アオギリズム Ⅱ

青切

相続

 そもそもの話をすれば、この相続という言葉もずいぶんと変な漢語だ。

 漢字源に「次々と引き続く」という語意があり、ここから法律用語の相続が派生したと考えても問題はなさそうである。

 しかし、相に「つぎつぎ」のニュアンスがあるのかと問われれば少し不安になる。


 相続はもともと仏教用語で「因果が続く」のような意味だ。

 と何人かが書いているのだが、こちらはどうだろう。

 仏教の言葉は呉音で読む習わしなので、ショウゾクと読むのではと思ったが、相ではじまる仏教の言葉は他もソウと読むので、それは問題ない。

 しかし、何となく怪しい説である。

 仏典を明らかにしてくれると助かるのだが。


 われわれがよく使う「相手」「相方」は日本で生まれた言葉だが、相の字義から考えるとすわり心地のわるい使い方である。



参照:ブリタニカ国際大百科事典

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