Eメロ(大サビ) Part2

「ふぅ。楽しかったな」

「うん!また来たいね!」

「だな。じゃあ、そろそろ帰るか!」

「そうだね」


 遂に終わってしまう…。楽しかったな…。また行きたいな…。なんて。もうないのに。


 こんな経験、初めてだった。外に出ることは苦手だったのに、自分から進んで出たいと思うことなんか…。


「おおーい、ジョナサン。どうしたんだ?」

「あ…ごめんごめん!今い……」


 あれ?呼吸ができ…な………体……が……


「おいジョナサン!どうしたんだ!…い、息をしていない!誰か、誰か救急車を…!!助けて…誰か助けてください!……」


























 『…ピッ……ピッ……ピッ……ピッ……』


「………ナ……ン……ジョナサン…頼む、目を覚ましてくれっ……」

「白…夜君…?」

「っ…ジョナサンッ…!…すまなかった!俺が連れ回したせいで…」

「ううん。…大丈夫。私の方こそごめんなさい。…実は私、もう死ぬの…多分……今」


 …心臓に激痛が走った。


「…え?…冗談…だよな?」

「…心臓の…病気でね、もう言われてた余命…過ぎてたの。いつ死んでもおかしくなかった。最後に、白夜君と…デートできて、楽しかったよ。ありがとうね…」

「だめだ!死なないでくれ!」

「…白夜君。大好きだよ。世界中の誰よりも」


 手足の感覚がなくなってくる。終わりがもう迫ってきてる…。


「俺も…俺も大好きだ!!だから…だからあと少しだけでも、俺と……」

「“私の彼氏君”。最後くらい…笑って送ってよ」


 今出来る、最大限の笑顔を見せる。


「…あぁ。ごめんな。こんなダメ彼氏で。…これからもずっと好きだ。“ジョナ”。短い間…だったが、今までの人生の中で…最高の時間だった。ものすごく遅くなってごめんな。……返事は…もちろん『はい』だ…」

「…嬉しい。じゃあ、最後のお願い。…抱きしめて欲しいの」


 …目が…見えなくなってきちゃった…そろそろ…お別れの時間みたい。


「分かった」


 白夜君が私に触れる。もう何も見えない…。白夜君の温もりだけが伝わってくる…。


「ありがとう…大好きだよ…ばいばい」

「俺も…大好きだ。また今度な…」

「…うん!」


 音も…掠れていく…。もう…白夜君の温もり以外…この世と…繋がって…いない…みたい…。





 いつも…一人だった君が…孤独な私を…救い出して…くれた…。


 …ありがとう…白夜…君。…私の…人生は…最高…だった…よ……。

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スクール・セレナーデ Jonathan @J0n4th4n

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