第9話 シフト表

(今週は、一緒だ…)

 2週間ぶりに、彼女とシフトが重なった。

 別に親しいというわけでもないし、恋という感じでもない。

 ただ、彼女の笑顔を見るのが好きなだけなのだと思う。

 ほんの数時間だけ、仕事は楽ではないけれど、それでも彼女と同じシフトの時は、いつもより少しだけ早く出勤してしまう。

 休憩室で、ほんの少しだけ始業前に話せるから。

 そんな時間が今は、なにより楽しい。


(旦那さんは、幸せなのだろうな…)

 僕から見たら、憧れのお姉さんって感じなのかもしれない。


『恋』にしないように…

 芽吹いた気持ちを、これ以上大きくしないように…


 咲かない花に水をやる。ただ大きくなる気持ちを、人はなんと呼ぶのだろう?

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