相殺

 新漢語林を引くと、相殺の説明は以下(漢字源もほぼ同じ)。

①ソウサツ たがいに殺し合う

②(日本のみ)ソウサイ 差し引き


 対して広辞苑および明鏡国語辞典を引くと、漢和辞典の②のみを挙げ、さいは減らすの意、ソウサツは慣用読みと説明している。


 そこで漢字源・新漢語林を調べると、殺は音読みの違いで意味が変わるらしい。

①サツ ころす

②サイ そぐ・へらす(慣用音はサツ)


 サイと読む成語には、他に減殺がある。意味はへらしそぐ。

 こちらは中国の文章にも出て来るようだ。

 また、論語「非帷裳必殺之」の殺は、サイスと読み下さなければならない。


 音読みのちがいで動詞の意味が変わる漢字はあまりないように思う。

 中途半端に漢語の知識があると読み方に悩む字ではあるが、たがいに殺し合うの意味で相殺を使う機会はあまりないのでソウサイでおぼえておくべきなのだろう。


 チャム・ファウの語るところによると、ショウ・ザマと黒騎士は相殺したそうだ。

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