時代屋時計店

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（643文字）

物語は夜の森に不思議な少女が現われるところから始まります。
記憶をなくした少女を救った子供の居ない夫婦に愛され、成長したくるみは不思議な時計店に出会います。
そこから、自分のルートに纏わる冒険の物語が始まります。
素敵な恋物語あり、冒険の物語あり。ワクワクする展開に心を奪われてしまいます。
物語を読んでいるときに、不思議なくらい優しい気持ちになるのは、登場人物達だ皆愛情豊かな人ばかりだからでしょうか。
背景となる情景描写も素敵で、架空の街なのに「そこに住んでみたい！」と思う瞬間がありました。
読後の余韻の中このレビューを書いていますが、最終回にこんなに幸せな気持ちを感じたのは久しぶりかも知れ…続きを読む

「始まりの国」の住人であるくるみは、とある戦いの末、時空の割れ目に飛ばされて、記憶を無くして現代日本へと辿り着きます。
親切な夫婦の元で日本人として暮らすくるみですが、ある日、時空を移動できる「時代屋時計店」に足を踏み入れたところから、物語は大きく動き始めます。


読書好きの皆様でしたら、子供の頃、夢中で読んだ物語があるのではないかと思います。この作品からは、そんな懐かしさを感じました。
子供の頃に大好きだった物語は、大人になってから読むとまた違った感想を抱くことができ、いつ読んでも新たな発見と感動があるのですよね。
同じようにこの作品にも、どんな年代の方が読んでも心に響くものがあるのでは…続きを読む

丁寧な文章と描写に思わず次へ次へと読み進めてしまう作品。
特に食べ物の描写がいい。話の本筋ではないのについつい興味をそそられてしまう。マドレーヌにレモンは翌日買って来ようと決心するほど。

まだ読み始めて序盤の段階ですが、この町の診療所の夫婦は謎の物体を発見します！

その正体は何なのか？また、そこから始まる物語とはいったい？

優しい時間の中に謎が広がります。異世界転生のような派手さはありませんが、どっぷりとファンタジーの世界に浸かりたい方に超オススメです！！

時代屋時計店、私も行きたいものです！

　彼女は何者なのか、いったい彼女の過去に何があったのか？
記憶を失ってしまったくるみが、見つけ出す本当の自分とは?
手を差し伸べてくれる温かい人たちに囲まれて、くるみの旅がはじまります。

読み進めるうちに少しずつ解き明かされる謎。ほっこり心温まるエピソードの数々、ワクワクしながら楽しんでいます。

とても透明感を感じる世界。凄く凄く純粋で、それでいて凄く勇敢な女の子の物語です。読みやすい文章で、主人公と一緒に旅をしているかのように、どんどん読み進んでしまいました。風や光、花や木々の香り、街の賑わいなどが、まるで自分が物語の中に入ったかのように感じられると思います。

優しい文体と世界観、登場人物達に癒されます。優しい気持ちになりたい人たちにお勧めです。

くるみ、ヒロインと共に歩いて居るような、そんな錯覚を覚える文章表現！
なぜ記憶が無いか？物語はゆっくり進みます。
でも、飽きる事無く続きが読みたくなり、読み進めますよ。

ゆっくりと浸って読める小説が読みたい……そんな物語を探しているあなたにお薦めです。
どこか懐かしくなるような、穏やかな時間が流れる素敵なファンタジー。
１人１人の登場人物が丁寧に描かれ、この世界の中で生き生きと生活しております。

通勤時間のちょい読みというよりは……夜寝る前の静かな時間、もしくは早朝に紅茶やコーヒーを飲みながらゆっくりと……腰を据えて深くしっかりと読みたくなるそんな物語です。

もし、休日で予定もなく暇を持て余しているそこのあなた!　あなたがファンタジー小説を探しているとしたら、この小説を自信を持ってオススメ致します。
まずは、是非作品をフォローして一読してみて下さい。