2021/05/27:タイトル。―――――――――――――――――――#創作論

 タイトル、つまり小説の名前について考えよう。小説の価値がタイトルによって大きく変わることはないと考えがちだが、第一印象であるタイトルは、特にWEB小説において重要視すべきだ。


 まずは名前について述べる。物理的に存在している物なら大体は名前を持っている。筆箱に入っている文房具の名前が判らない人はいないだろう。

 ここで、なぜ名前を付ける必要があるかを考える。私の手元にある筆記具には鉛筆とシャープペンシルという名前が付けられている。消しゴムによって消せる筆記具という点ではどちらも全く同じものだが、鉛筆とシャープペンシルを同じ物だと認識する人はいない。つまり名前が違うものは別の物であるということが言える。赤(#e60033)とレッド(#ff0000)は別物だし、ボウガンとボーガンとクロスボウは別物である。


 同音異義語は音だけなら同名と言えるが、漢字まで同一でありながら意味の異なる単語はない。何故なら使い分けができないからだ。そういった単語は時代の辺会によって一方の意味が消失していく。壁ドンの意味が世代というか、育った環境で違うように、双方の位置を併用する人間はまずいない。壁ドンの話で大事なのは、環境が違えば全く違う意味を持つ同じ単語が許容されることだ。日本で「take」と書かれていると「取る(英訳)」か「竹(ローマ字)」か判断できない。しかしアメリカでは「take」は「take」である。


 つまり、名前とは今立っている環境下で違いを明示する為に存在する。タイトルも同様に、他との違いを明確にしたい意図を含んでいる。

 そうであるにも関わらず、「Wikipedia:曖昧さ回避」を見てもらうと、作品名が被ったせいで検索が困難になっている場合がある。芥川龍之介の「鼻」、又吉直樹の「火花」。これらは一般の用語をタイトルにしている為に、検索が困難である。まあ芥川龍之介はインターネットなど使わないだろうけど。小説を検索するなら


「小説 鼻|検索」


で特定できるだろう。環境、つまり小説であることを示してやれば特定できるということだ。


「虫 鼻|検索」


だと、虫には鼻と呼ばれる器官が無いという情報が出てくる。よって、小説のタイトルを考える時は、既存の小説にないタイトルだと良いだろう。


「小説 黒い硝子|検索」


適当に思い付いたタイトルを検索してみると、案外被らない物である。


 タイトルには小説の名前という考え方の外に、小説の看板であるという考え方も存在する。人間の名前はこれからの人生を元に名付けるが、小説は書き終わってから名づけることがある。つまり名前が内容から影響を受ける。


「最近のラノベってタイトル長いから短くしたいよね。~転生特典のスキル:ネームカッターで勇者の主人公補正消しちゃった☆~」


 最近の流行の則ってタイトルを考えてみたが、タイトルだけで大体内容が分かる。この小説のタイトルが「ネームカッター」だと


(どういう意味だ?)


と内容を予測できないので興味を引く。逆に言えば、異世界転生モノであることや現行作品のアンチテーゼである事が伝わらないタイトルなので顧客を逃す可能性がある。


 じゃあどうやってタイトル付けたらいいんだよ、と、迷う。色々述べたものの、とても単純な事だ。読んでほしい人の目に留まるタイトルが良い。異世界転生モノなら何でもいいやと言う人には長いタイトルの方が向いているだろうし、少し硬い内容が読みたい人には短いタイトルが良いだろう。


 ここからは個人的な話だけど、私が付けるなら短いタイトルだろう。ただ、短いながらも小説の内容を反映し、更には驚きのタイトル回収をするような名づけをしたい。そう考えている。


――――――


 今回タイトルについて考えたけど、この作品のタイトルはどうなのだろう。


「どうでもいいことを毎日書くことにした。」


 これに関しては悪く無いと思うのだけど、各話のタイトルは内容が分かりにくい。特にこの作品はそれぞれの内容が独立しているうえに、内容がバラバラだ。


 ……そう思うと、今までのタイトルを変えたくなってきた。せめて内容が明確になるようにしたい。


「……ルール作って、#創作論、#小説、#本当にどうでもいい、とか付け足そうかな。」

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