メイド服大好きな無責任おじさんは楽しみに待ってま~~~す。








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