第21話 婚約者…さあ、選べ。

「ユーキ、お前のお見合いの申し出が殺到して仕事に差し支える、どうにかしろ」

「藪から棒になんですか父上、今までそんな事一言も」

「アリアにバレてな‥大変なんだ。泣くわ叫ぶわ手紙を破るわ、すべてを失ってもいいから一緒になりたいと言ってるぞ?どうするつもりだユーキ」


おおう…すっかり重い子に。普段は良い子なのにな…。


「アリアにはそれとなく聞いてみます、お見合い話は全てお断りを…、お伺いしたいのですが、仮にぼくとアリアが結ばれても良いのですか」


「本来ならアレも政治の為に嫁ぐのが当然なのだが、お前のお陰でその必要性も無いからな。むしろ人質にもなりかねん。アリアもそこまでの覚悟があるのなら‥お前に一任する」

「あ‥逃げました?‥そうですね困りましたね、僕としては昔から付き合いのあるソーニャと結ばれたい気持ちもあるのですが…」


「ああ、報告は受けている。だが何が問題がある?2人娶れば良いではないか」

「僕の前世では一夫多妻制はほんの1部以外はありませんでした…僕自身も1人だけが良いと思ってます」


「それは前世の話であろう、お前はもうこの国のそれも我の息子なのだ。2人くらい娶れないでどうする」

「そうですね、それも分かるので悩んでいるのです」

「アリアは…アレはもう駄目だ、お前に完全に依存しておる。前向きに考えてくれ」

「…………わかりました、明日ソーニャと逢ってみます。それで決めます」

「それでよい…じゃ、麻雀でもするぞ。お前にだいぶつぎ込んだからな、返してもらうぞ」

「あはは、できる事なら返したいですよ父上」

「そこのメイド、いつものメンツに電話しろ」

「はい、おおせのままに」



「ソーニャ…僕と婚約して欲しい」

「本当に?ソーニャでいいの?嬉しい…もう離れないからっ」

「いやまだ婚約だから、もう少し我慢ね。あとこれ、手を出して」

「綺麗な指輪ね…こんなキラキラした宝石はみた事が無いわ」

「一応ダイヤモンドだよ、カットの仕方で輝きが変わるんだ。僕の手作りでなんだけど受け取って」

「ありがとうユーキ、大切にするね」


そして誓いのキスをした。


「それでねソーニャ…言いにくいのだけど‥」

「アリア様?」

「え‥何で分かったの」

「秘密ニャ」

「そ、そう。アリアとも婚約したいのだけど、いいかな」

「いいわよ、それはあなたの決める事、あと第一夫人もアリアにして。その方が丸く収まるから」


「‥わかった、ありがとう。形はそうでも僕‥いや俺は差別したりしないから」

「ん、嬉しいわユーキ…ね、もう一度キスして」


さっきより濃厚なキス、キスってこんなのなんだな、はまりそう。


「トリスさんにも話さないとな、許可してくれるなら…これから暫く王都の僕の家で暮らさないか?勿論アリアも。まだ家庭教師は雇っているの?」

「んーんもう終わってるよ、今はねーユーキの教えてくれた料理の練習中よ」

「おー嬉しいね、ソーニャにはレシピ色々渡してたもんな」


…ううー緊張した。トリスさんとの話し合い、でも事前にソーニャに言われてたみたいで意外にあっさり進めれた。勿論結納金は渡した…この世界にそんな制度無くても気持ちの問題だ。トリス義父さん…言いにくいな、トリスさんと奥さんには王都に来ないかと声を掛けておいた、勿論家も用意するし信頼のおけるメイドも1人付けるつもりだ。前向きに検討すると言ってくれた。



アリア?顔合わせた瞬間抱き着いてきて濃厚なキスしてきたよ…。君絶対電話か何かでソーニャと繋がってるだろ。まぁいいや指輪をはめてあげて、もう一度キスした。

初めての夜はアリアでした、僕の性欲性豪絶倫セットはすごいみたい。

二人居て正解かもと思った、1人では足りない‥色々と。




月日は流れ、あれから2ヶ月程かな。

もうトリスさん親子は先に用意した王都の家に住んでいる、4LDKの買取りマンションに住んでもらった、一軒家より手入れが楽だしエレベーターも勿論あるし手すりやバリヤフリーも完備、ジャグジーバスやウォシュレットもある。

先の事考えたらココのが暮らしやすいだろう、すごく喜んでくれた。

トリスさんリーニャさんの仕事は、僕の新しい国営の甘味処をお任せした。なんでもトリスさん、僕が出した料理に興味あり家族で一緒に作ってるらしい。

腕前も中々だとか、確かに鑑定してもトリスさんが一番高い。適正があるのかな?


和菓子は難しいと伝えたが、それがかえってやる気に火がついたみたいだ。



さー後は結婚だけだなーとりあえず。あんまり式はハデなのは嫌だけど秒で国王に却下された、まあわかってた。それなら式も日本式にしてみるとか?いや和服は違和感あるか、洋式がいいかな。ウエディングドレスにケーキ入刀、空中ブランコは古いのかな?まぁ検索しよう。この世界のでもいいしね別に、式は男が口出しする物では無い、睨まれるだけである。


料理は何がいいかなーチキンの照り焼き丸ごと1羽に…いやそれではダメだな。ドラゴンでも倒しにいくかな?ドラゴンステーキ絶品らしいし。





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