6章 異常な襲撃者

しばらく進んでゆくと…

「はっ!?」

ジャネットは不意の気配、殺気を感じ取る。

「ジャネットセンサーに異常ありです」

と、小声で告げる。

勿論、訳が分からず動揺するエリオノーラの姿。

「敵です」

スッと自分の後ろに下がらせる。

「もっと分かりやすく〜」

禍々しい気配を放つ剣を手にした男が、脇道より現れた。

「バツグンに分かりや…」

「それについてはまた後で」

真面目な声でジャネットを制する。

「アイツは…」

「全然わからん!」

「魔剣に操られてるみたいよ」

「魔剣に!?」

「がはっ!!」

魔剣を振りかぶり、二人に襲いかかる!


的確な動きで切先を制したのはジャネットだ。

「前はお願い!!」

エリオノーラの賦術【バークメイル】がジャネットを包み込む。

「お任せください」

アビスの呪いで強化されたスキヴァーナを握りしめジャネットが応える。

自身でも賦術【クリティカルレイ】を使い武器は白く輝きを放つ。

そして、

「必殺!!!」

大きく振りかぶった一撃は空を切る!

だが素早く二撃目を打ち込む!!

が、それもわずかに外れる。

「あら?」

「ジャネットがダメなら私が!!」

「ダメとか言わないでくださいっ!」

エレオノーラは魔法の行使に集中し、炎の矢<フレイムアロー>を撃ち放つ!

「くらえ!!」

それは的確に的を捉え、焼き尽くしてゆく。

灼熱に焼かれた男の半身は今にも崩れ落ちそうだ。

血走った眼でエレオノーラを睨みつける。

「…あ、異貌し忘れてた」

呟くと、その姿を見る間に変貌させてゆく。


男は恨めしそうにエリオノーラを睨みながら、

邪魔をするなとでも言いたげに、魔剣をジャネットへと振り下ろす。

体勢を崩していたジャネットは、肩口から大きく斬りつけられる事となる。

「うわぁあぁ!?」

「ジャネットっ!!」

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