2021/05/28:オリジナリティ。――――――――――――――――#日刊小説(仮)

 日刊小説(仮)の第二回、どうもこんにちは、のべるです。苗字は未定です。本日はオリジナリティについて考えていこうかと思います。


 昨日したタイトルの話に関係するんだけど、オリジナリティは大切ですよね。


――[Originalityオリジナリティ]:世間にない新しさ。独創性。


 こう定義されている単語だけど、個性と言ってもいいでしょう。でも、自分のオリジナリティを正しく把握している人がどれほどいるんでしょう、誰か統計取って無いかな。


 1つ質問します。異なる二人の創作物、小説でも漫画でも、何なら宿題でもいいんですが、「オリジナリティが無い」と感じたことはありますか?


 数学の問題なんて顕著ですよね。特に宿題に載ってる問題。なんせ授業で習ったことを用いて問題を解くのだから、問題の解き方はほぼ全ての人が共通になっている筈です。でも「オリジナリティが無い」訳ではないです。手書きをしている時点で、文字には個性が出ます。筆跡と言う物ですね。


 でも、こんな個性あっても仕方ないじゃないか。そう思うこともあるでしょう。確かに、文字が奇麗か汚いか、極端であれば人生に寄与するでしょうけど、普通の人は普通であって、他人とは違うけど普通です。


 じゃあ、人生に影響する程度に強いオリジナリティについて考えましょう。オリジナリティは他人と比較してこそ表出するので、まずは誰かと一緒にいた場面を思い出しましょう。ここで、そのグループ内で自分しかできないことがあれば、それは貴方のオリジナリティです。更に、そのグループの方針に影響したなら、そのオリジナリティは強いと言えるでしょう。


 ……なんか説得力が無いですね。例を出しましょう。修学旅行の班が決まって、自由行動の時どこに行こうか話し合う場面を想定します。


A「どこいこっか。」

B「長崎でしょ?、原爆資料館とか?」

A「教会とか出島とかも有名じゃない?」

B「教会はどうでもいいかな、別にキリスト教でもないし。」

C「ステンドグラスとかきれいじゃないかな。」

D「……あとはグラバー園とかメジャーらしいです。」

B「ふーん。ま、地図見ながら何となく繋げていけばいっか。」

A「おっけー。他の人はどう?」

C「どこでもいいよ。」

D「おなじくです。」


 こんな感じに会話をしている彼女らにはどんなオリジナリティがあるだろう。考えてみましょう。


 一番発言回数が多いのはAさん。積極的に話を進めてるし、長崎で教会が有名なことも知ってる。優秀な人でしょうね。


 次に発言が多いのはBさん。教会について自分の感性に基づいて積極的でなかったり、Dさんの発言を蔑ろにしたりと、あまり良い点が見えない。でも、Aさんがいなければリーダーシップを取って話し合いを進めたでしょうね。自分の持つ知識を広げられれば、決定力を持った経営者になれそうです。


 CさんはBさんの発言に対して、Aさんを擁護するような発言をしていますね。積極的ではないものの、それぞれの人の立場を尊重して立ち回れそうですね。


 Dさんは積極性に欠けているけど、事前に調べてきたような発言をしているので、準備をしっかりしてくれそうな人だ。


 それぞれ、グループの方針に影響を与えていることは分かってくれるでしょう。でもこのままでは、Dさんの良いオリジナリティは発揮されません。このあとの会話はAさんとBさんが主体となって、たまにCさんが口を挟む形式で進みます。ときにはAさんが「Dさんはどう思う?」と聞くけど、Dさんは「はい、大丈夫だと思います。」としか返答しないと容易に予想が付いてしまいます。


 じゃあどうすべきなのか。Aさんの進行が悪いと責任転嫁してもいいですけど、Dさんが自分でどうにかできる範囲で考えていきましょう。


「私、事前に調べてきたので、判らないことがあったら聞いてください!」


 そう言えればいいけれど、なかなかに難しい。声を出さずに済む方法で、事前に調べてきたことを伝えたい。


 こんなときは物品で話を振ってもらおう。インターネットで検索すれば観光協会のホームページが出てくるんだから、それを印刷して持ってきて机の上に出すだけ。会話は他人の感情が直接届きやすいので、怖い人もいます。それでも手を動かすのは少しの覚悟で出来るので、向いているでしょう。


 まあ、オリジナリティの活用法はともかく、オリジナリティの発見法については一つ、確かなことがあります。それは、自身が所属するグループを明確にすることです。

 WEB小説サイト、例としてカクヨムにしましょうか。50万人以上の登録者がいます。このうち、短編小説を書いて「カクヨムWeb小説短編賞2020」に投稿した人は何人でしょうか。応募数が7,761作品なので、1.5%です。敷居の低い短編小説でこれですから、小説をしっかり書くというオリジナリティは、小説が好きなカクヨムの登録者の中でも希少な才能です。


 でも、自身が所属するグループを過大に認識してしまうと大変なことになります。カクヨムに存在する作品数は238,406件(引用元:https://kakuyomu-statistic.info/)。なんだか自分がちっぽけに感じますね。でも、現代ドラマに限定すれば36,748件、創作論・評論に至っては2,617件しかありません。自分の今立っている位置を正しく把握することで、オリジナリティを正しく把握するということですね。


 僕が言うのも何ですけど、物語のキャラクターに強すぎるオリジナリティを与えなくても、ちゃんと環境を整備してやったらオリジナリティは光ります。文章でラジオしてる人なんて見た事あります?


 自分語りも終えた所で、本日の日刊小説(仮)はここでおしまい。次回は僕について話せればいいなと思ってるよ。じゃあね。


――――――


 なんだか今日の話は長くなってしまった。例を出すと長くなるのかな。


 黒板を消しながら耽る。

 黒板も、いつの日か廃れるのだろうか。緑がかった黒い背景に、白いセラミックスを押し付ける。どの生徒からも見やすいように少し湾曲し、先生が書きやすいようにグリッドがあり、プリントを張り出すために磁石を貼り付くようにしている。


 オリジナリティは十分ある、と昔は思われていた。しかし映像技術が発達してきて、モノクロテレビのように少しずつ消滅していく運命だ。


「……未来なんて、わからないよな。」


 そう黒板に話しかける私は変人だろうが、誰も聞いていないのだから何も言っていないに等しい。


 「黒鐘紅椛」の跡に翌日の担当の名を刻み、今日の仕事を終えた。

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