第24話「幼馴染はぶちのめす!!」
「んで、この写真は何っ!!」
あの、衝撃的な朝から数時間後。
俺のマル秘コレクションその1が見つかってしまった。
「なんで、あんたが、私の……幼少期の写真持ってるのよ!!」
「いやぁ……」
「もしかして、私のことが好き過ぎて度が越して私の家から盗んできたとか……? うわ、こわっ、まじこっわ」
「おい、まだ喋ってないぞ。それに話を飛躍させるんじゃねえ!」
「だってそれ以外思いつかないし、和人ってばよく私のことをそういう目で見てるじゃん」
「いつ俺がそんな目で見てたんだよ……」
確かに今は可愛い幼馴染とひとつ屋根の下で共同生活を送ってはいるが四葉の風呂を覗いてやろうとかは思ったことはない。
小さくて可愛い幼馴染の裸を見たくない……訳ではないが、俺の性根はそこまで腐ってないからな。
「……だいたいなぁ、最近はオマエの方がエッチな目で見てるだろうが!」
「は、はぁ!? 見てないし、私そういうことになんて興味ないしっ!」
俺がそう言うと四葉は頬を一気に朱色に染め上げて、立ち上がった。反応から察するに興味があるのは確かだ。
ははーん、さては俺の幼馴染は少しスケベだったのかぁ? もしや一人で致してたりして……おっと、やばい。考えたら息子が独り立ちしていきそうだ。
しかし、彼女は赤くなった頬を一度両手で叩いて、はっきりと目を覚ます。
「そ、それじゃあね……和人はこうされたらどうなのよ!」
すると、勢い余ったのか、恥じらいを忘れた四葉がソファーで座っている俺の膝の上に座りやがったのだ。
「んな!?」
さすがの急な行動に俺の息は一瞬詰まった。
「ほ、ほらっ!! k……顔赤くしてるじゃない?」
「どの口が……言ってるんだよ」
いやしかし、俺も言えたわけではなかった。昨日の指噛みといい、同居で初めての同じ布団での就寝といい、胸のドキドキが止まらないことが多すぎた。
もちろん、今のこの状態も吐きそうなくらい心臓がバクバクと鳴っている。というか、いい匂いがする。あれ、同じシャンプー使っているはずなのに、なんでこんなにいい匂いがするんだ? 鼻を優しく撫でるフローラルな香りに、彼女の体温が重なって、物理的な重みなど感じもしなかった。
思わず、くんくんと鼻を動かしてしまいそうだ。
「わ、わt——たし……は赤くないもんっ……」
危ない危ない。
どうやら目の前の四葉の方がよっぽど赤い。それに、恥ずかしがってこっちを向こうとしないため、俺の顔の赤さはバレていなかった。
「まったく……どこがだよ……」
「……」
「……」
それから数分。
膝の上に乗ったまま動こうとはしない四葉を前に俺の膝は限界だった。ただ、ここで限界と言ってしまえば「ヘタレもやし男」と罵られそうで、男のプライドがそれを許さなかった。
にしても、静寂。
心臓の鼓動が聞こえるんじゃないかと思うくらいに静かで、すでに四葉の鼻息は聞こえている。すぅー、すぅーと寝ているのかってくらい規則的なリズムを奏でていて、どこか可愛いのが酷くずるい。
そこで、俺は一言尋ねてみることにした。
「……なんで、しゃべらないんだよ……?」
すると、びくりと肩を震わせて、ゆっくりとこちらへ顔を向ける。
「……ん」
すんなり顔を見せてくれた——と安心したのも束の間。彼女の瞳には少し涙が浮かんでいた。
「え」
その瞬間、俺の緊張は一瞬で解れ、先程まで気にしていた吐息も心臓の鼓動も何もかもが頭から抜けていく。同時になぜ、涙を浮かべているのかと思わず「え」という音が口から洩れてしまった。
「ど、え——い、いきなりどうしたんだよ?」
「……なんでもない」
「な、なんでもないって……なんでもないなんて言ってる奴が泣かないだろ……」
「——っ‼‼」
刹那、俺の膝に鋭い痛みが走った。
「——った!?」
視線を落とすと、四葉が爪を立てて俺の膝を
「……たぁ……急に、何するんだよ!」
「……うっさい、別になんでもないし」
「なんでもない奴が泣かないt——!?」
再び鋭い痛みが走ると、何を思ったのか涙を袖で拭って立ち上がり、そのまま自分の部屋へ走っていた。
「な、なんだよ……急に」
張り合ってきたかと思えばすぐ機嫌損ねて、挙句の果てには抓って逃げるとか——まったく。最近の女子はよく分からない。生理なのか? それならまだ分かるが、とにかく今はそっとしてあげるか。
というか、もう付き合ってるんだし相談してくれてもいいのにな。
<あとがき>
一日ぶりです。こんばんは。
本日から20歳になりました歩直です。
いやぁ、今年は飛躍の年になりましたね。19歳になりたての頃なんて、小説のフォロワー100も言ってなかったので、今考えてみれば600とか800とか超えているのを考えると時の流れは偉大ですね。
とまあ、どうしたら伸びる作品が書けるのかは全く分からないですけど(笑)
おっぱいバルンバルンとかヤンデレとか音楽ラブコメとかもう、色々と凄い方々の小説があり過ぎて、僕には到底及びません。
でも、諦めているというわけではありません。
自分も自分なりに頑張って、そんな作家たちの後ろを追いかけ、いつかは追い抜けるよう。20歳という節目を迎えて、そんな小説界隈の頂点目指して走り抜けたいと思います。
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