第11記:三桁

 前日の野外作業から一転、昨日は「終日篭城」を決め込んだ。食料と水、日用品の補給は前日の内に済ませておいた。カーテンを開けて、外の様子を確かめると、予報通りの天候になっていた。空はどんよりと曇っており、いつ雨が降り出しても不思議ではない雰囲気である。篭城だ!こういう日は篭城に限る。台所に行き、湯沸かし器にミネラル水を注いだ。


 ラジオを聴きながら、沸騰を待つ。熱いコーヒーを飲む。なかなか旨い。コーヒーも酒も最初の一杯が最も旨い。朝飯代わりのアンパンを齧る。これは不味い。まるで、粘土細工である…とか云いながら、結局全部食う。自宅から少し歩けば、手作りパンを売る店があるのだが、それができない。何故かと云うと、億劫虫にとり憑かれているからである。どうしようもない。


 その後、愛機を動かして、ぴよぶっくを呼び出し、更新作業に埋没した。ダサク1頁とダブン4頁を投稿した。この日はごった煮エッセイの量産を優先した。目標としている100次元まで、残り5次元にまで迫っていた。

 焦る必要など、まったくないのだけれど、できれば、この休みの間に書いてしまいたかった。それは良いとして、量産の反動で、品質(まあ、大した質でもないけどさ)を落とすことはしたくなかった。


 最初に書いた96次元が一番難しかった。書き慣れぬものは、相応の手間と時間がかかるのだ。97・98・99次元は比較的サクサクと書けた。俺の縄張りだからである。計5頁投稿。さすがに疲れた。愛機を休ませ、ウイスキーの水割りを呑みながら、マカロニ・ウエスタンを観る。これは、ダサクの参考のために借りてきたものだ。


 翌日(今日)。雑用の類いをやっつけてから、愛機を起動した。100次元を書いた。次の目標は200次元になるわけだが、百書こうが、二百書こうが、肝心なのは中身である。中身の充実を意識したい。日記の終わりに『次元鍋』最大の応援者である柳乃奈緒さんに感謝を捧げます。本当にありがとうございました。これからも、よろしくお願いします。〔5月10日〕


♞柳乃奈緒さんは「次元鍋起動」のキッカケを与えてくれた方。もちろん、ぴよユーザーである。最近お見かけしないけど、お元気だろうか。終盤に「100次元到達」の話が出てくるが、この頃の俺は結構バリバリ書いていた。

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