要人のおかしなところ
私の見守るべき主、すなわち要人は、
普通の人と少し思考が違う。
ここが面白いと言うべきところでもあるが、
1万円払ってしまう原因にもなるのだ。
「なんでその講演会参加しちゃったの?」
「え~っと。声掛けてくれた方がいて、その方が。。。」
もごもご答える要人に、
「そりゃ~答えずらいわなぁ~。」と、思いながらその場に居合わせる守護天使の私、ミカエル。
「プレゼントして貰ったものに、もれなく付いてきた訳ですよ。」
「本当の趣旨は、そちらの講演会だと思うのですが。。。」
「ダメだよぉ~。そんな、怪しいの。ひっかかっちゃ。」
「最近そういう宗教流行っているんだよ。」
「宗教とは言わず、参加したら声を掛けられてって。」
「それで異を唱えれば、そりゃ~反感買うのは当たり前だよ。」
「相手はそれで、誘い込みたいんだから。」
「君が異を唱えれば、みんなの目が覚めちゃうだろ?」
「みんなの目が覚めれば、そりゃ怒るよ。目的の邪魔するわけだから。。。」
「そう言うのあるんだよ。なんだっけかな~。”統一。。。”,“統一。。。”」
「まぁ、いいや。そんなのは。」
「で、実は一時的に、声が聞こえるようになりまして。。。」
「この辺で、囁くかのように、怪しい事言ってくるんですよ。」
「詐欺師の様に、私を誘う様な。。。」
「それ。式神だよ。」
「へっ?式神?式神ですか?」
「知らない?式神。」
「こう人型の紙にその人に付かせてその人の心が動く様に先導したり。。。」
「人を意のままに動かそうと、見えない使いを出すんだよ。」
「へっ!あの陰陽師安陪清明とか、妖怪 百鬼夜行とか、、。」
「小説に出て来るあれですか?」
「そうだよ。」
「僕の知り合いもそう言う生業をしている者もいるけど。。。」
「信じられない!小説だけの世界だと思っていました!」
「名前と生年月日が分かれば、その人が気を許した瞬間にパカッと開いて
君の過去の経歴とか、全て見てしまう人がいるんだよ。」
普通なら、、、。普通なら、、、。普通の人なら、、。
そんなの気持ち悪いとか、怖いとか、恐ろしいとか、眠れないだとか。。。
そんな事を思い始めるのが一般的な普通と言われる人達の考え方なのだが、、。
私の要人は、おかしなことに、胸躍らせている。
もちろん、相談相手には、そんな要人の気持ちなんて伝わってはいない。
「いやぁ。去年参加したセミナーで、そんな話は聞いたんですよ。」
「また、セミナーか。」
「それは、やっぱり霊感の強い方のセミナーで、過去から未来から、
全てみんな見えちゃうみたいで。。。」
残念なことに、私の要人は、喜んでいた。
(今まで読んでいた物が現実で体感出来るなんて!)
(Fantastic!)
私はこの者を守る守護霊、もとい守護天使です。 一粒 @hitotubu
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