(3)イオちゃんが同僚?
「アオノさん、貴方の魔法使いとしての能力。それは素晴らしい物です私の魔法など遠く及ばない程に、だからこそその魔法使いとして実力をこの学園都市で生かしてみませんか?」
イオちゃんが真っ直ぐな目をして言ってくる。
正直私はこのチート魔法を誰かの為に使う事に躊躇はない。使って減る物でもないし、誰かの助けになるんならそれは1番良い使い方だと思うからだ。
私だって人間だ、人から認められてチヤホヤされたいのが本音である。
しかしそれに気を取られて身近にいる皆の為に中年魔法使いとして動けなくなるのは困るんだよな。
私も遠くの他人より近くの親しい人の為に魔法を使う事を優先してしまう人間だからさ。
そしてそんな感じでプライベートをいざって時に優先する人間が教師とか無理じゃないかと考える私だ。教師がいざって時に生徒よりも優先させる物があると言うのも頂けない話だろう?。
ってかこんなどこの馬の骨とも知れないヤツに、こんな所まで来て魔法を教わりたいって生徒がいるのか疑問、親御さんとかいるところから苦情は必死ですぞ。
その辺りを聞いてみるか。
「イオさんの言葉はとても嬉しいです、しかしこの学園都市はその名が世界に聞こえる様な学びの場です。そんな所で私の様な者が教鞭を取れるとはとても思えません、そしてそもそも私に物を教わりたいと考える生徒がいるとも思えませんが?」
「どちらもアオノさんの実力なら問題ありません」
え?何その自信タップリなフフンッて顔は、美しいですねイオちゃん。
違うわ、魔法の実力はどうか知らんけどそれ以前にこうっ学歴とか実績とか見た目で出来そうなヤツとか色々あると思うんだよ私は。
「そもそもこの学園都市で教師になるには、同じ様に学園都市に務める教師からの推薦が必要です」
「……………」
「そして実力を示す為にその教師候補の実力を知りたい者と手合わせするんですよ!その実力が周知の方などは推薦と面接だけで案外入れたりしますけど……」
手合わせって、戦って不平不満をもらす人々を黙らせるってか?。何その脳筋システム。
私は平和主義の小市民だぞ、ラブアンドピースがいいよ。大体そんなの腕っぷしが魔法に変わっただけじゃん。
学園都市で教える立場の人間がそんな感じで決められていいのかイオちゃん、中年はこのファンタジー世界な魔法学園に一抹の不安を覚えたよ?。
「もちろん手合わせの場は万が一がない様に魔法で万全な体制で行われ、教師や生徒達、公衆の面前で行われますからその勝敗は絶対です負けた言い訳なんて通りませんから後で揉める事もありません」
本当かな?そう言うのに限って後からうるさいヤツが試験官をしたりするんだよな。
「しかし私の様な部外者がいきなり行ってそんな話が通るとは……」
「大丈夫ですよ?既に私は何度か学園都市と魔道具で連絡を取っていまして、その話の中にアオノさんの事も話はしています」
「……それはどの様な感じの話を?」
イオちゃん、確かに中年は実力隠して~~っとか自重しま~~す、なんて気のまるでないおっさん魔法使いだけどさ、一言私にも言っておいて欲しいでござるよ。
そしてどんな風に中年魔法使いを紹介していたのかも気になる。
「はいっ!私が外の世界で出会った最高の魔法使いで、私に世界の広さを教えてくれるとてつ素晴らしい存在であると話をしてますよ!」
「…………………」
イオちゃん……出会って精々数ヶ月のイオちゃんよ。その説明はちょっとない。
ハッキリ言ってイオちゃんの様子がおかしくなったとしか思われない話をしていた可能性が出て来たぞ、学園都市への不安がまた1つ増えた。
魔法学園都市の先生、興味がないと言えば嘘になる。けど物事がそんな上手い具合にトントン拍子で進むなんて事は中年の人生で1度もなかった。
ここはなんとかイオちゃんの暴走を抑えてもらって、イオちゃんから招待を受けた一般客的な立場として行こうかなと………。
「アオノさんの実力なら誰が相手でも圧勝で間違いありません。私と一緒にこの学園都市で教師をやってみませんか?」
「………………」
………イオちゃんが同僚。
「もっもちろん私がここまで連れてきた訳ですし、学園都市の施設の紹介や解説、それに生活面でもサポートをいたします。アオノさんの学園都市での生活は私が保障しましょう」
イオちゃんにサポート。
「まっまあ、おこがましい話ですが、アオノさんが学園都市で教師になれば、私はアオノさんの先輩と言う事になるわけですし、出来る限りの事はしたいんですよ………」
年下(実年齢とか知らん、見た目で判断です)の美人パイセンイオちゃん。
ちょっと上目づかいとか……イオちゃん反則的な可愛さを発揮、ここまでされて中年に抵抗出来ると?。
無理無理、り~む~である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます