人気作は設定ではなく〇〇〇で個性を出している

 最初に結論を言います。


 人気作は設定ではなく「キャラ」で個性を出している


 あなたにこんな経験はないですか?


 書籍化や人気作になるためには

 読者やプロの編集者の目に留まる

 個性が強い小説を書かなければいけない


 だから今までにないような

 斬新な設定の小説を書いたけど

 全然読まれないなど結果に繋がらない


 その理由はあなたが「個性」とは何かを

 正しく理解していないからです。


 そもそも個性とは「他にない」特徴や

「他の人がやっていない」ことではなく


 他の人には(簡単に)「マネできない」

 魅力や特徴のことを言います。

(才能もほとんど同じ意味)


 スポーツなら圧倒的な身体能力がある選手

 変則的な戦い方やフォームの選手ですね。


 しかし小説における斬新な設定は、


「これいいな。自分もこの設定で書こう」

 と他の作者に簡単にマネされてしまいます


 そしてマネした側の方が質や評価が高いと

「マネした側の小説だけで良くない?」

 となり読者を奪われてしまいます。


 そもそも日本全体のラブコメ作者数を

 仮に1万人としてどれだけ沢山の設定を

 考えたところでせいぜい数百個、


 相手が無名で表に出ていないだけで

 ほぼ100%誰かと被っています。


 さらに人気作の大多数が、

 学園もの、ハーレムなどのテンプレや、

 大人気小説の二番煎じであることから、


 斬新な設定は個性にならないどころか

 読者を遠ざける理由にさえなることを


「過去の事実」が、もっと言えば

 プロレベルの実力があるはずの


「あなたの小説が評価されないこと」

 が既に証明しているのです。


 だからこそ他人がマネできない別の要素

 個性を作り出す必要があるわけで、


 一番有効なものがキャラというわけです


 例えばあなたの一番好きなキャラを聞かれ

 ツンデレ美少女のA子と答えたとします。


 そして聞いてきた相手が無神経に

「ツンデレ美少女なら誰でもいいんだろ?」

 と言ったらあなたはどうしますか?


 おそらくですが、

「バカなことを言うな! A子はそこら辺のツンデレ美少女とは違う! いいか! A子はな――」


 とA子の良さについて熱く語るでしょう


 もう分かりましたか? これが個性です


 ツンデレという特徴は簡単にマネできるが


「A子である」ことは他の作者が

 どんなに頑張ってもマネできません


 また「あなたが一番好きな小説の

 最大の魅力は何ですか?」と聞かれた時


 多くの人が設定や世界観ではなく、

 キャラやキャラ同士の関係性と答えます


 だからこそ小説の個性は「設定」ではなく

「キャラ」で作りにいくべきなのです。


 それでは実際に小説を書く時に

 どうすればいいのかと言うと、


 プロローグや序盤であなたの

 推しキャラの魅力をアピールして、


 読者に「面白そうな小説」ではなく

「このキャラ好きだ」「応援したい」

 と思わせるファンになる土台を築き


 それからあなたが書きたい設定や世界を

 見せていくようにすると良いでしょう。


 そういう点では流行りの

「異世界転生」「追放」「ざまあ」などは


 最初に主人公が不遇な目に遭うことが

 多く同情や応援をしてもらいやすいから


 人気が出やすいのかもしれません。

(自分と重ね合わせている可能性もあり)


 もしどんなプロローグを書いたらいいか

 分からず困っている方は、


「何をすれば読者があなたの小説の

 推しキャラを好きになってくれるか」


 を考えながら書いてみましょう。


 そして「面白い小説を読むため」ではなく

「〇〇(キャラ名)に会うため」に

 あなたの小説を読みにくるようになれば、


 もう他の似たような小説に

 読者を奪われることはなくなり、


 人気作になるのは時間の問題、

 勝ったも同然の状態になるでしょう



 さて、これであなたは、


 初心者の勝ち筋と、

 プロの負け筋が分かり、


 どうすれば人気作が書けるかの

 イメージがかなりハッキリと

 してきたのではないでしょうか?


 しかし一方で疑問もあると思います。


「でも結局山下は書籍化できてないじゃん」


「自分たちが目指しているのは書籍化だ」


「山下の言う通りにしたら人気作には

 なれるかもだけど書籍化はできない」


「言っていることを実践しても結局

 費やした労力が無駄になるだけだ」


 でも、ご安心ください。実は


『無名の頃から応援している人気VTuberが元カノの妹のSSS級大和撫子だった件』


 の執筆を決めた時、設定した目標は

「書きたい小説で★500」のみ。


 書籍化は含めていませんでした。


 なぜならカクヨムには★1000を

 超えても書籍化していない小説があり


「書籍化できない理由」を解明しないと


 人気作になったのに書籍化できない

 不幸な人を量産してしまうからです。


 そこで私は「書籍化できない理由」

 の仮説を立てその検証として、


「仮に人気作になったとしても

 書籍化は難しいだろう」


「書籍化できたらラッキー」

 な小説を書くことを決め、それが


『無名の頃から応援している人気VTuberが元カノの妹のSSS級大和撫子だった件』なのです。


 要はこの結果は「やっぱりか」と

「山下の想定通り」だということです


※もし書籍化できたらそのまま

 この創作論で紹介するテクニックを

 使えば書きたい小説で書籍化できる

 説得力ある根拠に使う予定でした。


 なので次話からはその検証結果の報告


 なぜ★500を獲得した山下の小説が

 書籍化できなかったのか

 について書いていきます。


 不思議だと思いませんか?


 小説投稿サイトの審査員である

 素人の読者とは違い、


 書籍化するかどうかを決める審査員は

 目が肥えているプロの編集者です。


 それなのになぜアマチュア作者目線でも


「何でこんな小説が?」と思うような

「内容と評価が合っていない小説」を


 書籍化する小説に選ぶのか?


 ほぼ全て山下の推測になりますが


 かなり攻めた内容を書く予定なので


 厳しい現実を知る覚悟がある人だけ

 次へお進みください。

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