水面に伏す

街の大半が水没してしまった世界。
シーラは、ずっと一人だ。

自分以外、誰もいない。
それでも店は運営されているし、病院といった施設も機能している。
暮らしていくには何の不自由もない、私はここで、他の物と一緒に沈むだけ。


そう思っていた少女のもとに現れたのは、記憶喪失の青年。

「平穏にしがみつくことが幸せとはいえないよ」

彼は、自分は、果たして何者なのだろうか。
自らの存在と街の正体を知るべく、少年と少女は旅に出る。


その先に待ち構えていることが、どんな悲劇だとしても。