第7話 防壁(シールド)
コードの組み立てを読み解く直人だったが、思っていた以上に重層な構築に頭を悩ませた。おまけに、これは最初から抜けやミスがあるものだ。元通りに出来るかは自信がなかった。
「なあ、
「いいえ、各村に
「なんだ!それなら他の村のコードを参考に出来るじゃん!ラッキー!」
直人はモニカに別の
*
その日は、プログラムを書き写しただけで家に戻った。モニカが書き写したコードを見比べながら、
一番重要なのは範囲と座標だ。何平方根の場所を守らねばならないのかは、当然ながら他の村とは記述が違ってくる。中心から何メートルなのかを求めなくてはならないが、幸いな事にこの世界はメートル法を使っている。これで独自の度量衡を使われていたら、詰むところだった。
次は座標の指定だ。完成形としては、ドーム型の
別の秘石を見てる限り、3つの数字が鍵になっている。恐らく、関数でそれを表しているのだろう。
例えば、秘石がある中心点から縦軸をX、横軸をY、上空をZと置き換えたとして、X軸が1、Y軸が1、Z軸が10、X軸が1、Y軸が2、Z軸が9のように、一つ一つの位置を指定していくのだ。一つのブロックが9平方メートルだとして、わり算していくと……。
って、これっ!プログラミングじゃなくて、高一の数学じゃねーか!
襲われた村の
直人は頭の中に3Dの模型を想定し、それを図で書きながら、数字を埋めていく。
次の日、解読できた部分をモニカに刻み込ませる。だが、一回では上手くいかない。何かしら間違っているのだ。せめて、途中経過の段階でも、シールドが表示できたら間違いが分かりやすいのに、全てを正しく埋めないと復元できなかった。
頭を悩ますこと2日後。
ようやく、
何が間違っていたかというと、シールドの角度と向きの指定をしていなかったのだ。わかるか!くそボケ!テキストを寄越せ!
「おお!すげぇ!これが
直人は目の前の神秘的な光景にただ感動しただけだったが、モニカは目に涙を浮かべて感激していた。この村に再び
「うっ……ううっ、わあぁぁぁ!ああぁぁぁ!」
大声を出して泣き崩れるモニカに直人はなんて言葉をかけていいのか分からなかった。何も言わなかったが、この村の
傾いていく日が空と
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